眠れない。どうしよう・・・
そう思ったら、ますます眠れなくなる、という日もありますよね。
日中のストレスや緊張が続いたままベッドに入ると、交感神経が優位な状態で(神経が高ぶっていて)寝付きが悪くなってしまいます。
そして、十分な睡眠が取れない状態が続くと、うつ病や生活習慣病の発症が危惧されるので、健康上、あまり好ましくありません。
そこで、注目されているのが瞑想です。
中でもマインドフルネス瞑想という瞑想を行うことで、不眠の症状が改善され、睡眠の質が高まることが数々の研究で示唆されています。
この記事では、快眠へ導く寝ながらできる瞑想を紹介します。
ぜひ参考にしてください。
目次
寝る前に瞑想を行うことの効果
寝る前に瞑想を行うことで期待される効果を3つ解説します。
雑念が取り払える
多くの人は、一日中あれこれと考えごとをしています。
ある時には、寝る前に頭の中でひとり反省会が始まったり、明日のやることリストを確認したり、不安や恐怖を感じたり。
このような雑念を生むのが、脳の内側前頭前野、後帯状皮質、楔前部、下頭頂小葉などの部位から成る脳回路、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)です。
雑念回路とも呼ばれるDMNですが、瞑想にはこのDMNの活動を減らす働きがあるといわれています。(#1)
(参考文献 #1.) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4529365/
ぐっすり眠れる
厚生労働省の報告によると、ぐっすり眠れていない日本人の成人は20.2%と少なくありません(#2)。
(参考資料#2.) 厚生労働省.平成 29 年国民健康・栄養調査報告, 2017
寝付きが悪かったり、途中で目が覚めてしまったり、また朝早くに目が覚めてしまうといった睡眠障害に対して、マインドフルネス瞑想が効果的であることが示唆されており(#3)、ぐっすり眠れる可能性が高まります。
(参考文献 #3. ) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30575050/#:~:text=Additionally%2C%20there%20was%20moderate%20strength,%25%20CI%200.24%2D0.84
関連記事:論文レポート:睡眠の質の向上―脳波からみたマインドフルネスの効果-
不眠症を解消
不眠症の改善には、睡眠のサイクルを整えることがポイントになってきます。
寝る前に瞑想を行うことで、瞑想直後、メラトニンという睡眠のサイクルを調整する役割をもつホルモンの血中レベルが高くなったという報告があり(#4)、瞑想により不眠症が解消されることが期待されています。
(参考文献 #4.) https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0301051100000351?via%3Dihub
不眠症の場合、寝る前に瞑想を行うことで、そのメリットを感じやすいかもしれません。
関連記事:論文レポート:瞑想は「本当に」睡眠障害に効果があるのか?
寝る前に瞑想する際に環境を整えるコツ
瞑想を始める前に快適な環境を整えて、瞑想に集中しましょう。
温度や湿度
温度は、睡眠に影響を与える可能性のある最も大切な要因のひとつとされています。(#5)
(参考文献 #5.) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3427038/
不眠症の有無にかかわらず、暑すぎても、寒すぎても、睡眠に影響を与える可能性があります。
適切な温度は、個人や年齢、寝具の具合により幅がありますが、各々が涼しいと感じる温度に調整します。
寝る前に行う際は、湿度を呼吸や睡眠に快適な30-50%(#6)に保つことが理想的です。
(参考サイト #6.) https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/common-cold/in-depth/humidifiers/art-20048021
照明の明るさ
部屋の明かりは瞑想に集中できるように、間接照明、または、ろうそくの光など好みに合わせて柔らかい光を使用しましょう。
また、就寝前のことを考慮すると、睡眠のサイクルを調整するメラトニンは光によって分泌が抑制されるため、最小限の明かりに抑えるのが理想的です。
音楽
音楽が瞑想に影響を与えるかどうかの科学的研究の結果は、さまざまです。
音楽があったほうが深い瞑想状態に入れるという意見や、音楽があると呼吸に意識を集中できないという意見、また、水の音など自然の音なら集中できる、といったように、統一された見解がまだありません。
これはまた、睡眠と音楽に関する研究の結果も同様です。
しかし、音楽を聴くことで、ストレスホルモンとして知られるコルチゾールのレベルが低下する(#7)ことが報告されており、瞑想中に音楽がを聴くことがプラスの影響を与えると考えられます。
(参考文献 #7.) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21716581/
個人的に音楽があったほうがいいという場合には、第三者による特定のおすすめの音楽というよりも、自分が聴いてみて心地よいと感じる音楽を選択するといいかもしれません。
香り
瞑想に集中するため、またはリラックスするという目的でアロマセラピーを併用することができます。
好みであれば、お香、キャンドル、アロマオイルなどを用意しましょう。
寝る前の瞑想には、ラベンダーやカモミールの香りがおすすめです。
寝る前の瞑想のやり方
座って行う瞑想と、重心を感じる瞑想の2つを紹介します。
座って行う瞑想
神経の高まりを鎮め、リラックスした状態で深い眠りについていきます。
