今やウェアラブル ウォッチを活用してダイエットやランニングなどによりカロリー消費を管理することは幅広くユーザー活用をされております。けれど、マインドフルネスにおいてはまだ未開拓な分野とも言えるでしょう。

 

「原理編」「活用編」において自分の身体を客観的に捉えて、自分自身の行動や習慣を主体的にコントロールするトレーニングアイテムとしてご説明をさせていただきました。その点ではダイエットやスポーツなどの利用方法とあまり大きく変わらないでしょう。違いがあるすれば「意識」にフォーカスしているという点です。

 

さらに今回はフィジカルな面において、ウェアラブル ウォッチの生理データを通じてマインドフルネスとしてどの様な視点を持って活用できるか?についてお伝えさせていただきます。

 

 

メンタルコーチングとトレーニングとしてのウェアラブル ウォッチの活用


上の図は私が長年武道やヨガを通じて学んできたことや、体験、経験を通じて知った事を図に落とし込んだものです。したがって、多くのデータ検証や科学的検証を経たものではない事を先にお伝えしておきます。けれど、武道やヨガなどの先人の知恵は長い歴史の中で淘汰され、またそれを継承する中で個人とは言え、自分の身体を通じて生命と賭した経験によって得たことはある意味、「真理」に近いものかもしれません。 

けれど、それを判断するのは読者の方々であることは言うまでもありませんが。

 

さて、この図は何を意味するのか?と言うと武道やヨガなどの根底にある東洋医学や思想に必ず出てくる「陰陽」ですが、それを私が現代用語として「自律神経」と言う言葉の視点から落とし込んだものです。

 

年齢や性別という人間個体の性質とそれを取り巻く環境の相関関係図です。この図の説明をすると長くなりますので、これに関しては別の原稿で説明する機会を作りたいと思います。

今回紹介する私のメンタルコーチングとトレーニングは、この表を基にウェアラブル ウォッチから得られるデータに基づいた自律神経を調整する方法であることを先にお伝えいたします。

 

 

座禅や瞑想での活用

座禅や瞑想でウェアラブル ウォッチを活用する場合は「心拍数」「血圧」に注目します。鎮静状態では心拍数は通常の活動時より少なくなります。また血圧も低くなります。

他に「体温」の変化も捉えると良いのですが、体温の場合はセンサーが高度なものが必要でしょう。現在のウェアラブルのセンサーでは体表体温を計測するため外気温に左右されやすく、参考にしにくいと考えております。けれど、センサーが発達すれば活用はできるでしょう。

それではまず「心拍数」と「血圧」の両者を比較検証するために、座禅や瞑想に入る前にこれらの値を計測します。そして、座禅や瞑想の後に再度「心拍数」と「血圧」を計測してみます。もし座禅や瞑想の後に心拍数と血圧が下がっていれば、座禅や瞑想に深く入り込んだ状態を確認することができるでしょう。あまり変わっていない場合は座禅や瞑想に集中できていないことがうかがえるでしょう。

  

例えばフィットネスでウェアラブルを使用する場合は心拍数を上げる様に運動を行い、適宜その状況を確認しますが、座禅や瞑想などでは心拍数を下げて安定させます。この時には血圧を下げて安定させるという鎮静方面の数字に注目します。

 

人間は心拍数や血圧を上げる事に関しては緊張を含めて意図してスイッチを入れやすいのですが、リラックスして鎮静させる方面のスッチングは不得意な性質があります。

そこでどのようにしたら座禅や瞑想で心拍数や血圧を安定して下げられるのでしょうか?これを知るために、ウェアラブル ウォッチを用いることで効率の良いトレーニングが可能になるでしょう。


 

ヨガなどの調身での活用

私の考えでは、座禅や瞑想に入る前には必ず「調身:身体を整える」が必要だと思っております。理由としては身体が整わない状態で心の安定は難しいということです。例えば、風邪をひいていたり、腰が痛い、肩が痛いなどではその事がどうしても気になってしまうからです。

 

また身体が歪んだ状態では呼吸も安定しません。深い呼吸をすることで副交感神経を優位にしますが、そのためには必ず身体を整える必要があるのです。例えば、病気の人は呼吸が早く浅くなります。これには理由があり、病気にかかり細菌やウィルスが体内に入り込んでいる場合には、どうしても体温を上げる必要があるために呼吸を早くするという指令を脳が自律神経に働きかけて交感神経を刺激するからです。

 

そこで、普段から身体を整えておく事が瞑想や座禅の基本なのです。この基本無くして瞑想もマインドフルネスもあり得ないというのが私の考えです。

 

