目次
チベット式の瞑想とはどのようなものか
チベットは中国南西部に位置する自治区です。チベットの主な宗教は、民族宗教のポン教と、インドから7世紀頃に持ち込まれた仏教だと言われています。「密教」の影響が強いため、「チベット密教」とも呼ばれています。密教とは大衆の救済を目指した「大乗仏教」の一派です。チベット仏教は4つの宗派に分かれており、それぞれの宗派に瞑想法が存在します。1950年に中国による侵略を受け、チベットの仏教僧たちはインドやネパール、諸外国に亡命しました。その後、彼らによってチベットの瞑想法が世界中に知られるようになったのです。
チベット式の瞑想法は、呼吸や概念、何かのイメージに対して集中する鎮静的瞑想や、生死や慈悲に関する思い込みを観察する分析的瞑想が行われています。チベット密教独自で発展を遂げた瞑想法にはマハムードラ瞑想や、金剛乗瞑想などさまざまな瞑想が存在します。日本でも知られている「トンレン」と呼ばれる瞑想法もチベット式の瞑想法のひとつです。トンレンは「交換する」という意味があり、他者の苦しみを自らが受け止め、代わりに喜びや安らぎなどのエネルギーを他者に与えます。
チベット式の瞑想のやり方
チベット式の瞑想の種類はたくさんありますが、代表的なトンレンの簡易的な方法をご紹介します。慈悲の気持ちを養うトレーニングです。<やり方>
1.姿勢を整え、呼吸を始めます。
2.苦痛や不安を抱えた、人、動物など、対象物を思い浮かべましょう。
3.息を吸うときに、その苦しみやネガティブな感情を引き受けるようなイメージです。
4.息を吐くときに、喜びや幸せを他者に与える気持ちで行います。
チベット式の瞑想は日本人には馴染みがないかもしれませんが、ぜひこの機会に挑戦してみましょう。
また、ヨガや瞑想の最後にリラックス状態から目覚めるタイミングで鳴らされる「ティンシャ」という鐘はチベット仏教の密教法具のひとつです。瞑想では最初と最後に用いられます。始めるときに鳴らすことで、「今この瞬間」を意識できるようになります。瞑想の終わりにティンシャが鳴らされるのは、瞑想状態から現実に意識を戻すためです。
瞑想を行うチベット僧の脳から分かった驚きの事実
研究により瞑想が脳に影響を与えていることが解明されていますが、チベット僧の脳をスキャンすると驚くべき事実が明らかになったのです。アメリカのウィスコンシン大学で行われた実験では、fMRIと呼ばれる脳活動を計測できる機械が用いられ、瞑想実践者の脳活動が測定されました。被験者の前頭葉の活動に注目し、左右のどちらが活発かを測るのです。肯定的な感情を持ちやすい人のは左側が活発で、否定的な感情を持ちやすい人の場合は右側が活発になります。
長年瞑想を続けているチベット僧であるマチウ・リカール氏の瞑想中の脳を調べてみると、異常値を示すほど、左側の前頭前野が活発に動いていることが分かりました。瞑想を行うと幸福度が高まることが世界に知られ、彼は「世界一幸福な人」と呼ばれるようになったのです。
チベット式の瞑想で得られる効果
ダライラマ14世も行っている、チベット式の瞑想の「トンレン」を続けていると、自己への愛着が減り、利他心を訓練できるのです。共感能力を高めたり、鬱や罪悪感を抑えられる効果があるとも言われています。自分の利益よりも、他者を思いやることができるようになるでしょう。他者の苦しみや悲しみに共感し、寄り添う心を持てるようになると、慈悲心を養うことに繋がります。チベット式の瞑想に役立つYouTube音楽動画5選
チベット式の瞑想を行う際に、おすすめの音楽動画を5つご紹介いたします。1.チベット音楽, 瞑想用音楽, ヒーリング用音楽, リラックス用音楽, チャクラ, 安らぎとストレス・リリーフの音楽, リラックス, ✿3193C
水の音と厳かな雰囲気の音楽が流れてきます。心が落ち着きリラックスできるでしょう。
2.チベット音楽, 瞑想用音楽, ヒーリング用音楽, リラックス用音楽, チャクラ, 安らぎとストレス・リリーフの音楽, リラックス, ✿2853C
ゆったりとした柔らかな音色に癒されます。笛の音が幻想的で、まるで異世界にいるような気分に浸れます。
3.瞑想のためのリラックス音楽 Relaxing Spa Music from Shakuhachi Meditation Music Sakano
弦楽器の音色が癒しの空間を演出してくれます。日本では聞き慣れない楽器の音で安らぎを感じてみましょう。
4.【8時間睡眠音楽】ヒーリング・ヨガ・安眠・リラックス・チベット
長時間の動画なので、好きな部分だけ流したり、毎日少しずつ聞いたりしながら楽しんでくださいね。
5.自宅から負のエネルギーを取り除く音楽、417 Hz、チベットの歌Bowl
穏やかな鐘の音が心からリラックスさせてくれます。厳かな雰囲気を味わいましょう。
ここで音楽動画と共におすすめしたいのがRelookの音声アプリです。専門家の方たちが監修したコンテンツで瞑想をより満喫することができます。自然の音を聴きながら、他者を思いやる気持ちを養ってみてはいかがでしょうか?気分によって色んな音楽を楽しめるところもポイント。タイマーで時間をセットできるので瞑想を習慣化したい方にもぴったりです。
Relookアプリについてはこちらを参照してみてください。
まとめ
チベット式瞑想は修行のようで、あまり馴染みがないかもしれませんが、普段の自分が、いかに自分中心の世界で生きているかを知るいい機会になるでしょう。瞑想は、利己的な態度を改め、利他の心に入れ替える訓練ができ、自分が持つ執着をなくし、他者の幸せを価値のあるものだと考えられるようになるのです。けれど他者を慈しむには、まず自分の幸せを大切にすることが第一であるため、そこを履き違えないように注意しましょう。
一般的な思考を受け流す瞑想ではなく、「他者を思いやる」という特定の考えに集中するため、新たな発見があったり、感覚を得られたりするはずです。ステップアップのつもりでお試しくださいね。
※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。