目次
歩行瞑想って何?
歩行瞑想とは、歩きながら行う瞑想のことです。
マインドフルネス瞑想では、瞑想中に意識を向ける対象を決めますが、歩行瞑想では歩いている自分の身体が動く感覚に集中します。
自分の腕や足の「今ここで」の動きや感覚に注意を向けることで、普段絶え間なく働いている脳を鎮めてリラックスさせる効果が期待できるのです。
精神科医のMarlynn Wei博士が大学生110人を対象に行った最近の研究では、10分間のウォーキングの前あるいは後に瞑想を行うと、ウォーキングのみ行った時よりもストレスレベルが大きく減ることがわかりました。
Marlynn Wei博士は、Psychology Todayに掲載された記事の中で、歩行と瞑想を同時に行うことでもストレス低下の効果が期待できると述べています。
メンタリストのDaigoさんも歩行瞑想を習慣として行っており、継続して実践した結果、集中力が向上し、記憶力やメンタルをコントロールする能力が高まり、自己コントロール能力も上がったと、その効果を実感しているようです。
出典:https://daigoblog.jp/walking-meditation/
そもそも瞑想って?
瞑想にはさまざまな種類ややり方があり、その目的もさまざまです。
近年話題となっているマインドフルネス瞑想は、忙しく働いている脳を鎮め、リラックスさせることを主な目的としています。
継続して実践することで、心、身体、思考に良い変化をもたらすとされています。
マインドフルネスとは、今この場で起こっている経験に注意を向けている状態です。
マインドフルネス瞑想を行っている間は、「良い」「悪い」などと判断せず、自分の身体の動きや感覚に集中します。
瞑想中にひとつのことに集中する練習を続けることで、瞑想を行っていないときにも、過去や未来のことにとらわれたり考えすぎたりせずに、脳やこころがリラックスできるといわれています。
脳がリラックスできると、休みたい時にはゆっくりと休むことができ、仕事や勉強など必要な時には圧倒的な集中力を発揮できるとされているのです。
マインドフルネス瞑想の効果は科学的にも証明されており、医療や福祉現場でも実践されています。
また、メジャーリーグのイチロー選手をはじめとして多くのアスリートがトレーニングの一環として実践。
GoogleやApple社などの世界的大企業でも社員研修に取り入れられるなど、さまざまな場面でその効果が認められているのです。
歩行瞑想ならではの効果3選
歩きながら行う歩行瞑想には、どのようなメリットや効果があるのでしょうか?
初心者でも行いやすい
歩行瞑想は、歩くという動作に伴う身体の感覚に意識を集中させるため、静止した状態で瞑想するよりもわかりやすく行いやすいというメリットがあります。
座ったり寝たりしながら行う瞑想では、呼吸に注意を向けることが多いですが、うまく呼吸に集中することができない、呼吸に集中するという感覚がいまいち掴めない、という方も多いのではないでしょうか。
歩く瞑想では、雑念が湧いてきてそれにとらわれそうになったとき、歩くのをやめて立ち止まる、ということができます。
動かしていた身体を静止させると、それに伴って思考や感情も落ち着かせやすくなります。
日常生活に取り入れやすい
歩くことは、私たちの普段の生活の中で習慣化しており、必要な動作でもあります。
そのため、歩く瞑想は日常生活の中で行いやすい瞑想方法なのです。
しかし、歩行瞑想はゆっくりと歩きながら行うため、外で実践すると不自然な動きに見えることがあります。
そこで、簡略化して行うことで、通勤、散歩、買い物など、日常生活の中に取り入れやすくなります。
家の中で行う場合には、丁寧にゆっくりと動くことで、自分の身体の動きに集中しやすく、瞑想の効果をより実感できるでしょう。
注意力をコントロールしやすくなる
瞑想は、今の自分に必要なことに意識を向け、集中したいときに集中できるようになる訓練でもあります。
つまり、集中力や注意力を自分でコントロールできるようになることを目的のひとつとしています。
歩く瞑想は左足から右足、左腕から右腕というように、注意を向ける対象が規則的に変わっていくため、注意力のコントロールの訓練に高い効果が期待できるといえます。
今日から始める歩行瞑想のやり方①
ここでは、精神科医のMarlynn Wei博士がPsychology Todayで解説している歩行瞑想のやり方をご紹介します。
まずは、身体の力を抜いて手と腕をリラックスさせます。
深呼吸を何度か繰り返し、地面に触れている自分の足の裏の感覚を注意深く観察します。
今日から始める歩行瞑想のやり方②
リラックスしていつも通りの自然な呼吸を続けながら、ゆっくりとしたペースで歩き始めます。
歩きながら、ひとつひとつの動作、その動作に伴う感覚に集中します。
足の裏はどのように感じますか?
