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15分の瞑想で丸一日分の休暇と同じリフレッシュ効果が!?
毎日忙しく、「時間がない」が口癖のあなたに朗報です。
15分間の瞑想には丸1日の休暇に匹敵するリフレッシュ効果がある、という論文が発表されています。
(引用:日常生活における休暇の日と比較した15分の瞑想の相対的な影響:探索的分析)
オランダのユニバーシティカレッジフローニンゲンのクリストファー・メイ助教授は、瞑想と休暇における心の集中、ポジティブな感情、ネガティブな感情の影響を比較しました。
40人の学生被験者に、15分のオーディオガイドによる瞑想を非連続的に2週間実践してもらいました。
実験期間中、毎日、幸福・感情・注意力を評価したところ、瞑想を行った日は刺激などの否定的な感情のレベルが低く、感謝の気持ちなどの肯定的な感情のレベルが高いことがわかりました。
その後、被験者たちが休暇を取っている時期を体系的に追跡しました。
その結果、休暇中の1日の毎日、幸福・感情・注意力レベルが、瞑想中とすべて同じ結果であることがわかりました。
メイ助教授は「時間に追われている場合は、瞑想クッションに座ってください。もっと時間があれば、ビーチチェアに座ってください。」とアドバイスをしています。
(引用:Study: 15-minutes of meditation associated with similar effects as a day of vacation)
たった15分の瞑想で得られる効果はまだたくさんあります。
今回はその効果の説明と、瞑想初心者でも始めやすい、オススメのYouTube動画をご紹介します。
15分の瞑想で期待できる効果
集中力が上がる
カナダのブリティッシュコロンビア大学のキンバリーA.シェーナートライチェル氏は、公立校で、9歳前後の生徒99人を対象にした研究を行いました。
毎日瞑想を4ヶ月行った生徒グループと、そうでないグループとの算数の成績を比較したところ、瞑想を行ったグループでは集中度が向上。15%高いスコアを獲得したそうです。
さらに、瞑想を実施した生徒たちのほうが社会的な行動特性が24%高く見られ、攻撃性が24%低くなっていました。認知コントロール力、感情コントロール力、プラス思考、思いやり、ストレスレベルなど、すべてにおいて優れた数値が出ました。
心の健康に役立つ
2013年、209の研究、延べ被験者数1万2000人以上のデータを対象にメタ分析が行われました。
その結果、マインドフルネスは心理的な問題、特に不安、うつ、ストレスの減少に効果があるといってよいという研究報告がされています。
(引用:Mindfulness-based therapy: a comprehensive meta-analysis)
また、MRI(磁気共鳴画像診断装置)を使った研究では、マインドフルネスを続けた人は、脳の側頭頭頂接合部にある灰白質の密度が増加したという研究報告もあります。
(引用:Mindfulness practice leads to increases in regional brain gray matter density)
側頭頭頂接合部にある灰白質は自分と他人との区別をする、他者の感情を理解する、他者の表情を見て推測するなどの「心の理論」に関わる部分です。
この部分が損傷すると、道徳的判断に影響が出るそうです。
つまり、瞑想によって思いやりを育てることができることを示唆しています。
細胞の老化を防止する
老化は、私たちのDNAを格納している染色体の末端に付いている「テロメア」と呼ばれる部分の長さに関係することがわかっています。
このテロメアがすり減って短くなると、それ以上細胞は分裂できない、「老化」した細胞になります。
また、テロメアが短くなると組織の再生が困難になります。
そのため、心筋梗塞や脳梗塞、骨粗しょう症、糖尿病、再生不良性貧血といった病気になりやすくなります。
このテロメアが短くなるのを防ぐ「テロメラーゼ」という酵素が存在します。
この酵素が働くと、短くなったテロメアを伸長させる作用があります。
つまり、テロメラーゼという酵素の働きが良ければ、テロメアは短くなりにくく、結果的に老化を防ぐことができるそうです。
2011年に報告された精神神経内分泌学の専門誌『サイコニューロエンドクリノロジー』によると、米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校のエリッサ・エペル教授は、テロメラーゼの活動が、瞑想をした後で活発になることを見いだしました。
つまり、これは瞑想によって細胞の老化が防ぐことを示唆しています。
時間帯別!15分でできる瞑想のやり方
朝
寝起きは誰しも、頭と体がぼんやりするものですね。
1日をすっきりとした気分で始めるために朝瞑想を行いましょう。
オススメは、ヨガと瞑想を組み合わせた「マインドフルネスヨガ」です。
ヨガは、「動く瞑想」とも呼ばれ、インドの修行僧たちが行ってきたものです。
