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メディテーション(瞑想)とは?
メディテーション(瞑想)は「心を落ち着ける」「無心になる」「何かに集中する」ことを指しています。約5000年前にインドで始まり、その後世界中に広がりました。メディテーションにはさまざまな種類があり、それぞれ解釈の仕方が異なるため、明確な定義付けはされていません。
英語では「meditation」と表記され、瞑想、黙想、熟考という意味です。瞑想するという動詞を表す「meditate」は、ラテン語のmeditatus(熟考した)、medi(治癒する、改善する)が語源になっています。
世の中にはメディテーションに対してスピリチュアルの要素が強いイメージを持つ方も多いと思います。仏教をはじめとしたいくつかの宗教で行われているため、近寄りがたくて不思議なものに見えますよね。けれど近年では、治療やセルフコントロールのために用いられるようになるなど、幅広い領域で使われるようになりました。多くのトップアスリートや著名人たちも、日々の習慣にしていると明かしており、注目されています。
世界のトップ企業が取り入れたことで話題になった「マインドフルネス瞑想」も、メディテーションのひとつです。集中力や生産性の向上が期待でき、自己理解にも繋がります。心を鎮めて「今、この瞬間」に意識を向ける心のトレーニング方法です。
ジョン・カバット・ジン教授によって「マインドフルネスストレス低減法」のプログラムが考案され、福祉や医療の現場でも活用されるようになりました。宗教色を取り除き、信仰心がなくても効果が得られることが研究によって解明されています。メディテーションは心を癒したり、幸福度を上げたり、私たちの人生をさらに豊かにしてくれるものなのです。
メディテーションのやり方
今すぐに試すことのできるメディテーションのやり方をご紹介します。初めて行う方でも大丈夫です。基本を学んだら、考えるよりも自分の身体で試してみましょう。実践した方が感覚を掴みやすくなります。ひとつ目は仰向けになって行うメディテーションなので、リラクゼーション効果も高い体勢です。夜寝る前に行うと、1日の疲れを取ってから気分良く眠りに付けるのでおすすめですよ。
メディテーションを行う際に押さえておきたいポイントもお伝えします。まずはどのような心構えが必要になるのかを頭に入れておきましょう。瞑想をうまく実践するには「無」になろうと必死にならずに、呼吸に集中して思考を受け流すことを淡々と続けていくことが大切です。
メディテーションは自分自身と向き合う時間です。内面と深く繋がり、自分を認め、ありのままを受け入れるという姿勢が重要になります。あなたが自分自身の良し悪しを評価したり、否定したり、諦めたりするべきではないことを覚えておきましょう。雑念が湧いてきても悪いことではないので、安心して続けてくださいね。
<仰向けで行うメディテーション>
1.仰向けになって、全身の力を緩めましょう。
2.目は軽く閉じてください。眠りそうであれば開けていても大丈夫です。
3.ゆっくりと息を吐き出して、大きく吸い込みましょう。
4.お腹が動いているのを感じながら呼吸を続けます。
5.考え事が浮かんでも、ただひたすら呼吸に意識を向けましょう。
寝る前の習慣にしてみてくださいね。寝たまま行うメディテーションは、呼吸の流れやお腹の動きに注目しやすいため、初心者の方にはピッタリです。深いリラクゼーション効果が得られるようになりますよ。朝起きたときや日中にできる、床の上や椅子に座って行うメディテーションもご紹介します。
<座ったまま行うメディテーション>
1.楽な姿勢で座りましょう。床ならあぐらや正座、椅子なら軽く腰掛けます。
2.身体の力は抜いて、背筋を伸ばしてください。
3.軽く目を閉じて、呼吸を整えましょう。
4.ゆっくりと時間をかけて息を吐き切ります。
5.吐いた分だけ大きく吸い込みましょう。
6.焦らずに深い呼吸を続けてください。
7.呼吸に集中します。雑念が浮かんできても、やり過ごしましょう。
