瞑想するといいらしいけれど・・・
じっと座って瞑想していると、眠くなってしまうこと、ありますよね。
なぜなら何もせずにじっとしているというのは、現代のわたしたちのライフスタイルとは真逆。
僧侶でもずっと座って瞑想し続けるのは眠くなるといいます。
しかし、歩きながらの瞑想したら、眠気は去り、瞑想に集中しやすく、より続けやすくます。
「瞑想はいい」という情報を知っていても、続けられる人はほんのひと握りの人なのが現状です。
幸い、瞑想のやり方はひと通りではありません。
この記事では、3つの歩行瞑想のやり方と5つの歩行瞑想の効果を解説します。
ぜひ、あなたに合った歩行瞑想をみつける参考にしてください。
目次
歩行瞑想とは?
2000年以上の歴史がある歩行瞑想。
物思いにふけりながら歩き続けるのも楽しいですが、歩行瞑想とはちょっと異なります。
歩行瞑想では、足の動き、感覚、体のバランス、足の位置を意識します。
歩くという動作が入りますが、何かに意識を集中させる、気づくという意味で、頭の中は、座って行う瞑想と同じです。
歩行瞑想のやり方
歩行瞑想のやり方は、指導者や背景、個人によって多少異なります。
そこで、3つのやり方を紹介します。
DaiGoさんの歩行瞑想
本を読むときや仕事をするときにも健康に気をつけて、ステッパーを使用しているというDaiGoさん。
パレオさんの協力のもと、多くの論文を調査のうえ、歩行瞑想を推奨されていて、ご本人も実践されているそうです。
【YouTube】年収8.1倍!最強の集中を作る歩行瞑想のススメ
<やり方>
・普段通りリラックスして呼吸する
・ゆっくり歩きながら左右の足の「床から離れる、足が前に出る、足が下りる、地面につく」という感覚に集中する
*さらに、日常的に行いやすいように簡略化する場合
↓↓↓
左右の足が「地面についた、離れた」という2つの感覚だけに集中する
ジョン・カバット・ジン氏の歩行瞑想
マサチューセッツ大学でマインドフルネス瞑想のプログラムを作成したジョン・カバット・ジン氏のすすめる歩行瞑想のやり方を紹介します。
<やり方>
・ゆっくり歩きながら、「片足のかかとで着地、片足のつま先が離れる、反対の足に体重がのる、反対の足が前に出る」という感覚に集中する
・10-15歩歩いたら立ち止まり、ひと呼吸→逆戻り
これを約10分間、繰り返していきます。
ティク・ナット・ハン師の歩行瞑想
現代を代表する仏教僧としてノーベル平和賞の候補にもなったティク・ナット・ハン師の歩行瞑想は、以下のように行います。
<やり方>(#1)
・息を吸って何歩進んだか、息を吐いて何歩進んだかを数えながら歩く
または
・呼吸のリズムに合わせて、心の中で「緑 色の 地球の 上を 歩く」などのように唱えながら歩く
(参考書籍#1. )ブッダの幸せの瞑想
歩行瞑想の5つの効果
ウォーキングのメリットと瞑想のメリットがかけ合わさった歩行瞑想には、以下のような効果が期待されます。
①不安やストレス、うつ病の軽減
2016年の研究によると、29人を対象に数日間、マインドフルネスの歩行瞑想を行ったところ、不安やストレスが減少し、うつ病が軽減しました。(#2)
(参考文献#2.) https://link.springer.com/article/10.1007/s12671-016-0550-8
関連記事:論文レポート:マインドフルネスによるストレス軽減効果
②血管が若返る
2型糖尿病の患者さん23名を対象に行った研究では、空腹時の血糖値の低下のほかに、動脈硬化の状態の改善がみられました。(#3)
(参考文献#3.) https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0965229916300346?via%3Dihub
③免疫機能の改善
歩行瞑想に慣れてきたら、自然の中で歩行瞑想するのがオススメです。
127の研究論文のレビューによると、森林浴には心身ともにメリットがあることが示唆されていて、そのひとつに免疫機能の改善が期待されています。(#4)
(参考文献#4.) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5580555/)
④生活の質の改善
2011年、ドイツの大学で74名に対して行われて研究では、マインドフルネスの歩行瞑想によってストレスの軽減とともに、生活の質の改善が認められたと報告されました。(#5)
(参考文献#5.) https://www.hindawi.com/journals/ecam/2013/489856/
⑤運動が楽しくなる
歩くのが面倒に感じる人や運動ぎらいな人にとっても、歩行瞑想なら楽しめるかもしれません。
10分間の歩行の間に、自分の体の感覚に判断を加えず注意を向けるようにしたところ、歩行中のポジティブな感情が増えることが示唆されました。(#6)
(参考文献#6.) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5841682/
歩行瞑想のポイント
歩行瞑想の感覚を深めるための2つのポイント
①歩き出す前の準備
歩き出す前に、歩行瞑想の準備をします。
両足の裏が、地面に触れいているのを感じてください。
体の力の入っているところはないか、痛みのあるところはないか、体の感覚に意識を向け、リラックスさせてから歩き出します。
②歩き終わった後の感情に気づく
歩行瞑想を終え足を止めたら、終わったときの感情に意識を向けましょう。
終わったときの感情を意識することによって、歩行瞑想をする前との変化を気ッと実感することができるはずです。
歩行瞑想を習慣にするための2つのポイント
①いつ、どこで歩行瞑想をするかを決める
新しい習慣を身につけるコツとして、いつ、どこでそれを行うか、まずは時間と場所を決めて設定しておくといいです。
早起きが苦手でなければ早朝に、もしくは夕食後やお風呂の後など、無理のない時間帯を設定しましょう。
慣れるまでは、室内で行ったほうが落ち着いてやりやすいです。
②アプリで誘導音声を聴きながらやり方を身につける
歩行瞑想に慣れないうちは、アプリの誘導音声を聴きながら行うと取り組みやすいです。
【参考】音声の誘導・リラックスミュージック付きの歩行瞑想
↓
RELOOLアプリ>「瞑想」タブ>「瞑想をはじめる」>「マインドフルネス」>「マインドフルネス瞑想基礎」>「Day5 歩く瞑想」
Relookアプリについてはこちらを参照してみてください。
歩行瞑想の注意点
①上手く歩行瞑想できているかは問題ではない
歩行瞑想中、ちゃんとできているかが気になってしまうかもしれません。
しかし、上手く歩行瞑想ができているかどうかと考え出したことに気づいたら、足の動き、感覚、体のバランス、足の位置に意識を戻しましょう。
②慣れるまでは室内で行う
足の感覚やバランスなどを確認しながら行っていくのは、最初はどうしてもゆっくりなペースになります。
そのため室内のほうが安心して安全な環境で行うことができます。
瞑想中に邪魔が入らず、最初のうちは少なくとも5歩ほど前後に歩けるスペースを確保しましょう。
さいごに
慣れるまでは、ゆっくりなペースで行う歩行瞑想。
しかし、一旦やり方を覚えてくると、散歩や通勤の時にも取り組めるようになり、日常のなかでできてしまうのが歩行瞑想の魅力です。
歩行瞑想には、身体やメンタルにとって有益な効果をもたらす可能性が見出されています。
ぜひ、チャレンジしてみてください。
※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。