瞑想は効果がない?!


瞑想には様々な効果があるとして、世間を賑わせています。

一方で科学の分野では、瞑想に対して懐疑的な人と可能性を見出している人が共存しており、科学的根拠を上回る売り出し方をしている瞑想ビジネスに対して警鐘が鳴らされる傍ら、日々地道な研究が続けられています。

瞑想研究を代表するところで言うと、ハーバード大学医学部の心身医学の教授であるベンソン博士は、

「私たちは容赦なく投薬、手術に依存してきた」
と、瞑想など脳を落ち着かせるテクニックを、医療の「第三の柱」として確立しようと熱く語られています。(#1)

(参考#1: https://www.wbur.org/commonhealth/2018/04/06/harvard-study-relax-genes)


その熱い想いとは裏腹に、冷静で落ち着いた柔らかい物腰のベンソン博士の姿は、瞑想研究に対する誇りと確信をお持ちの安定感を感じさせられます。

このように、西洋の国々の方から現代の医学(西洋医学)と「東洋の精神性と癒し」への統合に向けた動きが、数十年前から見受けられています。

というわけで、この記事では、瞑想の可能性として、マインドフルネス瞑想の効果についての科学的な根拠とそのやり方、また効果を最大限に発揮するためのポイントを中心に解説します。


瞑想の代表的な5つの効果とその科学的根拠

マインドフルネス瞑想を中心に、エビデンスの比較的多い瞑想の効果を5つピックアップして、それぞれの科学的根拠を紹介します。

血圧の低下
血圧の低下

瞑想によって血圧を下げられるのか、多数の研究がなされています。

そして、血圧に対する瞑想の有効性を評価するために行われた複数の研究報告のうち、研究モデルとして一定の条件を満たしたものに絞った上で、調査が行われました。

それらの瞑想には、マントラを唱える瞑想とマインドフルネス瞑想を含んでいます。

結果として、60才以上の被験者において、瞑想は血圧を下げるのに顕著な役割を果たしていることがわかり、薬物療法の代替手段となりうることが示されました。(#2)

(参考#2. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28384004/)

うつ病と不安神経症の軽減
うつ病軽減

マインドフルネス瞑想がうつ病の軽減に効果的であるのか、多数の研究がなされています。

複数の調査の結果によると、マインドフルネス瞑想は、補助的な療法としてうつ病の軽減に前向きな効果があり、その効果が6ヶ月以上続く可能性があることが示唆されています。

同様に、不安神経症に対するマインドフルネス瞑想の効果の研究によると、その効果は顕著だとは言いきれませんが、明らかに悪影響を与えるものではなく、アメリカではうつ病や不安神経症の補助的な療法として、マインドフルネス瞑想の使用が正当化されています。(#3)

(参考#3. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31083878/)


不眠症の改善
不眠症改善

マインドフルネス瞑想は不眠症に対して有効なのか、合計330人を対象に、一定の研究モデルの条件を満たした6つの試験が行われました。

その調査の中では不眠症の改善を評価するためにいくつかの指標が設けられ、そのうち、マインドフルネス瞑想によって、起きている間の総時間と睡眠の質が大幅に改善することが明らかにされました。

また、総睡眠時間など一部の指標に対しては、有意な影響を与えるには至らず、総じてマインドフルネス瞑想は、薬物治療の補助的な手段として役立つと結論づけられています。(#4.)

(参考#4. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27663102/)


慢性的な痛みの軽減
腰痛軽減

成人の慢性的な痛みの軽減に対してマインドフルネス瞑想は有効的なのか、一定の研究モデルの条件を満たした38件の研究報告について、調査が行われました。

その結果、マインドフルネス瞑想は痛みのわずかな減少に関わっていることがわかりましたが、その有効性は決定的ではなく、エビデンスとしては不十分であると評価されています。

そして、さらに厳密で大規模な研究の必要性が求められています。(#5)

(参考#5. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27658913/)


共感や思いやりを生む
思いやり

共感や思いやりの気持ちと行動に対して瞑想は、どの程度の影響を与えるか、瞑想を含む同質の研究26件、被験者1714人の分析結果が、2018年に発表されました。

健康な成人がグループ形式で8-12週間に渡って、思いやりの瞑想、もしくは愛情深い瞑想を行ったことで、小から中程度の効果があったと報告されています。(#6)

(参考#6. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30100929/)

以上、複数の研究結果をもとに検証されている瞑想の効果と、その科学的根拠の紹介でした。

その他のよく知られている瞑想の効果については、こちらの記事で解説しています。
↓↓↓

「瞑想の簡単なやり方を5分で解説!初心者でもできるお手軽瞑想法」


科学的根拠のあるマインドフルネス瞑想とは?


mindfulness

マインドフルネス瞑想とは、マインドフルネスであるための瞑想です。

マインドフルネスとは?

