マインドフルネスについて30秒で解説

そもそもマインドフルネスとは?


世界的な一流企業や著名人が実践していることで、すっかり知名度が上がったマインドフルネス瞑想。

マインドフルネスとは、概念のことであり、「今、ここ」に全ての意識が向いている状態のことをいいます。


人は、常に過去や未来のことをぼんやりと思い浮かべています。


例えば、朝ごはんを食べながら今日の仕事のことを考えてため息をつき、仕事をしながら昨日のミスを思い出して悲しい気持ちになり、夜ベッドの中で今日言われた上司の発言に腹を立てる・・・。


このように、頭は過去や未来のことでいっぱい。頭の中の独り言が、食事・目の前の仕事・休息の時間を妨害してきます。


気を付けていないと、考え事が暴走し、「今、ここ」どころではありません。
その結果、睡眠不足や、仕事に集中できないといった悪循環が生まれてしまいます。


これの対極にある状態が、
マインドフルネスです。


瞑想と何が違うの?


世の中には様々な瞑想法が存在します。

心を無にする、いま現在に集中する、自らの意識を高め気づきを得る・・・

これらの手法をとって目指しているものは何でしょう。
最終的にはどの瞑想法も「悟り」を目的としています。
悟りとはすなわちサティであり、マインドフルネスを表しています。

マインドフルな状態を達成する手段が瞑想です。

つまり、
マインドフルネスと瞑想は、目的と手段の関係にあるのです。


かつて瞑想は、宗教的な営みと考えられていました。

しかし近年では仏教への信仰心がなくても瞑想に取り組むことは一般化されてきました。
その証拠に、iPhoneの標準アプリである「ヘルスケア」には、「マインドフルネス」が実装されています。