東洋的な調身法は基礎体温を上げること、胃腸の働きをよくすることが基本です。ヨガや漢方なども、基本的には基礎体温や胃腸の働きを良くするために自律神経系、つまりは交感神経と副交感神経のバランスを整える調整法と言っても良いでしょう。つまり陰陽のバランスを整える事です。

 

現在、ストレスや不眠、精神的な安定のために副交感神経の働きを高めるリラックス系に注目が集められておりますが、大切な事は緊張とリラックス。興奮と鎮静の両方のバランスなのです。

 

スポーツやフィットネス、ダイエットなどは、いかに興奮するかに注目しますが、ヨガや東洋的な調身はいかに安定させるか、つまりホメオスタシス(恒常性=一定の状態)に注目してバランスを整えます。

 

ヨガや東洋的調身法はそれを行う事で、身体がリラックスした状態へ導きます。つまり、「基礎体温」が上がり、血圧も最高血圧と最低血圧の幅が広がり、心拍数も「安定と高まりの幅」が大きくなります。

 

そこで、ウェアラブル ウォッチでヨガや東洋的調身法を行う前と後で「体温」「心拍数」「血圧」を測定し、行った後は「体温」が上がり、血圧は最高血圧と最低血圧の幅が広がること、そして「心拍数」は鎮静時よりやや高めで安定すること、を確認します。

 

この数値に関しては、どれくらいが良いかという基準はあえて説明いたしません。あくまでも「自分にとって」を基準で考えてください。おおよその基準値内、もしくは大きく変わる事以外は自分の個性として考え、注目することは「変化」です。

 

ヨガや東洋的調身法の後に「体温」の向上、「心拍数」が鎮静時よりやや高めの安定、血圧の幅が広がる事、これが見られない場合は方法が間違っているか、調整が足りないという事だと考えていただければ良いでしょう。

 

基本的なヨガや東洋的調身法に関しては簡単に誰でも出来る方法に関しましては、機会を見て書きたいと考えております。

 

大切なポイントは、ヨガや東洋的調身法によって身体が若干アクティブに働くことです。交感神経を少しだけ優位に働かせて、その後に瞑想や座禅による「調息・調心」を行って副交感神経の活動を引き上げることが大切です。

 

つまり、交感神経(緊張系統)と副交感神経(鎮静系統)の活動幅を広げてバランスを取るのですが、この時にウェアラブル ウォッチとアプリケーションで心拍数と血圧を確認しながらトレーニングを進めることで、より効果的になるでしょう。

 

イライラ

精神的にイライラが続くという場合では、心拍数や血圧、体温はどうでしょうか?ウェラブル ウォッチを通じて確認をしてみてください。血圧は高めで心拍数は上昇し、体温はどうでしょうか?上がっているか?下がっているか?

 

イライラした時などは瞑想や座禅をしてみる。呼吸を長く吐いて整える。身体を動かしてみる。お茶で一息入れる。好きな音楽を聴いてみる。心拍数や血圧が安定する方法を思ついたらやってみてください。

 

アプリを聴きながら、え心拍数や血圧が安定すると心も穏やかになって身体がポカポカし始めるでしょう。

 

イライラを抑えようと瞑想や座禅をしても眼に見える目安が分からないと余計にイライラします。そんな時に意識を心拍数や血圧、体温などに向けることでモチベーションがふつふつと湧いてくるでしょう。

 

フィットネスやダイエットでカロリー消費計算をアプリが指し示す様に、心や身体の本質的な安定を目指す目安として活用する事ができるでしょう。


 

まとめ

ウェアラブル ウォッチを使って自分の体調に意識を向けることで、安定した心身を得る「ツール」として活用できることは、まだまだあります。これまでのフィットネスやダイエットなどでの利用と同じ様にマンドフルネスでも活用や応用ができることはご理解いただけたでしょうか。今日は何歩歩いたか?何カロリー消費したか?という使い方から、こんな事をしたら血圧が安定した。瞑想に深く入ることができたので、心拍数が緩やかに安定けし、血圧は最高血圧と最低血圧の幅が広がり、基礎体温が上昇した。そして精神的にも安らかに安定したなどの自分を励ますコーチとしてウェアラブル ウォッチとアプリは活躍してくれるでしょう。

 自分のバイタルをコントロールすることでメンタルの安定やストレスの逃し方を自分でトレーニングするツールとしてウェアラブル ウォッチを活用することをおすすめします。

 みなさんもぜひ、トライして自分流の使い方を研究してみてください。

 


※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。