自分自身のストレス度はなんとなく分かりますよね。イライラしたり、やる気が出ない、物事に集中できない。いつも身体がだるくて力が湧いてこないなど、メンタル的にはなんとなくストレスがたまっているなぁと感じるけれど、ストレスって掴みどころが分かりにくいものです。

 

そこで、今回は自分でストレスをチェックして、そのストレスを解消する簡単なやり方をお伝えします。ぜひ、参考にしてみてください。

 

 

ストレスは身体の緊張に現れる。

ストレスは環境の変化や自分の欲求を満たされないと時に、その精神的負担が心身を蝕みます。たとえば、恋人と別れて悲しい時、仕事が忙しくて休む暇がない時、夫婦喧嘩をしたり、職場で意見が対立した時、日常では色々あります。

 

けれど、大抵のストレスに対して人間の身体や精神は受け止める力があります。それでも滴が石に何年も落ちるとそこに穴ができるように、小さなストレスでも毎日続くと心や身体に穴があくのです。ストレスによって出来た心身の穴は、小さいうちから常にケアをすることが大切です。そして、ついに大きな穴が空いてしまっても治す方法があれば必ず心も身体も復活します。

 

けれど、心の場合は直接触ることができません。そこで、身体は自分で見ることも触ることもできますので、身体をケアすることで、心も同時にケアしてゆきます。なぜなら、本来は「心も身体も同じもの」だからです。

 

心とは、脳の中で意識として「感情や人格」を指しますが、その感情や人格を支えているものは、身体を無意識にコントロールしている自律神経です。

 

ストレスは無意識である自律神経の働きを狂わせます。その自律神経の働きの狂いが身体の不調になって現れます。同時に意識の表層にも影響を及ぼすのでイライラしたり、集中力が乱れるなどの現象が現れます。自律神経は心臓や胃腸、内臓、ホルモンバランス、免疫を自動的にコントロールしております。乱れる時には必ず「症状」として現れます。

 

その症状は「緊張」です。ストレスを感じている時は必ず身体は緊張します。怖い、悲しい、怒りという感情のマイナス面では身体は緊張状態にあります。身体が緊張している時は自律神経が乱れているということです。

 

つまり、怒りや悲しみ、憎しみなどは自律神経を狂わせて心身を緊張させます。逆に嬉しい時や幸せを感じる時は、身体は柔らかく反応します。怒っている人は肩に力が入っておりますが、笑っている時は身体全体が緩みます。

 

喜びや愛は自律神経のバランスを整え、身体をリラックスさせます。逆に身体の緊張を解すと自律神経はバランスを得ます。すると心も満たされた感情に変化します。

 

 

ポイント1 ストレスは身体の緊張として現れる。身体の緊張をほぐすことで心も解れる。

 

 

脱力ができない

緊張とは力が入ることですから、力の入った部分の力を抜くことで身体を緊張から解放させることができます。犬が甘える時にはお腹を見せますが、お腹は急所です。犬がお腹の緊張を緩めてお腹を見せることは緊張していない証拠なのです。

 

しかし、力を抜くということは案外難しいものです。たとえば、身体が硬いということは、その部分が緊張して力が入っているからなのですが、意識して身体を柔くすることは難しいのです。

 

ヨガなどでは呼吸法や内観法で緊張を解して行くのですが、無意識の緊張が身体を硬くしているのですから、その無意識部分を意識して力を抜くということはとても難しいのでトレーニングが必要なのです。

 

ヨガでは様々なポージングがありますが、様々なポージングや姿勢で身体のどこに緊張があるのかを確認して、その箇所の緊張を意識して解すトレーニングがヨガのポージングの主たる意味です。

 

気をつけておきたいことは、ポージングをするために無理に身体を伸ばしたりするのは逆に良くないことなのです。重要なことは、身体のバランスや表面だけではなく内臓の緊張も含めて感じることなのです。

 

 

脱力の意味

脱力のトレーニングは緊張箇所を意識して力を抜くことです。たとえば、武術やスポーツなどでも習いたての頃はどうしても緊張で肩に力が入っております。これは今までやったことがないことをやるのですから、誰でもそのようになります。

 

そこでコーチがもっと力を抜くようにと指導をします。けれど、なかなか肩の力が抜けないことで苦労されます。フォームが次第に慣れてきて、徐々に力みが抜けて行くのですが、かなり時間がかかります。この様に力を抜くということは案外難しいものです。しかし、力を抜くことを意識してできるコツを掴めば、色々なことにも応用できますし逆に力を入れるべきところにもスムーズに集中して力を入れることができます。