ヨガと聞くと「私は体が硬いから無理!」と思うかもしれませんが、ヨガの目的はポーズ(アーサナ)をとることではありません。
その本質は、動きと呼吸で心と体を繋ぎ、深い瞑想状態に入ることです。
つまり、ポーズの完成度はそれほど重要ではないのです。
マインドフルネスヨガの特徴は、動きながら常に「体のどこが、どんな風に伸びているのか」「気持ちがどう変化していくのか」を観察し続けることです。
その際、自分の全部をそのまま受け入れるようにしましょう。
「もっと伸ばさなきゃ」など思う必要はありません。
起きてすぐ布団やベッドの上で行うことができるヨガ動画をご紹介します。
スマホのアラームで起きている場合、アラームをとめてすぐに動画を再生すれば苦労せずヨガに入ることができます。
昼
お仕事中の休み時間を利用して瞑想を行いましょう。
頭がリセットされ、午後の集中度が変わってきます。
しかし、ランチの後だと、血液が消化活動に割り当てられ、脳の活動が沈静化しやすいため、眠くなってしまう場合があります。
そこで、食べる瞑想「マインドフルイーティング」をオススメします。
食べ物を口へ運ぶ前に、よく見て、よく観察します。
たとえそれが食べ慣れた食材でも、まるで初めてこの食べ物を食べるような気持ちで向き合いましょう。
香りや風味を良く味わい、舌触りも感じましょう。
食べ物がのどから胃に降りていく感覚を観察します。
「もっと早く食べたい」、「もっとたくさん口にいれたい」といった感情が起こってきたら、そのような感情もありのままに観察します。
ゆっくりと食事を味わうので少量で満足することができるため、副次的にダイエット効果も期待できます。
また、食材の味をしっかりと感じることができるので、いつもよりおいしく感じることができます。
詳しい説明の動画もありますのでぜひご覧ください。
寝る前
1日のストレスを癒し、心地よい眠りに付くためには、寝る前の瞑想を行うのが良いでしょう。
オススメは音楽を聴きながら行う「聴覚瞑想」です。
心地がよい音楽を聴くことには、2つの効果があると分かっています。
1つめがストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑えること、2つめが体をリラックスさせるセロトニアンやアセチルコリンといった神経伝達物質が脳に分泌されること。
また、副交感神経を優位にさせる音楽もあり、瞑想状態に入るためのツールとして有効な方法と言われています。
「疲れ過ぎでもう何もする元気がない」という日は、お布団の中でアプリを使った瞑想をするのもいいでしょう。イヤホンを付けて誘導に従うだけで、すぐにリラックスすることができます。
多く存在する瞑想アプリの中でも、relookを使ってみてください。音質がよいことに加え、プログラムの種類が豊富なため、その日の気分に合わせたものを選ぶことができます。
クリスタルボウルの音源などもありますよ。
そして、 布団の中でそのまま眠ってしまいましょう。
15分前後で見られる瞑想のおすすめYouTube動画5選
YouTubeは無料で楽しむことができるコンテンツです。
瞑想の指導者を見つけるのは難しいですが、ユーチューブならたくさんの動画があるので、自分と相性が良い動画を見つけることができます。
動画を見ながら瞑想を行うと、一人で行うよりも集中しやすくなります。
なぜなら、ガイダンスに従うだけでいいので、余分なことを考える必要がなくなるからです。
15分前後でオススメの動画をご紹介します。
①家事や仕事を効率化する、マインドフルネス瞑想15分 [瞑想初心者さんでも簡単] | Wellness To Go by Arisa
ヨガインストラクターArisaさんの誘導です。
3:12から瞑想がスタートします。
②15分 マインドフルネス瞑想|誘導マインドフルネス ココイマ
音楽だけでなく、映像も素敵なのでぼんやりと見ているだけでも癒されます。
③【SHIHO】心身が休まる15分間の五感瞑想総集編2
モデルのSHIHOさんが誘導する五感瞑想です。
1:15から瞑想がスタートします。
④A 15-Minute Meditation for Beginners
英語による誘導ですが、難しい単語は使っていないので問題なく使えると思います。
男性の低い声が、自然と心を落ち着かせてくれます。
⑤15 Minute Guided Meditation To Find Peace In Uncertain Times
こちらも英語によるガイドです。
170万回も再生されている動画です。
まとめ
1日たった15分の瞑想で様々な効果を得ることができることがわかりました。
瞑想で一番大切なのは、とにかく毎日続けることです。
習慣にしてしまえば、わざわざ「歯を磨こう」と思わなくても、自然と歯を磨くことができます。それと同じように、瞑想も毎日行うことができます。
そのために、ユーチューブやアプリを上手に利用していきましょう。
※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。