怖いのは大きなストレスより小さなストレス


疲れが抜けない、精神的なモヤモヤ、イライラが続く、寝る時に嫌な思い出がドンドン浮かび上がって眠れないという人も多いのではないでしょうか?ちょっと古いデータですが平成12年の厚生労働省が調査して寝不足の自覚アンケートでは約50%の人が寝不足だと自覚しているそうです。

 

もちろん、寝不足の理由はたくさんあります。内臓系の疾患や高齢による夜中の頻尿などもあるでしょう。けれど、もしあなたが眠る時に嫌な思い出や嫌なことが浮かび上がって眠れないということであれば、また悪夢で目が覚めるということであるなら、それはストレスが原因である可能性が高いでしょう。

 

このストレスですが、実は大きな事件や衝撃的な出来事などのストレスによる心身のダメージは案外回復が早いのですが、小さなコツコツとしたストレスによるダメージはなかなかで手強いのです。

 

たとえば、いじめの問題がありますが、チクチク、ネチネチ、陰湿でイジメなのか?何なのか?わからない位のイジメが怖いのです。これで、精神的なダメージが蓄積されて自殺に至ることも多いのです。

 

これって?学校のイジメだけではないですよね。今や現代社会そのものが小さなストレスの積み重ねです。最近では新型コロナの問題で、全世界がストレスに悩まされております。

 

小さなストレスというのは、精神や肉体でも気づかない程度に犯して行きます。暗殺などでは、毒をいっぺんに盛るよりも、相手が気づかない程度に毎日、毎日毒を盛る。すると、ある日、突然に死に至るというものがあります。これと同じ現象が小さなストレスなのです。

 

つまり、小さなストレスの連続は目に見えない潜在意識に刷り込まれ、同時に肉体を少しずつ内部から破壊して行きます。そこで。この小さなストレスを見破り、改善する方法の基本的なことをご紹介いたします。

 

そして、先に答えを書いておきます。それは「睡眠」なのです。ちょっと待って!睡眠ができないので悩んでいるのに、睡眠がストレスを解決するなんて話が矛盾しませんか?と思われた人も多いでしょう。その通りです。逆に言えばちゃんと睡眠が取れるようになればストレスによる心身のダメージから解放されるのです。

脳は睡眠でバージョンアップする (夜のマインドフルネス瞑想の効果)

ストレス(stress)とは直訳すれば応力ですが、応力とは内部に発生する力という意味です。たとえば、ボールは外側から力を加えると内部の空気が反発して押し返します。だから、ボールを壁にぶつけると跳ね返ってきます。

 

人間の精神で言えば、誰かがあなたの事と悪く言えば、嫌な気持ちになって相手に反発します。言い返せればスッキリしますが、言い返せないと内側に力が溜まったままになります。内側に溜まった力の逃げ場が無いと、内部組織にダメージがたまります。そのダメージが精神に障害を起こすことがあるのです。

 

言い返せしたり、仕返しができれば良いでしょう。しかし、言い返せない、仕返しは出来ないことは生きていればたくさんあります。また、出来たとしても世界中がそんな事をやっていれば戦争ばかりの世の中になります。だからこそ、外部からの圧力に対して内部に力を溜め込まなくて良い「睡眠」という生理的な仕組みがあるのです。

 

人間の脳をパソコンにたとえてみましょう。たとえるという表現が不自然かもしれません。もともと、パソコンやコンピューターは人間の脳をモデルに作られた道具です。だから、パソコンで人間の脳の仕組みを説明するのはシンプルでわかりやすいのです。

 

パソコンには記憶媒体であるハードディスクと計算処理をするメモリーがあります。パソコンにどんどんデーターを詰め込むとハードディスクがいっぱいになってしまいます。ハードディスクがいっぱいになったらどうなりますか?パソコンだけではなくスマホも同じです。新しいデータが入らなくなったらフリーズしますよね。

 

そこで、不必要なデータを捨てるか、外付けハードディスクやUSBメモリー、あるいはクラウドに整理したデーターを保存しますよね。脳も普段使う記憶と普段使わない記憶に仕分けて保存をしなおします。それが「睡眠」なのです。

 

