世界中がコロナ騒動で閉鎖的になっております。日本国内でもコロナに限らず明るいニュースが少ないですね。会社にお勤めの方や自営業の方、経営者の方も先々の不安でストレスが溜まって体調を壊されたり、気分が下向きの方も多いかと思います。 さて、ストレスに強い人とストレスに弱い人がおります。違いはどこにあると思いますか?ストレスに強い人は困難になればなるほど力が湧いてくるという人です。

逆にストレスに弱い人は困難なことに出会うと心が折れやすい人です。 この違いはどこにあるでしょか?実はストレスの問題ではないのです。ストレスとは外部的刺激によって起こる緊張という意味ですが、この緊張は必ずしも悪いものではありません。たとえば、遊園地が好きな人はジェットコースターの刺激を楽しみます。食べ物でも辛いものが好きな人や甘いものが好きな人も刺激を求めているわけです。

つまりは刺激も好みの問題なのです。目指している目的や希望があるときはストレスも味方になります。 ところが、先行きが見えない、目指す方向がわからない、目的のない人生、そのものが「あなた」を苦しめます。 そのことを踏まえて、あなたの人生に「力」が宿るようにマインドフルネスをお伝えいたします。同時にマインドフルネスとは何かを紐解(ひもとい)て行きましょう。

身体のほとんどが無意識で動いている

先行きが見えない不安それは自分の力ではどうにもならない事もあります。勤めている会社が倒産したり、解雇されたらどうしよう。この先に仕事はあるだろうか?生活は安定するだろうか?様々な不安が心を苦しめます。 けれど、あなたの心臓は今も鼓動を打ちます。呼吸は多少息苦しくても止まりません。お腹の調子や胃が痛むかもしれないけれど、ちゃんと食べ物を消化してくれます。全身の37兆と言われて細胞は新陳代謝を繰り返します。 あなたがどんなに悩んでも、生命は生きようと活動をしているのです。小さな虫や小鳥さえ生きることに悩みません。

そして、生きるために必要な糧を自然は与えてくれております。まして、知恵のある人間が本気で生きる術を考えれば、必ず道は開かれます。 私たちの生命は生きているのではなく、生かされております。心臓も胃腸も肝臓も、内臓はあなたの意識関わらず、生命を全うするために懸命に働きます。あなたは歩く時に足を右から、次は左と意識して動かしているでしょうか?何も思わずに足を動かして歩きます。 様々な動作も無意識に行っております。意識が主体的に身体を動かしている事はほとんど無いとも言えます。逆に意識しようとすると「ぎこちなくなる」ことがあります。

たとえば、卒業式などで「ちゃんと歩こう」と意識すれば、緊張で手足が一緒に出てしまうということがありますよね。 実は意識は動作を観察しているに過ぎないのです。蚊に刺されたとします。刺されたところが痒いわけですが、その場所をいちいち確認しなくても手は痒いところへ行きます。また、新しい動作を覚える時は、最初はちょっと意識をするでしょう。けれど、覚えるのは意識ではなく、身体だと感じると動作は自然と身体が覚えます。 たとえば、最初に自転車に乗れるようになった時、それはあなたの身体が覚え、転ぶ不安を克服した時だったはずです。

そして、自転車に乗れるようになると、その後に何年も乗らなくても、またすぐに自転車に乗る事ができます。 大切な事は不安を克服する事で、出来なかった事が出来るようになった事です。つまり、不安が突破できれば、あなたは何でも出来るのです。そして、不安を突破した経験が多ければ多いほど、ストレスを力に変える能力を伸ばす事ができます。 では、不安とは何でしょうか?失敗の経験です。

自転車にもペダルとブレーキがあるように、人間の心にも失敗の経験(ブレーキ)と成功の経験(ペダル)があります。 自転車にはブレーキとペダルの両方が必要です。実は人間の心にも両方が必要なのです。重要なことはしっかり使い分ける判断力なのです。この判断力が正確に働くようにするためには意識が自分自身を客観的に観る必要があります。 客観的というのは、自分をあたかも第三者のように眺める事ができる自分です。この客観的に観る事ができる自分が「理性」です。この理性がしっかり働く事が「マインドフルネス」を行う大きな目的なのです。

はどこにあるのか?