8週間のプログラム、マインドフルネスストレス低減法を作成したジョン・カバット・ジン博士の定義によると、マインドフルネスとは「今の瞬間に判断をせず、意図的に注意を払うことで生じる気づき」です。

マインドフルネス瞑想とは

つまり、マインドフルネス瞑想とは、今の瞬間に判断をせず、意図的に注意を払うことで生じる、気づくための瞑想です。

心を無にしようとしたり、強くなろうとして今の心の状態を意識的に変えようと頑張るものではありません。

椅子に座って行うのもよし、床に座って足を組んで行うもよし、あなたが心地よいかどうかにマインドフルに気づくことから始まります。

瞑想中、呼吸に意識を向けるようにしようとしたところで、なかなか集中できず、他のことを考え出してしまうのが人間の性です。

このような集中できずに気がそれてしまうことを良くない、好ましくないなどと判断せず、そのまま気づき、受け入れ、また呼吸に意識を戻す、というようなことを繰り返し行う脳のトレーニングといえます。


今ここ

さらにマインドフルネス瞑想は、もともと医療現場で使用されることを目的に開発されたもので、他の瞑想よりも比較的積極的な研究が行われ、科学的根拠が蓄積しています

特に、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)の出現によって瞑想による短期間での脳の変化を捉えることが可能となり、エビデンスの蓄積が加速化しました。

脳の機能自体、いまだ全てが科学で解明されているわけではありませんが、既に知られている脳の役割をもとに瞑想で変化する脳の部位を確認でき、その効果が推測しやすくなりました。

マインドフルネス瞑想による脳の変化については、こちらの記事にまとめていますので、ご覧ください。
↓↓↓
瞑想で脳が変化する?医学博士が脳への好影響や実際の瞑想法を解説 


マインドフルネス瞑想の特徴
キャンドル

もともとブッダの教えをもとに、宗教色を除いて生み出された瞑想法であって、その特徴に注目すると2つの瞑想法の要素が含まれていることが分かります。

ひとつは、サマタ瞑想の特徴です。

呼吸に意識を向けるなど、意識の焦点を1点に集めるというのが特徴です。

そしてもう一つは、ヴィパッサナー瞑想の特徴です。

瞑想中に浮かんできた思考や感情など、ありのままに観察するというのが特徴です。 


マインドフルネス瞑想のやり方
リラックス

マインドフルネス瞑想のやり方をステップごとに解説します。


ステップ1. 楽な姿勢を探す

瞑想に集中できる楽な姿勢をとっていきます。

お尻の下にクッションを敷き床の上に足を組んで座ってもいいですし、ソファや椅子に座って行うこともできます。

途中で辛くなったら姿勢を変えても大丈夫です。

リラックスできる楽な姿勢でいられることが大切です。


ステップ2. 体をリラックスさせる

目を閉じ、足、肩、掌、眉間、口元など、全身で力が入っているところがないかを確かめていきます。

ステップ3. 呼吸を整える

ゆっくり呼吸をし、呼吸を整えていきます。

ステップ4. 瞑想

瞑想に入っていきます。

やり方が以下のようなものがあります。

①一つのものに意識を集中させる

呼吸
前述したサマタ瞑想のように、一つのものに意識を向け、集中させます。

・呼吸に集中する瞑想

呼吸をする時の空気の流れに意識を集中させます。

吐く息、吸う息の空気の流れや、それに伴うお腹の凹みや膨らみの変化に意識を向けます。

さらに注意深く、鼻先から空気が入って気道を通り、肺が膨らむのを感じ、身体中に酸素が行き渡るのを感じます。

そして、身体中から肺、気道を通って、鼻先から空気が外に出ていくのを感じます。

誘導音声に従って瞑想を行う場合は、こちらより
↓↓↓
RELOOKアプリ<「瞑想」タブ < 「悩み別」 < 「マインドフルネス」 <「マインドフルネス瞑想基礎」 <「Day2 呼吸のマインドフルネス」

・体の感覚に集中する瞑想

横になった状態で、足の爪先から頭のてっぺんまで順番に感覚をスキャンしていきます(ボディスキャン)。

体の各部位でどんな感じがするのか。また、何も感じない時には、何も感じないことを感じていきます。

手順については、イラスト付きでこちらの記事で解説しています。
↓↓↓
瞑想の仕方を解説!寝ながらでもできる瞑想で身体と心を整える


誘導音声に従って瞑想を行う場合は、こちらより
↓↓↓
RELOOKアプリ>「瞑想」タブ>悩み別>睡眠&起床>ボディスキャンで緊張をといて熟睡する>Day1 体に意識を巡らせて脱力をイメージする

・食べることに集中する瞑想

食べる時に瞑想を行うこともできます。

食べ物が目の前にある状態で、目から入ってくる情報や香り、食べ物をお箸で掴んだ時の感覚、口の中に食べ物を入れた時の感触や温度や味、噛んでみた時の歯応えや味、口の中から広がる香り、喉越し、食道を通っていく感覚を想像してみてください。

このように動作一つずつに対して五感で感じとるように、意識を集中させます。

記事「瞑想で脳が変化する?医学博士が脳への好影響や実際の瞑想方を解説」内の「食べる瞑想」の項目で詳しいやり方を解説しています。

また、誘導音声に従って食べる瞑想を行う場合は、こちらより
↓↓↓
Relookアプリ>「瞑想」タブ>「悩み別」>「カラダ」>「健康的なカラダになる」>「ダイエットが楽になる食べる瞑想」