また、計算処理をするメモリーは同時に色々なアプリケーションを開いていると動きが遅くなります。だから、パソコンやスマホでも普段使わないアプリを閉じておく必要があります。人間の脳も起きている間は様々なアプリが開いた状況にあります。

 

たとえば、仕事でのアプリ、家庭でのアプリ、同時に色々な役割を持って生きていますから、活動している間は様々なアプリが働いています。しかし、仕事が重なったり、仕事とプライベートでの問題が重なって同時に様々なアプリが開いていると脳がフリーズします。これがパニック状態ですね。

 

そこで、今必要の無いアプリを閉じておくことで、今やならなければならない事がスムーズに処理されるのです。これを集中力と言います。簡単に言えばT P O(目的・時間・場所)に合わせて最適なアプリだけを起動させて使用することが集中力とも言えるでしょう。

 

さて、仕事が終わったらパソコンをどうしますか?スリープにするか?シャットダウンをいたしますよね。アップデートがあれば更新作業を指示してスリープ。なければ、アプリを閉じてシャットダウン。これを毎日やることでパソコンは正常に働きます。

 

これを怠ると、パソコンの作動不良が起こります。スマホは電話機能がありますから完全なシャットダウンをしなくてもいいような仕組みでアップデートがされます。それでもフリーズした時は再起動をかけますよね。

 

人間の睡眠も脳のアプリのアップデート作業と考えてください。不必要な記憶を整理したり、今必要のないアプリを閉じ、目覚めて再起動する事でメモリーを最適化してスムーズに働けるようにするということなのです。

 

さて、マインドフルネスという言葉も最近よく聞かれる方も多いでしょう。実はマインドフルネスとは何か?ということについての定義はいろいろあるのですが、目的は脳を最適化することなのです。簡単に言えば質の良い眠りができれば、それがマインドフルネスになります。

 そこで瞑想という言葉とマインドフルネスという言葉を重ねてよく説明されますが、実は瞑想とはパソコンで言えばスリープ状況を意図的につくるということです。

 一旦、不必要なアプリケを閉じるということなのです。これについては、次に説明して行きましょう。


最適な睡眠への準備

睡眠は脳の記憶を整理したり、アプリのアップデートをすることと書いてきましたが、その睡眠へ至る方法はパソコンと同じで、パソコンもいきなり電源を切れませんよね。

 

アプリのアップデートを確認して更新作業を指示したり、起動アプリを閉じる作業をします。人間の脳もアプリが起動していたり、タスク(作業)がされていると睡眠(シャットダウン)ができません。

 

そこで、具体的に脳の起動アプリを閉じたり、タスクを処理する方法を説明いたしましょう。


床に座って行う

「床に座る」ということが大切です。脳は目覚めている時は立ち上がるか、椅子に座っている事を記憶しています。椅子に座っているということは仕事をしていると脳に刷り込まれているので、リラックスしにくいのです。しかし、床に直接座るということは日常の仕事や作業と異なるシチュエーションを作り出すので、脳が仕事をしなくて良いと判断をしやすくなるのです。

 

この床に座る事で、今日の1日の終わりを身体が脳へ伝えます。そして、座る姿勢で重要なことは股関節を開くという事です。つまり「あぐら」がよいのです。本当は「結跏趺坐」あるいは「半結跏趺坐」がよいのですが、これには実技指導が必要なので、先ずは「あぐら」から初めてください。

 

なぜ、股関節を開くあぐらが良いかというと、内股と股間は急所だからです。人間は直立歩行をする事でお腹や内股という急所をさらけ出しております。つまり、生物的に危険な状況なので、自然と内股に力が入る緊張を促しております。

 

そこで、内股の緊張を意図して和らげる事で、身体から脳へ緊張をほぐす指令を出します。内股の筋肉が緩む事で股間から心臓へ繋がっている大動脈や大静脈の流れか改善され、起きている間に溜まった下半身の血流が一気に全身へ流れ出します。

 

この事で脳はさらに全身の毛細血管を開けと指令を出します。その指令を伝えるのが副交感神経ということになります。つまり、身体の状態を意図して変える事で脳が状況判断をしてリラックスモード=副交感神経優位へ切替るのです。

 