あなたの心はどこにあるでしょうか?何かに驚いたり、ときめくと胸がドキドキします。優しい気持ちになると胸が暖かくなります。嬉しい、悲しい、怒りや寂しさ、楽しい事は全部、胸で感じます。 だから、心はハートで描きます。昔の人は心臓を心と考えました。喜怒哀楽という感情を心と考えたからです。 けれど、現代では人間の意識は脳の働きが生み出しているものと考えます。脳で考えたことや感じた事が神経を通して心臓に働きかけます。心臓は自律神経という意識に影響されにくい指令系統でコントロールされております。

意識とは顕在意識(けんざいいしき)と潜在意識(せんざいいしき)に分かれます。 顕在意識(けんざいいしき)とは自分が認識している意識です。たとえば、お店で目の前に美味しそうなケーキがあって、それを食べたいと思う意識です。食べたいけれど、お金を払ってないから今は食べられないとか、お金を払って食べようとか判断する意識です。 もう一つの潜在意識(せんざいいしき)とは、自分が認識していない意識です。たとえば、癖(くせ)です。美味しいケーキがあって食べたいなぁと思うと手を口へ持って行く癖があるとします。

本人は自分の癖に気が付きません。けれど、癖をよく知ってる友達が「さっちゃん!ケーキ食べたいんでしょ」と言い当てます。本人は「なんで、わかったの?」と自分の癖に気がついていません。 友達は「だって、さっちゃんは食べたいものがあると手を口へ持って行く癖があるじゃない」と言います。本人はあらためて自分の癖に気づきます。 この自分の行動に気がついてない状況を無意識と言いますが、無意識は潜在意識の事なのです。実は私たちのほとんどの行動は潜在意識が動かしております。

心臓に指示を出している自律神経は潜在意識に影響を受けているのです。 ※潜在意識と無意識は違うという解釈もありますが、ここでは同じものとして定義します。 そして、潜在意識はこれまでの様々な経験を通じての「記憶」とも言えます。この記憶の集合体が自律神経を働かせております。この記憶は生まれて来てから経験したことの他に、生物として受け継がれてきたDNA(遺伝子)にもあります。

たとえば、猿は蛇(へび)が怖いという情報をDNAに持っております。それは猿が何世代にわたって蛇によって生命の危険を感じてきたからでしょう。蛇を見たら逃げる行動がセットされているのです。 そのように考えると潜在意識はどうやら脳だけではなく、DNAにもプログラムとして組み込まれているようです。そして、潜在意識が私たちの行動や感情を形成しているのです。

けれど、私たちはもう一つの意識である顕在意識(けんざいいしき)を持っております。 この顕在意識こそ、さっちゃんの癖に気がついた「友人」です。友人はさっちゃんを第三者として客観的に観ているので、手を口に持ってゆけば「食べたいというサイン」だと察知する事ができました。 実はこの「友人」はもう1人の「あなた」なのです。このもう1人のあなたこそ理性なのです。

さて、潜在意識は自転車のペダルとブレーキを「経験から自動運転するプログラム」です。けれどそのプログラムは全て過去の記憶ですから、もし交通ルールが変わったら対応する事ができません。 日本は自転車や車は左側通行です。しかし、アメリカでは逆です。アメリカだから逆側を通行するルールだと顕在意識(けんざいいしき)が判断して、潜在意識という過去の記憶プログラムを書き換える必要があるのです。

私たちのストレスやコンプレックスなどによる心や身体の不調、混乱は自動運転する潜在意識で動いているプログラムが「環境の変化で不都合が発生した状態」なのです。 そこで、もう1人の自分である顕在意識が環境やルールが変わったのだから、潜在意識のプログラムを書き換える必要があると認識する必要があるのです。 ところが、顕在意識も過去の経験に支配される場合があります。

非常に怖い経験をしたり、とても嬉しい経験をすると、その強い記憶と印象が顕在意識の「役割」を忘れさせてしまうのです。 そこで、顕在意識の本来の仕事である「客観的に自分を観る」という機能性をとりもどす方法がマインドフルネスなのです。マインドフルネスでは「今」に集中せよと言います。それは記憶の束縛から一旦切り離して、意識を理性へ向かわせるためなのです。