 

さて、人間の脳は力を入れることは指令しやすいのですが、力を抜くということは指令しにくい様です。

 

しかし、身体の緊張を意図して抜く脱力が上手にできる様になれば、ストレスによる心身の緊張を軽減して不調を改善できるのです。つまり、脱力を意図してできる様になると無意識下に溜まったストレスをコントロールする緒(いとぐち)になります。そこで、あるコツをご紹介いたします。この方法を知れば様々なことに応用することができますのでぜひ、覚えて試してみてください。

 

ポイント2 無意識の緊張は身体の力みに現れるが、意図して力みを取ることは難しい。しかし、意図して身体の力みである緊張をコントロールできればストレスもコントロールできる様になる。

 

 

脱力は逆作用でスイッチング

人間の脳は身体に力を入れることは指令しやすくなっておりますが、力を抜くことは難しいと書きましたが、これを逆に利用します。緊張している部分の筋肉にさらに力を入れると、その筋肉は「力を抜きたくなる」という法則があります。

 

肩の力を抜けと言われても、中々抜けない場合は逆に一旦、肩に力を込めます。限界まで力を込めると肩の筋肉は力を抜きたくなりますので、ストンと肩を落とします。すると力が抜けた感覚がわかるでしょう。

 

肩こりがある人は、この方法で肩の凝りも取れやすくなります。リラックスは逆に力を込めてみる。あるいはアクティブに動くことで力の抜き方も見えてくるのです。

それでは、具体的なリラックスについてのトレーニング方法をご紹介いたします。

 

具体的なトレーニング方法

身体の中で一番緊張しやすい場所はどこだと思いますか?それは内臓を守る骨盤周りと股関節です。人間は2足歩行になった段階で、腹部や股間という急所を常にさらけ出しております。

 

その為にストレスは腹部、股間、それを守る骨盤に溜まりやすいのです。緊張で硬くなった骨盤や下半身を意図して緩めることで、脳へ身体からリラックス信号を送ります。

 

 

前屈 

デスクワークが多い人は前屈運動が苦手な人が多いでしょう。その理由は椅子に座ることで骨盤か後転しやすい傾向にあるからです。後転というのは骨盤をお碗に見立てるとして、お碗が背中の方に傾いた状態です。この状態では心臓からの大動脈や腰椎(骨盤と脊髄をつなぐ場所)に負担がかかり血流と脊髄神経が圧迫される為に下半身の筋肉が緊張しやすくなります。

 

計測

まず、前屈でどこまで手が届くかをテストしておきましょう。無理しなくて良いです。力まず、届く位置を確認することが大切です。



腰が硬い場合

デスクワークが多くて椅子に座っている時間が多い人は骨盤が後転しているので腰を前に曲げにくくなっております。そこで身体を反る運動をいたします。両手と両足を伸ばしてスーパーマンが空を飛ぶ感じに身体を反らせてください。

 

息を吸いながら全力で3秒間、身体を反ります。そしてストンと元に戻します。

 

これを、5秒間インターバルを入れて繰り返します。

5回ぐらいやれば充分でしょう。

 

膝裏が痛い場合

前屈運動を行って感じるのは膝裏の筋肉が痛いことでしょう。そこで、膝を立てた状態で仰向けに寝ます。両手を体から少し話して、掌(てのひら)を下に向けます。

続いて、息を鼻から吸いながら、腰を上に上げます。3秒間その姿勢を維持したら、息を吐きながら、ストンと落とします。

 

これを、5秒間インナーバルを入れて繰り返します。5回くらい行ってください。

 

再び計測

再び前屈を行い、先ほどの手の位置と比べます。すると、必ず手は足先に近づいているはずです。この足先に近づいた分、腰が伸びた証拠です。つまり、腰を固めていた筋肉が緩んだということです。

 

片足開脚

次は片足を伸ばして身体を倒します。最初はどこまで手が伸びるかを前屈と同じ様に見ておきましょう。あくまでも自然に手が伸びる位置を確かめるだけです。

片手は真っ直ぐ上に伸ばして胸を開いて行います。これは身体が前に倒れないようにするためです。

 

壁を使う

 

次は伸ばした足と反対側の壁を押す様に力を入れます。息を吐きながら3秒間力一杯押しましょう。ストンと力を抜いて5秒間にインターバルを入れます。

これを5回繰り返します。

 