床に「あぐら」で座って内股を手でゆっくりさすり緊張を取って行きます。背筋は伸します。理由は骨盤を安定させて内臓の位置を正常化させるためです。本来は結跏趺坐で尾骶骨、脊髄、骨盤を整えるのですが、ここでは壁に後頭部と背中、腰を預けると良いでしょう。

 

手の平は上を向けます。これで肩甲骨の左右がよって肋骨が引き上げられて胸郭(肺のスペース)が広がります。そして、何も意識しないで鼻呼吸をします。長くとか、短くとか考えなくて良いのです。あくまでも自然に任せてください。

 

呼吸をしながら、身体の関節に意識を向けます。足首、膝、腰、手首、肘、肩、首筋、股関節、思いつくところの緊張を緩めようと意識をその箇所に飛ばして行きます。

 

この箇所を意識する事でアプリのチャックをしているのです。意識して緊張を緩める事でアプリを一つずつ閉じているのです。どこか緊張が抜けにくい場所もあります。そこがアップデートの必要なアプリです。しばらく、そこに集中します。力を抜く練習です。

 

そのように身体の各箇所をチェックするうちに呼吸が自然と深くなって行く事を感じるでしょう。呼吸は意識と無意識を繋ぐインターフェイスであると同時にO S(Operating System )なのです。身体の状態によって呼吸は変化し、呼吸の変化は無意識に働く自律神経へ状況をフィードバックします。自律神経は身体の状況に合わせた状態を生み出します。

 

呼吸自体で強引に身体の状態をフィードバックすることはできます。たとえば腹式呼吸をゆっくり行うことで、今はリラックスモードですよと疑似体験をさせる方法です。ヨガや武道などでも使いますが、本当にナチュラルに生理現象を引き出すためには、呼吸法での疑似体験よりも、身体の方から力を抜いて自然と呼吸を変える方が良いでしょう。

 

なぜなら、今は本当にリラックスして寝ることができるからです。大事なことは意識して身体の各所の力を抜いて、アプリを閉じることです。身体の各所の緊張はその箇所に関連したアプリが起動しているのです。手首なら文字を書くことや、パソコンを打つアプリ。手首の力が抜ければ、文字を書いたりパソコンを打たなくていいんだよ。とアプリを閉じます。

 

足首を緩めれば、今日は歩かなくていんだよってアプリを閉じます。そのように身体の各所の緊張を意識して緩める練習をしましょう。そして、身体の様々なアプリが閉じると、身体は眠る準備に入りました。


寝ながら行う

実は座って身体の各所のアプリを閉じたら、横たわるとすぐに眠ってしまいます。逆に事前のリラックスモードへの切り替えが出来ていないと横たわってからリラックスモードへ移行することは難しいのです。なぜなら、脳が状況の変化に戸惑うからです。肉体的な労働やスポーツなどで疲弊していたり、病気や怪我の場合はとにかく寝て身体の回復を図ろうと脳が強制的に寝る指令を出します。けれど、肉体的な損傷や疲労が浅い場合は、寝て良いのか脳が判断を迷うのです。ですから、横たわる前の切り替えモードとして座るが必要になります。

 

しかし、座っての睡眠モード切り替えを行った後に、やっぱり寝付けないという人もいるでしょう。その時は、仰向けの姿勢で両手をお腹の上に組んで、自分の呼吸を確認しましょう。仰向けに寝ると自然と腹式呼吸になります。腹式呼吸になっている事を両手で確認すると、手から脳へ呼吸のリズムが外側からフィードバックされて安心するのです。しばらく、そのまま手でお腹の動きを感じましょう。

 

それだけで、「もういいや、寝よう」という気持ちになりますので、両方の手のひらを上に向けて、足も少し開いて大の字に変えます。そこからは意識が無くなるでしょう。


夜の瞑想オススメのやり方


アプリケーションを閉じる

アプリを閉じるということは、仕事が終わったと認識することです。身体の緊張があるということは未だ仕事をしなければという認識がそこにあるということです。

股関節が硬いということは、敵から襲われる緊張、足首は未だ立って歩く必要があるという緊張、肩は攻撃する相手がいるという緊張、身体の様々な状態は意識の緊張状態と関連しています。

 