さて、「心」はどこにあるでしょうか?「記憶」なのか?記憶を観る「理性」でしょうか?私はここに仮説を立てます。そして、その仮説をどう考えるか?それはあなたの選択です。 仮説とは、「記憶である自分=主観=無意識」とその「自分を観る自分=客観=意識」の「対話=創造性=対和」つまり、創造性こそが「心」とします。心はクリエイティブだからこそ、自分にとどまりません。全ての存在とコネクト(つながる)愛であると。

今とは何か? 時は未来から流れている

マインドフルネスという言葉はアメリカの心理学治療などで広がりましたが、実は仏教の「空」という概念を英訳したものとも言われております。「空」とはとらわれない心という事でもあるのですが、何にとらわれないか?というと固定概念(固定された考え方)という「過去の記憶」とも言い換えることも出来ます。 固定概念にとらわれるとは、どのような事かというと、たとえば電車に乗っていて若い人がシルバーシートに座っていたとします。あなたは心の中で「若い人が無神経だなぁ」と思います。電車は駅で止まり、その人は立ち上がります。

すると、その人の片足が義足であったことにあなたは気づきます。 固定概念が座っている若い人の義足に気がつかせなかったのです。ものの見方でも様々に観る事ができます。たとえば、あなたの欠点は何ですか?と誰かが尋ねたとします。「私の欠点は短気なのです」と答えたとします。すると尋ねた人は「それはあなたの長所です。なぜなら、決断が速いからです」 つまり、観る人のスタンスで「短気」は短所にも長所にもなります。短気は短所と考える事が固定概念なのです。その固定概念は何によって形成されるかいうと、その人の経験や体験、知識による記憶です。

記憶は印象の強い方を固定するのです。 「君は短気だから失敗するのだよ!」と過去に上司に叱られた経験があれば、短気は短所とあなたの中に固定されます。逆に「君の決断力の速さのお陰で我が社がチャンスを得た」と社長賞でも貰うものなら、それはあなたの長所になるのです。 つまり、人は固定概念という過去の記憶で一喜一憂(喜んだり、憂いたり)するだけのことです。ですから、今、あなたが苦しんでいる事や、悩んでいる事があったとして、ちょっと視点をずらすだけで、全く違った世界が見えてきます。

この固定概念にとらわれないために、マインドフルネスでは「今をとらわれない心で感じよ」とか、「今をありのままに観る」と言います。 確かに過去にとらわれないために「今をありのままに受け入れる」という言い方も悪くはないのですが、きっとあなたは「今失業して、今借金して、今恋人にふられて、大変だから、そんな事で解決にできない」と思うかもしれません。 では今とは何でしょうか? 今と感じる事やものは、感じた瞬間にそれはすでに過去なのです。今が失業しているから、今借金があるから、今、恋人にふられたから、それは現状という「過去」に過ぎません。 では、「本当の今」はどこにあるのでしょう。唯一ある今は「未来」です。

今ある現状を過去のことと認識した時に「理性」が働き出すのです。過去だから客観的に眺める事ができます。そして、未来へ動く「今」を蹴り出す事ができるのです。 失業が新しい仕事のために、借金が投資に変わるために、失恋が新しい恋人との出会いのために「今」は「未来」にあるのです。 そして、未来はクリエイティブであるからフルネスなのです。 現状を過去として眺める理性を働かせるためやるべき事があります。

それがマインドフルネス=禅=空の核心なのです。   マインドフルネスで必要なことは、固定概念にとらわれずに今を客観的に観る理性を働かせることです。そして、理性がしっかり働く環境を整えることです。理性がしっかり働く環境とは「身体が安定している」事が大切なのです。



自律神経は地球とつながっている

身体は心の環境です。安定した身体という環境には「自律神経の安定」が必要です。 自律神経とは、お母さんの体内で受精卵が鼓動は始めた時から働きだし、そして人生の幕を閉じるまで24時間休む事なく働き続けます。心臓を動かし、走れば鼓動を早くし、立ち止まって休めばゆっくり、身体が暑くなれば汗をかき、寒くなれば血圧を上げます。 食べたものを消化し、分解して栄養素を細胞へ送り込みます。

呼吸を繰り返し、酸素を取り込み二酸化炭素を排出します。体温をコントロールしたり、ホルモンバランスを整えたり生命活動のすべてを「意志」にかかわらずコントロールしているのが自律神経です。自律神経は生命が地球に誕生し、あるいは地球そのものが生命体であるならば、宇宙創世からずっと繋がって機能しているとも言えるでしょう。 この宇宙創世から様々な経験を経てDNAにプログラムされた膨大な記憶とプログラムを生命は宿しております。私たちは自律神経を通じて地球、宇宙をつながっているのです。