慣れないうちは、頭にたくさんのことが浮かんでくるはずです。そんな考えや感情に対して、対処しようとせずに全てを受け流していきます。昨日の傷付いた言葉や、明日の心配事を思い出すかもしれません。それでも「やり過ごす」ことを繰り返し続けます。集中できなくなったら、いつも呼吸に意識を向けましょう。だんだんコントロールできるようになってきますよ。 無理せずに、自分のペースで行ってくださいね。
メディテーションの効果
メディテーションを続けていると心と身体に変化が訪れるでしょう。自分自身の思考や呼吸に集中する時間を作れるようになると、さまざまな効果を生むのです。リラックスできたり、集中力が上がったり、前向きになれたり、と内面からパワーが溢れてきます。
メディテーション(瞑想)の効果は研究によっても証明されました。マインドフルネス瞑想を行った被験者たちの脳を調べると、自己抑制力と関係する「前帯状皮質」が活発な働きを見せていることが分かったのです。また、瞑想を行っている人たちは、自己抑制力のテストで良い結果を出し、注意散漫になることなく回答を終えました。
これらに加えて、神経細胞が密集している灰白質の量にも変化が見られたのです。記憶や学習、空間認識を司る「海馬」の灰白質が増加していることが確認されました。うつ病やPTSDなどを抱えた一部のクライアントは、海馬の萎縮が見られることがあります。瞑想にはその海馬が受けたダメージを回復させる効果があることが明らかになったのです。他にも、マインドフルネス瞑想が知覚や身体感覚、自己意識に関係する脳の部分に変化を与えることが分かっています。(参考:Mindfulness Can Literally Change Your Brain )
科学的にもメディテーションの効果は証明されており、信仰心や心の持ちようなどは関係なく、根拠に基づいた効果があります。脳の働きまで変えてくれるメディテーションは誰でも気軽に始められるのが特徴です。高価な器具を購入する必要もないので今日から実践できます。健康的な心と身体のために、メディテーションに挑戦してくださいね。
メディテーションは5分からでも効果が出る?
慣れてくると、メディテーションを長い時間行うことができるようになるでしょう。けれど最初のうちは5分程度から始めてみてくださいね。たった5分間でも効果はあります。短い時間でも習慣にして、毎日行うことを目標にしてみましょう。
長い時間やった方が良いから、と最初から飛ばしすぎては続かなくなる可能性があります。継続することで少しずつ心と身体にも変化が現れるため、自分の可能な範囲で行うのがポイントです。
もし「続けられるのか心配」「うまくできるだろうか」と不安な気持ちがある方は、動画サイトや音声アプリを活用してみましょう。Relookはマインドフルネス瞑想協会代表や睡眠専門医をはじめとした専門家が監修した瞑想音声コンテンツを利用できます。習慣にしたいと思われている方も、400種類以上のコンテンツが揃っているので飽きずに続けられます。目的別にコンテンツが揃っているため、あなたの生活や状況に合わせてマッチするものを選んでくださいね。
5分間の習慣で気持ちが前向きになり、意識も変わるでしょう。イライラしたり、ストレスが溜まったり、寝付けなかったり、不調が続くと100%の力も出せませんよね。なんだか頑張れないと思ったら、瞑想で思考をフルリセットしてみましょう。
Relookについてはこちらを参照してみてください。
まとめ
メディテーションは心と身体の両方に、良い変化を与えてくれます。日々の疲れが取れていないと、仕事のパフォーマンスや生活の満足感にも悪影響を及ぼしかねませんよね。自分でストレスを発散し、心身を癒せる方法を知っているだけで、暮らしは豊かになります。メディテーションはセルフケアとして活用したい優れた習慣です。「ストレスが溜まっている」「なんだか集中力が持たない」と感じる方は、リラクゼーションのつもりで実践してみましょう。
※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。