ポイントは呼吸を深めて長くすることです。
<やり方>
1. 楽な姿勢になる椅子に座る(横になってもOK)
2. 体に溜まった空気を外に吐ききる3 . 静かにゆっくりと呼吸する
吸い込んだ息が肺の上から下に広がるのを感じる
息を吸う時はお腹を膨らませ、吐く時はお腹を凹ませる
鼻から吸って、口からゆっくり深く吐く深呼吸を、30秒間、自分のペースで繰り返す
吸い込む時に5つ数える→5秒間、息を止める→5つ数えながら息を吐き出す
4. 全身で力の入っているところはないかをチェックする5. 再び、数を数えながら呼吸する
【実践】上記の瞑想を音声の誘導・リラックスミュージック付きで行う場合は、こちらのアプリをご活用ください。
↓
RELOOKアプリ>「瞑想」タブ>悩み別>睡眠&起床>熟睡呼吸をマスターして眠れる体質になる>Day1 「気持ちを落ち着ける呼吸を身につける」
RELOOKアプリについてはこちらを参照してみてください。
重心を感じる瞑想
途中で立ち上がり、最後はベッドに横になります。
左右の足の裏に重心を感じる瞑想です。
<やり方>
1. ベッドのふちに座る2. 目を閉じて、呼吸に意識を集中させる
3. ゆっくり立ち上がる
4. 両足の間は拳ひとつ分離し、地面に足がしっかり触れている感覚を確かめる(目は開けてもOK)5. 体の重心はどこにかかっているかを確認
右足の裏に重心をゆっくり移す
親指の付け根→小指の付け根→右足の裏の外側→右足の裏の内側
もう一度、右足の裏でぐるりと重心をうつす
6. 体の中心に重心を移す
7. 同様に左足に重心をうつし、左足の裏に重心をぐるりと移す
8. ゆっくり目を開けベッドに横になり、全身がベットに沈むのを感じる
【実践】上記の瞑想を音声の誘導・リラックスミュージック付きで行う場合は、こちらのアプリをご活用ください。
↓
RELOOKアプリ>「瞑想」タブ>悩み別>睡眠&起床>イメージ力を高めてイメージ力を願いを引き寄せる>Day1 「全身を観察して思考のループを止める」
寝ながらもできる瞑想のやり方
寝ながら全身の体の感覚を確かめていく瞑想、ボディスキャニングのやり方を説明します。
<やり方>
1. 仰向けに寝て、掌を上に向けて、腕を軽く開く2. 体の心地いいポジションを探す
3. 目を軽く閉じる、もしくは、軽く開けた状態
4. 呼吸に意識を集中させる
鼻から息を吸って、鼻もしくは口から息を吐き出す
5. 意識がそれることに気づいて、呼吸に意識を戻す
6. 意識を全身の各部位に向け、それぞれの部位の感覚を確かめる
左足の爪先→左足の裏→左足の甲→左足の下腿→左足の大腿、同じく右足の爪先→右足の裏→右足の甲→右足の下腿→右足の大腿→お尻→腰→肩→左腕→右腕→首→顔→頭
7. 体全体を意識して呼吸する
音声を聴きながらボディスキャンを行う場合は、こちらを参考にしてください。
↓
【参考】RELOOKアプリよりボディスキャニングを体験できます。
RELOOKアプリ>「瞑想」タブ>悩み別>睡眠&起床>ボディスキャンで緊張をといて熟睡する>Day1 体に意識を巡らせて脱力をイメージする
寝る前の瞑想におすすめのYouTube動画6選
寝る前の瞑想におすすめのYouTube動画を6つ紹介します。
短い時間から始めて、徐々に長い瞑想にチャレンジしてみましょう。
瞑想の方法、誘導瞑想の声、音楽など、自分に合っいるもの、心地よいと感じられるものを探しましょう。
1. メンタリストDaiGoの「脳を鍛える マインドフルネス瞑想のコツ」①入門編
マインドフルネス瞑想を推奨しているDaiGoさんによる、マインドフルネス瞑想の基本的なやり方を解説した動画です。
マインドフルネス瞑想のコツは、以下の3点です。
1. 姿勢をただす2. 呼吸をゆっくりにする
3. 注意のコントロール
瞑想の基本として、おさらいしましょう。
2. 【マインドフルネス瞑想】夜の5分間瞑想
寝る前にベッドの上で行える誘導瞑想です。
5分でできる呼吸に意識を向ける瞑想です。
3. 【10分 寝ながら 瞑想】穏やかに一日を終える|誘導瞑想|夜|寝る前
寝る前に思考や感情を手放し、リラックスしていく10分間の瞑想です。
4. 【誘導瞑想】幸せな気持ちで眠りにつく | 1日を手放す | 寝る前の瞑想 | ヨガニードラ | 1日をリセットする
日中に起きたことに対する反省や評価などはその日のうちに手放し、素晴らしい出来事を3つ思い出すことで感謝や幸せな気持ちを感じる、12分の瞑想です。
5. ボディスキャン瞑想 20分 マインドフルネス瞑想 吉田昌生
全身の感覚を確かめるように行う、ボディスキャニングの瞑想です。
6. 【マインドフルネス瞑想】夜の30分瞑想
慣れてきたら、30分の瞑想にチャレンジしてみましょう。
マインドフルネス瞑想&ヨガ講師が教える瞑想です。
<注意点>
寝る前の瞑想におすすめ、ということでYouTube動画を紹介しましたが、スマホやパソコンの画面から発せられるブルーライトは、睡眠のリズムをくずしてしまうことがあります。
特に、夜、ブルーライトを目にすることで、入眠に欠かせないメラトニンの分泌が抑制されてしまいます。(#8)
(参考資料 #8.) 西多 昌規. ブルーライトと睡眠障害. 診断と治療 vol. 103.no.10.2015. p107-110
スマホやパソコンを使用する時は、ブルーライトをカットするメガネや、スクリーンに貼るフィルムを使用するようにしましょう。
さいごに
座って行う瞑想、重心を感じる瞑想、寝たままでできる瞑想のやり方を紹介しました。
瞑想を行う時には、室内の温度や湿度、明かり、音楽や香りなど、心地よいと感じる環境を設定しましょう。
アプリやYouTubeの動画、瞑想方法など、あなたに合ったものをぜひ見つけてください。
※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。