身体のほとんどは自律神経で機能している

ホメオスタシス(homeostasis)という言葉を聞いた事がある人もおられるかと思いますが、一定の状態を維持することをホメオスタシスと言います。つまり生命を維持するためのシステムです。 たとえば、外気温が0度であっても、40度を超えても、体温は一定の温度を保とうとします。血液の塩分濃度や酸素の濃度も一定値を維持します。

この一定の状態を維持するために働いている自動システムが自律神経です。 自律神経には2つの系統があります。交感神経と副交感神経神経です。車のエンジンで言えば交感神経がアクセルで副交感神経がブレーキとも言えるでしょう。このアクセルとブレーキの両方が生命活動にホメオスタシスという安定をもたらしております。

通常、私たちが日中に活動している時は交感神経が優位に働いております。夜に眠る時や、リラックスしている時は副交感神経が優位に働いております。また、季節でも冬の寒い時期は交感神経が優位になり、夏の暑い時期は副交感神経が優位になります。 この交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで身体的な変調や精神的な不安定が症状として現れると言われております。

そのバランスを崩す原因は様々ですが、人間が自然界の環境から切り離された都市環境で暮らすことで、バランスの乱れが生じやすくなっております。 たとえば、夏場は副交感神経が優位になるのですが、冷房が効きすぎる部屋で過ごしてばかりいると副交感神経の働きが抑制されます。その結果、免疫機能が引き上げられないまま冬になってインフルエンザなどに対する免疫力も発揮しにくくなります。

自然のサイクルから切り離されると精神的ストレスに対してもホメオスタシスの機能が低下するので体調を壊しやすくなり、体調が崩れると精神的に落ち込みやすくなります。つまり、自律神経は環境と密接につながっているので、バランスを整えるために自分の身体をよく知り、環境と自分の関係を学び、上手にバランスをつくり上げて行くことも大切です。

年齢や男女で変わる自律神経の傾向


お母さんのお腹から生まれ出たばかりの赤ちゃんから小さな子供の時期は体温も高く、細胞も活発に増殖しております。この時期は交感神経が非常に高い時期です。そして活発に活動し精神活動も活発な時期です。落ち着きがなく、常に動きまわっております。

やがて、思春期を迎えて性が男女に別れて発達する時期になると副交感神経の働きに男女差が出てきます。 男性は交感神経を伸ばして行きながら、副交感神経を追従させて発達させています。女性は副交感神経を伸ばして行きながら、交感神経を押さえ込もうとします。少年は興奮気味に成長し、少女は恥じらいながら女性へ成長するのです。

やがて、成人して男性は少しだけ交感神経が優位に働き、女性は副交感神経が安定して伸びて行きます。女性は体内に赤ちゃんを宿す準備が整うのです。 中年以降は男性も女性も交感神経と副交感神経は同じくらいの高さでバランスを保ちます。やがて、初老を迎えるにしたがって副交感神経が優位になって行きます。 この様に年齢や性別で交感神経と副交感神経の成長やバランスは変わって行きます。

その時期に沿った働きを抑制するとバランスを壊してしまうこともあるのです。そのことについて、次に話しを進めて行きましょう。

自律神経の傾向に合わせたケア


子供に落ち着きがないと心配される親が多くいます。その心配には及びません。子供の細胞はどんどん分裂して増殖し、成長しております。体温も高くエネルギーに満ちています。自律神経は興奮系の交感神経が活発に働いているのです。 落ち着きがないのは当たり前です。しかし、人前や静かにしておかなければならない時や家の中で騒がしくするのは困るので「静かにしなさい!」と叱ります。

その時は静かになりますが、また騒ぎ出します。 では、どうしたら良いでしょうか?交感神経を思いっきり引き上げる様に身体をどんどん使った遊びをさせれば良いのです。エネルギーは発散させれば、鎮静化しようとします交感神経をフルに発揮したら副交感神経がフルに働き出すのです。 特に幼児期は交感神経をフルに発揮させた子供ほど、必ず落ち着く様になります。9歳くらいまでは、どんどん遊ばせておけば自然と落ち着く様になります。

