あなたは瞑想のどんな効果に興味を持っているでしょうか?

瞑想の効果は数多く知られています。

例えば、幸福度が上がる、集中力が上がる、仕事のパフォーマンスが上がる、など挙げるとキリがありません。


このホームページでも瞑想の効果をいくつか取り上げてご紹介したり、なぜそうした効果が得られるのかを解説してきました。

そんな数多くある瞑想の効果のうちで今回は、ワーキングメモリに対する瞑想の効果を紹介します。

ワーキングメモリは仕事や勉強に大いに関係する能力ですから、この記事でその理解を深めていきましょう。


ワーキングメモリとは何か?

まずワーキングメモリ (Working Memory)とは、作業記憶とも呼ばれる短期的な記憶のことです。(またその能力を指すこともあります。)

ですので例えば、「今見た景色はワーキングメモリに保存された」と言えばその景色が一時的な記憶として覚えられたことを意味しますし、「私はワーキングメモリが凄いんだ!」と言えばその人は短期的に記憶する能力が高いとわかります。

このワーキングメモリは生活の中で毎分・毎秒利用しているほど私たちには欠かせない能力です。

例を挙げると、上司から「この仕事を今週中にやっておいて」と頼まれた時にそれをメモするまで覚えておくためにワーキングメモリが使われます。

あるいは何か考え事をしている時は常にワーキングメモリが働いていて、「今日は雨だから傘を持って行こう」と一瞬考えている間にも、「今日は雨」という記憶がワーキングメモリとして保存されていて、そこから「傘を持っていく」という結論を導き出しています。

もしもワーキングメモリが全く無ければ、「今日は雨だ」と認識したとしても、そこから「傘を持って行こう」という話には繋がらないわけです。なぜなら雨だと認識した瞬間にそれを忘れてしまうからです。


ちなみにワーキングメモリはあくまで短期的・一時的な記憶ですので、寝たら忘れるようなものです。

しかし寝ている間に(正確に言えば起きている間にも起こりますが)、そのワーキングメモリから長期的な記憶への変換が行われています。


少しマニアックな話をしておくと、このワーキングメモリには前頭葉という脳の前側の部分が重要な役割を果たしています。何かを一時的に記憶している間はこの前頭葉の一部が活動し続けているのです。


瞑想がワーキングメモリに与える影響

ざっくりとワーキングメモリについてご紹介したところで、実際に瞑想がワーキングメモリに与える影響をみていきましょう。

結論から言うと、瞑想はワーキングメモリを強化することが分かっています。

またワーキングメモリに重要な前頭葉の体積が瞑想によって大きくなることが知られているため、脳の仕組みからもその効果が裏付けられています。

ワーキングメモリの機能やそれに付随する「注意を切り替える能力」はストレスや不安によって低下することが知られていますが、瞑想にはそうしたストレスや不安を和らげる効果があります。

瞑想によってワーキングメモリを妨げる原因を取り除くことで、間接的にもワーキングメモリの機能を高い状態で維持できるということですね。


ところで、「瞑想によってワーキングメモリを強化できるのは分かったが、それが仕事のパフォーマンス向上に繋がるのか?」と思われる方もいるかもしれませんね。


それは心配ありません。

東大の研究グループが、瞑想を習慣にしている人ほど仕事のパフォーマンスが高いという研究結果を報告しています。

しかもこれは日本人を対象に行われた研究ですから、まさに私たちに直接関係のある話です。


さらに別の研究では瞑想を全然やっていない社会人に瞑想をやってもらったところ、ストレス軽減やワーキングメモリの強化に加えて、実践的な仕事のパフォーマンスが向上したという報告もあります。

それを踏まえると、瞑想はワーキングメモリを鍛えてくれるだけでなく、実際の仕事現場で役に立つ効果をもたらしてくれるんですね。
仕事に生きる現代人にとって瞑想は、一度試してみる価値のあるものだと思います。


実際に行われた研究の紹介

さて、瞑想でワーキングメモリの機能がアップすることはわかりましたが、ではその効果はどうやって実証されたのでしょうか?