5分でできる!簡単な「~しながらマインドフルネス」3選

①座りながら


いつでもどこでも行える瞑想の基本、呼吸瞑想をお伝えします。


やりかた


1.姿勢を整える

床に胡坐をかく、もしくはイスに浅く腰掛け、背筋を気持ちよく伸ばし座ります。ポイントは、「背筋を伸ばそう!」と意気込みすぎないことです。

筋肉が緩み、骨で身体を支えているような感覚で座りましょう。余分な力を抜きます。


2.息を整える

大きく深呼吸をしましょう。鼻から大きく吸って、口から細く長く吐き出します。次は、自然に呼吸します。無理にゆったりとした呼吸をしなくても大丈夫です。

そして呼吸に意識を向けましょう。腹式呼吸を繰り返し、おなかが膨らんだりへこんだりする様子を追いかけます。


3.心を整える

考え事が浮かぶことで呼吸に意識が向けられなくても、その状況をただ認め、受け流しましょう。

まるで車が通り過ぎるのを見ている歩行者のように、ぼんやりとその考え事を受け流しましょう。車を凝視したり、止まれと願ったりしても、どうしようもありません。

考え事の内容を深追いせず、また呼吸に意識を戻します。

5分間、呼吸にだけ意識を向けてみましょう。必ずいろんな考え事が頭に浮かんできます。そのことに気が付いたら、善悪の判断をつけず、また呼吸に戻りましょう。


②寝ながら


布団の中ででき、そのまま高確率で寝落ちしてしまう
「筋弛緩法」の手順をお伝えします。

寝ながら瞑想する方法は大きく2つ。

「自分の心の声で行う」か、「音源を手に入れて実践する」かのいずれかです。

自分の声で行う場合は仰向けの状態で、体の各部位にぎゅっと力を入れて10秒ほどキープ。
その後、息を吐きながら力を一気に抜きましょう。

両手の先、両足、おなか、胸、首と肩、顔、と順番にやっていきます。
脱力後、緩まった体をしっかりと感じることがポイントです。

次に音源を入手する方法です。

無料動画サイトなどでも気軽に見ることができますが、音質が悪いためリラックスしにくいのが難点です。

例えばrelookなど、音にこだわりを持つアプリで誘導してもらうのがいいでしょう。
心地よい音楽と柔らかい声に包まれて、ほっとすることができるはずです。

また、意識を向ける部位やタイミングを適度なテンポで誘導してもらえるため、力の抜け具合がわかりやすく、より瞑想状態へ近付きやすくなります。


③歩きながら


「歩く」という、日常生活の中で当たり前のように行っている行為に注意を向け、足の感覚を味わうことで集中力を養います。


まず、まっすぐ立ちます。足が地面についている感覚、そして体重を支えている圧力を感じましょう。

次に、一歩踏み出してください。注意しながら片足を上げ、その足を前に進め、自分の前にしっかりと下ろし体重をその足に移します。今度はもう一方の足で同じことを繰り返します。

呼吸とあわせながら息を吸うときに足を上げ、動かすときと下ろすときに息を吐き出します。もしくは「右足、左足」と踏み出す足を心の中で唱えるのもいいでしょう。

最初はゆっくりと歩かないと注意力が落ちてしまいますが、慣れてきたらどんなスピードでも行うことができます。


簡単な瞑想でも得られる効果とは?

簡単な方法でも、効果を実感できます。代表的な効果を5つ紹介します。

感情のコントロールができる


喜怒哀楽があるのは当たり前です。
その感情を取り除くために、瞑想をするのではありません。
むしろ、感情の存在を認めつつ、その波に飲み込まれないようにするために、瞑想をするのです。

感情の波は、ジェットコースターのようなものです。自分ではコントロールができず、振り回されてしまう。そんな苦しい状態を避けるために、ジェットコースターが目の前にあることを確認し、乗らないようにするのです。

悲しいならその悲しみを、うれしいのであればその喜びを、一歩引いて眺めることで、感情と自分の間に距離を作ります。その結果、いつでもフラットな気持ちのあなたでいられるのです。

ストレスの軽減


ドイツのマックス・プランク研究所の研究チームは、3つの瞑想トレーニングプログラムを1日30分で週6回、3カ月以上実践した参加者の脳活動を詳しく調べました。
その結果、別名“ストレスホルモン”と呼ばれる
コルチゾールの分泌を最大で51%抑制し、ストレスを低減していることが確認されました。

瞑想訓練を受けている人々は、人間関係のクオリティと協調性を向上させることができるだけでなく、脳神経接続の構造に変化を生み、結果的にストレスレベルが減少することがわかっています。

参考 https://advances.sciencemag.org/content/3/10/e1700489


自己肯定感の増加


瞑想は、ありのままの自分を受け入れるところから始まります。

いつも自分自身を第三者の目で評価してしまい、


「世間でこういわれているから」

「誰かがこれをやったから」

「これができないと恥ずかしいから」


・・・そんな考え方をして、息苦しくなっていませんか?どこかで無理をしていませんか?

そんな「第三者の目」に気がつき、自分らしい人生を取り戻すために、瞑想は欠かせないツールと言えます。
今の自分をそのまま受け止めることにより自己肯定感があがり、自然と自分を大切にすることができます。また、自己肯定感が上がると他者への思いやりが高まることがわかっています。


集中力の向上


人間の脳は、集中しにくい構造になっています。
つまり、考えごとをしているのが常なのです。
瞑想は、この“考えごと”から私たちを解放し、脳を活性化させてくれます。


また、瞑想は集中力を高めてくれるだけではなく、雑念にまみれにくい脳へ構造を変えることができるのです。
更に、集中力が上がることで「創造性」がアップし、新しいアイデアが浮かびやすくなるという効果も見込めます。
だから、Googleのようなクリエイティブな企業でも取り入れられているのですね。