けれど、幼児期や子供の頃に「静かにしなさい!」と抑制しすぎると、逆に子供は落ち着きがなくなり、思春期では自律神経のバランスが壊れやすくなるのです。 次は思春期ですが、子供時代の活発に過ごすと交感神経と副交感神経の振り幅が大きくなるので、自律神経の変調時期には変調の許容も広くなります。ところが、子供時代に交感神経を抑制されていると、変調の許容範囲が狭いために精神的にも肉体的にも不安定さをコントロールできなくなる傾向があります。 ただし、この時期にスポーツなど身体を大いに働かせる事で調整を行うことは可能です。男女ともにまだ身体の出来上がっていない時期ですから、大いに身体を動かすことが大切です。また、読書や音楽などの好きな趣味をたくさんさせることも大切です。この事で自律神経もバランスを求めて自然に発達して行きます。

成人してからは、中年期に入るまでは肉体的には本来は男女ともに交感神経が高めにあります。この時期にストレスを感じて鎮静化させるためには、リラックスするよりもむしろ交感神経を一旦引き上げてから、鎮静させる方が効果的です。 そして、中年以降は男女ともに副交感神経が優位に働いております。若い時のような活発さはありませんが生命は様々な変化を受け入れる許容範囲を広げます。活動するよりもリラックス出来ることを多く取り入れる事で交感神経もバランスを得て若さを維持します。 このように男女年代で自律神経のあり方は変わるので、そのケア方法も変わります。詳しく今後に書いて行きましょう。


呼吸は自律神経のOS(Operation System)

呼吸についてはマインドフルネスに関してはどうしても外せない事なので、今回はサラリと触れておく程度にとどめておきます。今後、詳しく書いて行く予定ですが、ポイントを書いておきたいと思います。パソコンを使う人はOS(Operation System)ということを聞いた事があると思います。

現在、パソコンはマウスなどで操作したり、キーボードの言語で操作する事ができます。本来はコンピューター言語という専門的な言語で指示をしなければならないところをOS(Operation System)は誰でも簡単に操作できるようにしたアプリケーションなのです。 呼吸はパソコンのOS(Operation System)と同じように、意志で意図的に呼吸を操作する事で潜在意識や自律神経という直接に顕在意識が関与できない部分を間接的にコントロールする事ができるのです。そのことに少し触れておきます。

肺を動かす筋肉


呼吸は2つの意味があります。 ① 酸素を体内に取り入れて細胞内のミトコンドリアによって糖を分解させてエネルギーに変換し、二酸化炭素として体外に排出するガス交換システム。 ② 酸素を体内に取り込むために肺を膨らませで空気を取り込み、体内で発生した二酸化炭素を体外へ排出するために肺を縮めて空気を排出する動作。 この2つが呼吸ですが、ここでは空気を取り込む肺について説明します。

肺は自分で空気を取り込むことも排出する事もできません。肺を取り囲む胸郭(きょうかく)というスペースが広がったり、縮んだりする事で肺を膨らませ、縮めます。 では、この胸郭を動かしているはいる筋肉はどこにあるかというと、肋骨(ろっこつ)の間にある肋間筋と横隔膜(おうかくまく)という筋肉膜の2つが働きます。 この両方ともが随意筋(ずいいきん)といって、意志で命令を送って動かす事が出来る筋肉なのです。

ここで、お伝えしたい事は呼吸という生命の根本機能が随意筋(ずいきん)という顕在意識が関与できるシステムであることです。つまり、意図して呼吸を止めたり早くしたり、ゆっくりするなどが出来るという事です。

呼吸と全身の関連性


胸郭(きょうかく)を広げる肋骨は肋間筋(ろっかんきん)が縮む事で広がります。この動きは馬や犬など四足歩行をしている動物が走る時に身体を伸び縮みさせる事で肺に息を取り入れて吐き出す動作に関連しております。 走る=身体を伸び縮みさせる=肋骨を開閉させる=交感神経が働いて骨格筋(骨格を動かす筋肉)に血液を大量に送る=興奮する=心臓の鼓動を早くする。という関連性を持っております。

人間は四足歩行ではありませんが、その関連性が記憶されているので肋骨を動かす胸式呼吸をすると交感神経が優位に働くのです。 逆に走り終わったり、興奮した犬などを見ると舌を出してハァハァと呼吸をします。 これは体内に発生している二酸化炭素を体外へ大量に放出する動作です。舌は横隔膜から分離した筋肉です。 舌を出すという事は横隔膜を引き上げて肺の中に溜まる空気を押し出すポンプの役割をしております。