ここでは実際に行われた研究を紹介して、より詳しくその内容を知ってもらおうと思います。


まず1つ目にご紹介するのは、2019年に報告されたニューヨーク大学の研究成果です。

この研究では様々な年代の瞑想初心者が集められ、その参加者たちに1日13分の簡単な瞑想を8週間実践してもらいました。

ここで実践された瞑想は、呼吸に集中したり体の状態をスキャンしたりするマインドフルネス瞑想です。

また瞑想を実践するグループと比較するために、瞑想の代わりに同じ時間ラジオを聞いてもらうグループも準備しました。


その結果、瞑想をしたグループはただラジオを聞いていたグループと比べてワーキングメモリの機能向上が見られました。

これに加えてワーキングメモリ以外にも、不安感の軽減や注意力向上の効果もあったそうです。

1日たったの13分間でそれだけの効果が得られるのは驚きですね。

ちなみにワーキングメモリをどう測定したかというと、Nバック課題という有名な測定法が使われています。

Nバック課題とは、1文字ずつ適当な文字が順番に表示されていき、その都度「今表示された文字は◯個前に表示された文字と同じだったか」という問題に答えていきます。

この「◯個」の部分は1個前、2個前、3個前の3種類からその都度ランダムに選ばれます。

ですので例えば「A, F, R」という文字が表示されてきた後に、「F」と表示されて「これは2個前の文字と同じですか?」という問題が出てきたらその答えは”イエス”になります。

ただし1個前と同じですか?と聞かれる可能性もあって、その場合の答えは”ノー”です。


このNバック課題では、それまで表示されていた文字を一時的に覚えていないといけませんから、まさにワーキングメモリが試されるわけです。


このNバック課題は脳トレとしてアプリゲームになっていたりもするので、もし興味があれば試してみてください。
(参考:アプリ紹介記事


瞑想のやり方

ここまでで、瞑想がいかにワーキングメモリの強化に効果があるかをわかっていただけたと思います。

そこで実際に瞑想でワーキングメモリを鍛えるための実践的なやり方をご紹介します。

ワーキングメモリの向上に効果があるのはマインドフルネス瞑想と呼ばれるもので、これは仕事や人間関係などによる日々の忙しさを忘れて「いま、この瞬間」に集中する瞑想法のことを指します。

今回はこのマインドフルネス瞑想のうち、最も簡単で最も有名な「呼吸に集中する瞑想法」をご紹介します。

では早速「呼吸に集中する瞑想法」の手順を見ていきましょう。

(1) 楽な姿勢を取り目を閉じましょう。立っても座っても構いません。
(2) ゆっくりと呼吸をしましょう。4秒で鼻から吸って、6秒で口から吐くのが目安です。
(3) 意識を呼吸に集中させましょう。吸った息で肺が膨らむ感覚から、吐いた息が鼻腔を通る感覚までをじっくり味わいましょう。
(4) これを10分間続けましょう。もし余計なことを考えてしまった場合は「雑念、雑念、雑念」と口に出してから再び呼吸に意識を戻すと良いです。

これが典型的な「呼吸に集中する瞑想法」の手順になります。

やることはこれだけでとても簡単ですし、10分でできるのでとてもお手軽です。


仕事の合間の休憩時間やエレベーターなどの暇な隙間時間などでも、同じように呼吸に集中してみるとリフレッシュできるかもしれません。

エレベーターなど数秒程度の時間であれば体のストレッチの方が効果的ですが、隣に人がいたりして体を動かせないときはぜひちょっとでもこの瞑想法を実践してみてください。オススメです。


ちなみに「瞑想をやりたいけどどうしていいか分からない」、「始めてみたけどよく分からない」という方には、瞑想を補助してくれるRelookアプリがオススメです。

実際に使われた方の記事がこちらにありますので、ぜひ参考にしてください。

Relookアプリはメイン機能の睡眠補助だけでなくて、日頃の瞑想に活用できることが分かってもらえると思います。


まとめ

今回は、瞑想によるワーキングメモリの強化について、科学的な研究成果を元にご紹介しました。

ワーキングメモリを鍛える脳トレなどは色々ありますが、それらと比べて瞑想ではストレス軽減などの他の効果も同時に得られるのが大きなメリットです。

1日10分の瞑想を1ヶ月間だけでも試してみることをオススメします!




※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。