幸福度の増加


ハーバード大学のマット・キリングワースとダン・ギルバートの調査によると、私たちは活動時間の約半分を「注意散漫」の状態で過ごしています。


また、どんなに退屈なことであっても、集中して取り組む場合と比べて、「注意散漫」の状態でいると幸福度が低くなることが分かっています。


更に、考え事の内容が楽しいものでも、楽しくないものでも、考え事をしていない状態と比較すると、幸福度は低くなるのです。


つまり、私たちは目を覚ましている時間の半分を「今、ここ」にない状態で過ごし、その結果、不幸になっている可能性があるというのです。


マット・キリングワースは、「幸せになりたい? 目の前のことに集中しましょう」と主張します。

参考 https://www.ted.com/talks/matt_killingsworth_want_to_be_happier_stay_in_the_moment/transcript?language=ja


マインドフルネス瞑想で「今、ここ」に集中する。これを習慣とすることで、幸福度が増すということが言えるのです。


マインドフルネスに慣れてきたら…

時間や場所など、自由に行う

自分タイム


1日5分の瞑想に慣れてきたのであれば、少しずつ時間を延ばしてみましょう。

5分から10分、10分から20分へ。
最終的にはアラームをかけず自分が満足するまで行うのもいいでしょう。
長ければよい、というものではありませんが、長時間行うことで新たな心の変化に気が付くこともできるでしょう。


また、瞑想を行う場所も広げてみましょう。


通勤電車の中、カフェでコーヒーを待つ間、エレベーターに乗っているとき、始業前のパソコンが起動する間、会議中など、思い立ったときに行動してみましょう。


瞑想は、いつでも、どこでも、手ぶらで行うことができます。この自由、柔軟さが瞑想の良い所です。


少し難しい瞑想をやってみる
~マントラ・慈悲の瞑想~


マントラとは、サンスクリット語で「文字」「言葉」の意味で、強迫的な性質から心を解放するために使用される音の振動、と言われています。


マントラを唱えることにより、意識を集中させやすく、またその言葉の意味や音の響きによって心を軽くしてくれる効果が期待できます。


テーラーワーダ仏教由来の
慈悲の瞑想を紹介します。


自分と他人の境界をなくし、自分の幸せを願うように世界に存在するすべての生命の幸せを願う。
そんな心を育て上げることが、慈悲の瞑想を行う目的です。


そんな気持ちで常にいられたら、マインドフルに生きられるでしょうね。


<やり方>

楽な姿勢をとります。仰向けの状態でもいいでしょう。

以下の文を唱えます

「私が幸せでありますように、私が苦しみから解放されますように」


次に、好意を持っている人、尊敬している人を思い浮かべましょう。

その人に向かって念じるように唱えます。

「私の好きな人が幸せでありますように、苦しみから解放されますように」


次に、自分と関係のない、見ず知らずの人を思い浮かべます。例えば今日電車で向かいに座っただけの人や、コンビニですれ違った人などを、一人だけ思い浮かべます。

その人に向かって念じるように唱えます。

「あの人が幸せでありますように、苦しみから解放されますように」


次に、自分の苦手な人、思い出すだけで胸が苦しくなるような、ネガティブな感情を抱く人を思い浮かべましょう。その人に向かって念じるように唱えます。

「私の嫌いな人が幸せでありますように、苦しみから解放されますように」


最後にこう唱えましょう

「生きとし生けるものが幸せでありますように、生きとし生けるものが苦しみから解放されますように」

(参考 https://j-theravada.net/world/metta/


考え事をしないマインドフルな状態へ到達するために、呼吸や身体ではなく、言葉や概念に意識を集中させる。
そんなイメージで取り組んでみてください。


まとめ


瞑想の効果を感じる秘訣は習慣にすることです。

スマホやタブレットのおかげで私たちの脳は過去に経験したことないほどの情報を処理し続け、疲労がたまっている状態です。

毎日当たり前のように行う入浴や歯磨きなどの身体のケアを行うように、メンタルのケアを行う時代になりました。

「時間がない」が口癖のあなた。たった5分でいいので自分のために時間を使ってください。

瞑想によって今よりもほんの少し幸せな毎日を送りましょう。




※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。