舌を出す=横隔膜を引き上げる=肺の空気を外に押し出す=腹式呼吸=血中の二酸化炭素を放出する=副交感神経を優位に働かせる=心臓の鼓動や脈拍をゆっくりと戻す。という関連性が記憶されております。 このように動作と呼吸と自律神経はメカニカルな関連性があります。

人間の動作も走る、止まるという事だけではなく、手の指先から腕、足の指から足や腰など細かな動作にも関連性があります。この関連を上手に活用しているのが踊りや武術、工芸など様々な達人や名人とも言えます。 スポーツ選手や音楽家なども動作と呼吸を一致させて自律神経やメンタルをコントロールしております。 ところが、呼吸と動作が一致しないことも多々あります。

例えば長時間のデスクワークなどでは姿勢が固定されており、自然界にない椅子に座っての作業という事で動作と呼吸にズレが生じる事があります。その結果、自律神経の乱れも生じるのです。 そこで、ヨガなどでは呼吸と動作の関連性を確認しながら整合性を調整する運動を行います。例えば、ハイハイ運動という赤ちゃんの動きなど呼吸と動作を確認して修正する運動の一つです。 呼吸と動作の関連性を意識で観察して修正をかける事で、意図して自律神経のバランスを間接的に働きかける事ができるのです。 この様に呼吸というOS(Operation System)を通じて、顕在意識(けんざいいしき)が身体の状態を判断するトレーニングが、理性を働かせるトレーニングでもあり、同時に理性を働かせるための身体環境を整える方法にもなるのです。


意識をコントロールするフィジカルトレーニング

ここでは具体的に呼吸というOS(Operation System)を使って身体を認識するトレーニング法と身体のコンディションを整える方法を紹介いたします。

座禅 ホームポジション キャリブレーション原理

座禅図

① 両手はヘソの前で重ね親指を合わせます。右利きの方は(左手を上が良いでしょう)左利きの方は(右手を上が良いでしょう。)これは利腕の方がどうしても肩甲骨が上にあがる傾向があるからです。つまり、肩の力を抜くために利腕の逆を上にします。

② 足の組み方は右利きの方は(左足を上に重ねます)左利きの方は(右足を上に重ねます)これは利腕の方の骨盤が上に引き上げられている傾向があるからです。

③ 肘は軽く脇に寄せます。そのことで胸が開きます。

④ 頸(うなじ)にすこし力を入れて顎(あご)を軽く引きます。目線は少し前方の床に落とし、半眼(はんがん)薄目です。 座禅は呼吸と身体のホームポジションであり、自律神経のキャリブレーションです。瞑想と座禅の違うと話す方もおりますが、同じです。座禅や瞑想の効用はホームポジションとキャリブレーションだからです。その結果をどの様に使うかが違う場合もありますが、効用は同じなのです。

ホームポジションとは姿勢のことで、パソコンのキーボードを扱いやすい様に最初に指を置く位置などでよく使われる言葉です。つまり、何かを動かす前に一番動きやすい姿勢とも言えます。 この姿勢からキャリブレーションを行います。キャリブレーションとは調整という意味で、例えばパソコンのプリンターで色を調整する作業やドローンがGPSを正確にとらえる作業です。

つまり、フラットな調整を行います。 ホームポジションという静止姿勢からキャリブレーションという自律神経の調整を行う事が座禅の効用なのです。 何故(なぜ)、足を組むのか?足を組む事で骨盤の位置を最適化する位置に固定する事が出来るからです。股関節(こかんせつ)を開いて骨盤を前傾させる事で、内臓を骨盤の中にしっかり納める事ができます。 そして腰椎から脊髄、脳髄までのS字曲線を整えて髄液を安定させて自律神経の通りをよくするのです。この状態が身体のホームポジション です。

足の組み方を少し説明したいところですが、これについては詳しい説明は実践方法として別に書かせていただきます。 坐禅の姿勢を作ると呼吸は自然と深くなります。多くの瞑想法や坐禅の指導では呼吸を意識してコントロールする方法を言いますが、その必要はありません。正しい姿勢が整うと呼吸は自ずと深くなります。例えば、笛の穴の位置を正確に抑えると、音が自然と音階を描く様に姿勢が呼吸を決めるのです。この座禅で大切なことは、良い笛の音が出ることです。正しい姿勢で呼吸が深くなり、自律神経のキャリブレーションが自然に行われる事が目的なのです。