地面から足が離れるとき、地面にかかとが触れるとき、重心が前へと移動するとき、重心が反対側の足に変わるときは、それぞれどのような感じがするでしょうか?
今日から始める歩行瞑想のやり方③
一歩踏み出すごとに、足の裏の感覚を確かめながら、自分の重心が交互に移り行く様子を感じます。
歩きながら、背中、足、腕、肩、胸、首など、自分の身体の各部位がどのように感じているのか、どのように動くのかに意識を向けます。
歩行瞑想のポイント
雑念を無理に追いやろうとしない
歩行瞑想を行っている最中に、注意力がそれてさまざまな雑念が浮かんでくるのは自然なことです。
無理に雑念を取り去ろうとせずに、「今、雑念が湧いているな」と自分で気づき、雑念が湧いているという事実を受け入れます。
その際に大切なのは、「良い」「悪い」という評価をしないこと。
自分の「今ここで」の状態に評価を与えるのではなく、自分の状態を冷静に客観視しながら観察します。
そして、湧いてきた雑念から次々と考えを膨らませないように、再び自分の身体の動きに注意を向けてください。
最初は家の中で5~10分間
初心者は5分から10分間行います。
自分の足の動きに意識を向けながら行うため、スピードはゆっくりになるので、最初は家の中で実践することをお勧めします。
家の中でなくても、なるべく集中するために、人の行き来が少ないなど周りに気を取られない環境でやりましょう。
外で行う際には、通常のスピードで歩きながら「右足が着いた、左足が着いた…」というように、簡単にやっても効果が出ると言われます。
ただ、その分屋外で行うとしたら様々なものが視界に入ることもあり、雑念が湧きやすくなります。
自分の動作以外のことに考えが向いていることに気づけたら、一度立ち止まり、意識を自分の身体に戻してから、歩行を再開しましょう。
慣れてきたら歩く距離を長くしてみたり、通勤時に会社や駅に行くまで、買い物でスーパーに行くまで、など目的の場所に到着するまでと決めるのが良いでしょう。
日常生活の中に取り入れて、「ながら」歩行瞑想を習慣化することで継続しやすく、瞑想の効果をより実感できるでしょう。
歩行瞑想のガイダンス
より効果的な歩行瞑想を行うために、音声ガイダンスの利用がオススメです。
イヤフォンで音声ガイダンスを聞きながら瞑想を行うと、外部の騒音が抑えられ、自分の動作に集中しやすくなるというメリットもあります。
YouTubeには歩きながら瞑想を行う際に活用できるガイダンスがたくさん配信されていますので、自分が心地よいと感じ、集中力が高められ、ちょうどよい長さのものを見つけることができると思います。
また、「Relook」などの瞑想アプリは、リラクゼーション効果の高い音楽とともに心地の良い音声ガイダンスによって、効果的な瞑想をサポートしてくれます。
「Relook」は専門家が制作に携わっており、睡眠、ストレス解消、人間関係、カラダ作りなど、あなたの目的に合わせた瞑想をガイドしてくれるさまざまなコンテンツが搭載されています。
瞑想は継続することがカギ。
アプリを利用すること自分で行うよりも効果を実感しやすく、楽しみながら継続することができるというメリットもあります。
Relookアプリについてはこちらを参照してみてください。
さいごに
誰でも手軽に行える歩行瞑想。
日常生活の中で習慣化し継続することで、心、身体、思考の良い変化に気が付くかもしれません。
さっそく今日から始めてみませんか。
※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。