膝裏

前屈で行った腰を上げる運動と同じです。両手を体から少し話して、掌(てのひら)を下に向けます。

続いて、息を鼻から吸いながら、腰を上に上げます。3秒間その姿勢を維持したら、息を吐きながら、ストンと落とします。これを、5秒間インナーバルを入れて繰り返します。5回くらい行ってください。

 

 

再び片足開脚

先ほどより、手が足先に伸びているでしょう。しばらくその姿勢でゆっくり深く呼吸をしましょう。1分くらいでO Kです。

 

この片足開脚を左右両方とも同います。

 

膝立捻り

腰椎(ようつい)は骨盤と脊髄をつなぐジョイント部分で腸や内臓をコントロールする副交感神経に関わる部分です。この部分を固定する筋肉の歪みや緊張を緩めます。

曲げやすい方向

膝を立てて左右に倒します。両手は身体を支える様に床に着きます。曲げやすい方向と曲げにくい方向があるでしょう。そこで重要なことは曲げやすい方向に倒す運動を繰り返します。すると、曲げにくい方向が同じくらい曲げやすくなります。左右が同じくらい曲げやすくなるまで繰り返してください。

 

呼吸は膝を倒す時に口からフーっと吐き、戻す時に鼻から吸います。ゆっくり腰が気持ちいい速度で繰り返します。お尻が床から離れないように行ってください。

 

これで左右の歪みが解消されます。

 

合蹠(がっせき)

あぐらではなく、足と足の裏を合わせて座る方法を合蹠(がっせき)と言います。太腿の内側と足の付け根には大動脈、大静脈、リンパ節があります。ストレスで緊張すると、この股関節が硬くなっております。犬が怖い時に尻尾を股関節に入れ込みますが、人間も緊張すると股関節が固まり、太腿の内側の筋肉が固まるのです。

 

この部分の筋肉を緩めることで、下半身の血流を促して全身の代謝活動を高めます。身体半分の血流が悪い全身の血流も悪くなるので、股関節を緩めることはとても大切です。


負荷をかける

膝を手で内側から抑えます。息を吐きながら3秒間膝を内側に全力で閉めます。ストンと力を抜いて5秒間インターバル。これを5回行います。

 

緩める

膝が充分開きますので、身体を前に倒します。息を長く吐きながら身体の重みで前に倒して脱力します。3分くらい静かにそのままの姿勢で全身の力を抜いてください。肩も背中も力を抜いて身体を球にように丸くしましょう。

 

パタパタ運動

身体を起こして、合蹠(がっせき)の姿勢に戻ります。膝を上下にパタパタ動かします。手は両足の母趾(ぼし/足の親指)を持ちます。5分くらいパタパタしましょう。身体は背中を伸ばします。呼吸は自然に任せます。

 

身体の宝探し

 

身体の様々な場所で硬いなぁと思うところを色々探してみましょう。色々を動かしてみて、こっちが硬いなぁとか、ここが硬いなぁという宝探しをいたします。

 

この宝探しがヨガの基本なのです。その硬い部分や硬い動きの反対へ力を入れて負荷をかけます。すると、硬かった部分が勝手に休もうと思ってくれるのです。そこで脱力が起こります。

 

その感覚を楽しみましょう。すると脳がその感覚を理解し始めて、意識で脱力ができる様になります。また、身体を自分の意思でここに力が入っている。緊張していると分かる様になります。内臓の緊張も感じる様になります。その緊張している部分を意識で緩めることがだんだん出来る様になるのです。すると脳の中にあるストレスもだんだんと緩んでくるのです。

 

その感覚の入り口が身体を使った宝探しと、逆負荷法です。

 

ポイント3 硬い部分はその反対方向に力を入れる。可動しにくい方向は稼働しやすい方向へ動かす。短所を直そうとせず、長所を伸ばすと短所もバランスを勝手に取って伸びるという身体の法則です。これは脳の働きなので、何事にも通じます。

 

まとめ

 

脳は身体の声を待っております。身体の反射を使って脱力のイメージを脳に伝えます。すると脳が脱力の感覚を受け止めて、今度は脳が身体の脱力を指示できる様になるのです。常に身体と脳はキャッチボールをしながら進化をいたします。

 

脳は身体の一部なのです。逆に言えば、身体全体が脳とも言えます。身体の持っている反射と身体の感覚を脳が理解することで、意識が無意識へアプローチすることができます。

 

ストレスや目に見えない不安、現状の問題への解決方法は身体と脳の対話=対和によって自ずと答えが出てくるでしょう。マインドフルネスとは身体に心を委ねることでもあるのです。ぜひ、実行してみてください。必ず良い変化が起こります。