動禅 原則

座禅はキャリブレーションですから、今度はどんな色を出すか、ドローンをどこに飛ばすかという動作に入ります。正しいキャリブレーションで実際に動作を試すという事をします。プリンターでもキャリブレーションで色調整をしても、実際に試しに写真をプリントしてみる必要があります。その写真の色の出具合によって、自分のイメージでプリンターの色を調整する場合もあるからです。 これを動禅と言います。

座って動かない座禅に対して、実際に動いて調整する事を動禅と言います。たとえば、ヨガなども動禅とも言えます。座禅を原理とするならば、動禅は原則とも言えます。この動禅についても今後、詳しく書いて行きますが、ここでも一つだけ具体的な方法を書いておきましょう。 古神道(こしんとう)という日本古来の行法で天の鳥船(あまのとりふね)というものです。

ここでは、その方法だけを具体的に示しますので実際にやってみてください。天の鳥船は魯(ろ)というもので船を漕ぐ(こぐ)動きです。何時間も海を小舟で漕ぎます。波に揺られて、波に合わせて海を渡ります。まるで渡り鳥のように海を渡ります。

①   両脚を肩幅より少し広く開いて立ちます。左足をイザナミ(女性)右足をイザナギ(男性)息を口から吐きながら腰から深く曲げてお辞儀(おじぎ)をします。鼻から息を吸いながら身体を起こします。2度お辞儀をします。 両手で柏手(神社で手を打つこと)左手に右手が収まるようにポンと打ち鳴らします。4回(天地火水)鳴らします。

②   左足を前に出します。左は女性で陽です。霊(ひ)足(たり)と言って直感的作用です。両手を並行に突き出します。拳は軽く握ります。(図1)

図1

③   両手を強く握りながら「エイッ」という発声をして腰骨の辺りに引きつけます。(図2

図2

④   引き付けた両手を「ホー」という発声で突き出します。(図1)
1図と2図「エイッ」「ホー」の動作を何度も繰り返します。 身体が熱くなってきたら、
⑤  右手を下に左手を上にヘソの下で組みます。組んだ手の中に鈴があるようイメージして鈴を鳴らすように上下に振ります。
この②から⑤を右足に入れ替えて行います。そして、再び左足に入れ替えて合計3セットを行います。
最後に再び①の柏手を行います。 そして両手を組んで、天に伸ばして「イエイッ」と強くヘソ下へ落とします。

対禅 活用


対禅とは、座禅でキャリブレーション(調整/原理)して、動禅で実際に動作確認(原則)をする、そして実際に活用してみる事を対禅といいます。武道や茶道、華道、書道などで「人や事に相対」する禅です。

原理、原則を活用する事を道と言います。 道がつく諸芸でも良いですし、日常の中で禅を行う事が大切です。仏教の禅ではこれを作務(さむ/日常の作業)や托鉢(たくはつ/施しを受ける)事です。日常に活かす事ですが、いきなり仕事や日常生活で実践する事が難しいので、諸芸を通じて原理原則を検証するのです。 ここでは皆さんが、どんな諸芸を通じてマインドフルネスを検証したいかを想像してください。

どんなことでも良いのです。出来るだけクリエイティブな事が良いのです。 なぜなら、禅や動禅、マインドフルネスの目的は理性を働かせて、よりクリエイティブに生きる事が目的であるからです。 禅や動禅で自律神経と身体を整えて、現状をしっかり過去のものと受け止め、未来という「今」をクリエイティブする事がマインドフルネスなのですから。



まとめ

人間の脳は自分を認識するという理性を働かせる事ができます。多くの悩みやストレスから生まれる不安は過去の固定概念から生まれます。 そこで、顕在意識(けんざいいしき/認識力/理性)と潜在意識(せんざいいしき/自律神経/膨大な記憶)を呼吸というOS(Operation System)でコネクト(つなぐ)トレーニングをします。つまり、脳(理性)と身体(自律神経)をコネクトするトレーニングです。この事で自律神経はキャリブレーション(調整)され、理性はよりクリエイティブ(創造性)を発揮する事ができます。 これがマインドフルネスの根本原理なのです。

※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。