そして、緊張こそストレスの現れです。上司から叱られると腹筋と肩に力が入ります。腹筋は攻撃から身を守るため、肩は反撃の衝動とそれを抑えるためです。逆に言えば、身体の各所の緊張を意識して緩める事で、今は叱る上司が目の前にいないのだから、緊張する必要がないと身体に説明しているのです。

 

身体の緊張が抜けると、その状態が脳にフィードバックされて、そうだよなぁ今日は叱られたけど、今は叱る人は目の前にいないのだから緊張する必要はないよなぁと納得させているのです。

つまり、身体の各所の緊張を意識して抜く、そのことで見えているストレスの原因、見えていない潜在的なストレスの原因を認識して、さらに状態を変える事で脳に認識の書き換えを促すのです。

 

たとえば、気分が理由もなくイライラしたり、モヤモヤするのは脳が今は緊張する状況だとシグナルを出したままでいるからなのです。状況が変わっている事、状況は変わる事を認識すると視点が変わります。この「視点」を変えるために一旦、脳内の状況をリセットする事。これがマインドフルネスであり睡眠の効用なのです。

 

このマインドフルネスに至るために、意識→身体→身体を変化させる→変化を脳へフィードバックする→リセットを認識する→睡眠という流れです。

 
この最初の導入である意識で身体の力を抜く訓練がヨガや禅、瞑想の入り口です。その事について、アプリを閉じるとご説明させていただきました。



良質の睡眠のために レム睡眠とノンレム睡眠


睡眠には2種類あります。深い眠りのノンレム睡眠、夢をみるレム睡眠です。睡眠に入ると一気にノンレム睡眠入ります。その後、レム睡眠、ノンレム睡眠を繰り返します。

 

これってパソコンのO S更新に似てませんか?MacやWindowsのO Sを更新する時に何度か再起動自動的に繰り返しながらoperationを最適化いたします。人間の脳もレム睡眠からノンレムに立ち上がりながらO Sを更新していると考えてください。

 

ノンレムという深い眠りに入ると脳の緊張が一気に解放されます。そこから立ち上がって、レム睡眠という夢で記憶を再現して行きます。その記憶が必要か不必要か、また記憶の紐付け、関連付けを再構築します。この作業に集中するために身体は完全にリラックスしておく必要があるのです。

 

身体のリラックス状態を睡眠前に作っておくことの重要性がここにあります。脳が身体のコントロールを自律神経に完全に委ねて、脳の最適化の作業を行うことが良質の睡眠なのです。そして、脳のバージョンアップと最適化がマインドフルネスの本当の意味なのです。


大事なことは再起動

良質の睡眠を取れない人の多くの間違いが、目覚める訓練なのです。シャットダウンより再起動が重要なのです。目が覚めるということは脳が再起動を始めたということなのですが、ここで今日は休日だしもう少し寝ようとか、後5分とギリギリまで睡眠を引っ張るとせっかく最適化した脳がダメージを受けるのです。

 

もう一度、パソコンでたとえます。再起動したパソコンの最中にアプリや他の操作を行ったり、再起動作業中に強制終了で電源ボタンをオフにするとO Sが壊れることがありますよね。人間の脳も同じです。

 

目覚めたら、すぐに起きましょう。えっ!朝3時に目が覚めたよ!という場合でも一旦起きましょう。仕事中、居眠りするかも?仕事中は頑張りましょう。それで、帰ってからお風呂に入り、食事をして、座って、寝る。爆睡ではないですか?

 

あなたを3時に起こしたらなら、脳は理由があって起こしたのです。その次からちゃんと通勤前の適切な時間に目覚めるはずです。朝起きたら、出来るだけ身体を動かしましょう。ウォーキングが良いでしょう。ウォーキングから帰ったら朝食を食べて、さぁ仕事です。脳がバージョンアップされてますよ。


まとめ

ストレスの状況は自分で変えることができない事がたくさんあります。けれど、自分が変わるとストレスの原因に対する対応や対処法もバージョンアップした脳が発見することができるでしょう。閃きや問題解決が見えてくるのです。サクサク働くバージョンアップした脳を毎朝手に入れるために、最高のマインドフルネスである睡眠を手に入れましょう。