・歩くことに意識を集中する瞑想
歩く瞑想

じっと座って行う瞑想や横になって行う瞑想に慣れてきたら、歩きながら行う瞑想がやりやすくなるかもしれません。

5-6歩直線で歩けるほどの場所を確保して、小股で10-15歩、足の裏の感覚と体の重心を感じながら、ゆっくりとしたペースで歩きます。

私たちが普段無意識に動かしている足の動きを注意深く観察します。

慣れるまでは安心して集中できるように、室内で行うことをお勧めします。

詳しい手順はこちらの記事で解説しています。
↓↓↓
歩行瞑想のやり方や効果を解説【DaiGo実践の歩行瞑想をマスター】


②ありのままを観察する
ありのまま

「ありのままを観察する」ことは、一つのものに集中することにも通ずることですが、瞑想中は批判的になったり、白黒や善悪の判断をしようとせずに、事実をそのままの状態で観察していきます。

一つのものに集中している時に何か考え事をしだしたら、「考え事をしだした」という事実をそのまま受け入れ、ただ観察するという感じです。

とくに瞑想中に気がそれたからといって、そのことを悪く思う必要はありません。ただ、考え事をした、という事実があるだけです。

それでも「集中できなかった」と落ち込んでしまうことがあったら、「集中できなかったと落ち込んでいる自分」に気づくことが、ありのままを観察していることになります。

このようにして、「今」の瞬間に意識を戻し、「今」に居続けるようにします。


ステップ5. ゆっくり目を開ける

外の光を感じながらゆっくり目を開け、手指や体を軽く動かし、瞑想を終了します。



マインドフルネス瞑想を実践する際のポイント

「マインドフルネス瞑想を実践する際のポイント」では、科学的な観点から効果を最大限発揮するためのポイントを解説します。

繰り返し行う

マインドフルネス瞑想の「意識がそれたら、気づいても元の対象に意識を戻す」という作業は、筋トレのようなもので、繰り返しの練習によって意識を戻す力が鍛えられます。

そのため瞑想の効果を最大限に発揮するには、瞑想を繰り返し行う習慣化が必要になってきます。

習慣化するためには以下のような工夫をすることができます。


①習慣の形成には約10週間かかることを前もって知っておく

物事の習慣化には21日かかるという話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは形成外科の手術を受けた患者さんが、新しい外見に心理的に慣れるまでに21日要したという事例からきていると言われています。

しかしより詳しい調査によると、自動的に行動を起こすようになるまでには、約66日かかると言われています。(#7)

(参考#7. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ejsp.674?casa_token=AH-WR6kxKVMAAAAA%3AhhQEGgiFfl8YLJJFDqZUV4mpg8T-mSs0DUHACa197_47i085sQuRe2iyTBA8HhkHpAAtl2a8WuuS7urL)

急がず、じっくり取り組みます。

とはいえ、いきなりハードルが高いと、なかなか行動に移せません。

そこで、

②短時間から始める

初めから難しいチャレンジをするよりも、ハードルを下げてコントロールしやすい目標を設定します。(#8)

(参考#8. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3505409/#b22)

アメリカの研究では、マインドフルネス瞑想1回5分間を1週間続けることで、ストレスが減る可能性があると報告されたものがあり、励みになります。(#9)

(参考#9.  https://www.semanticscholar.org/paper/Effects-of-Five-Minute-Mindfulness-Meditation-on-Lam-Sterling/7a7529a9e6401679016ab78f398eaaf4487aff84


③瞑想を行う時間と場所を決めておく

人間は、同じ工程で同じ行動を繰り返す傾向があります。(#10)

(参考#10. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26361052/)

この特性に沿って、同じ時間に同じ場所で瞑想を行うというように、単純化することで新しい習慣が身につきやすくなると考えられます。

しかし、続けていくうちに飽きてしまうことがあります。

屋外で感覚を刺激することは特に有益

スウェーデンの大学の研究によると、従来(室内で)のマインドフルネス瞑想の練習を始めた最初の頃は集中力を保ちやすいのですが、回を重ねるにつれて集中力が落ち、集中力を保つための努力が必要になってくることが分かりました。

それと比較して、庭先など自然環境の中で行う瞑想は、集中力の回復が容易であったと報告しています。(#11)

(参考 #11. https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1053810017303690?via%3Dihub)

瞑想中にマインドフルに気づくためには、子供のような好奇心をいつも持って臨むことが必要です。

一定のやり方に飽きてきたら、好奇心を保つ工夫が瞑想を長期間続けるために役立つと推測されます。


眠気が襲ってきたら

瞑想を行う際に立ちはだかる問題として、眠気が襲ってくるということがあります。

①目を開ける

その場合は、閉じていた目を開き、目線は下向きで特に何にも焦点を合わせないような状態にします。

②立って瞑想する

それでも眠い場合は、立ち上がって立ったまま(目は開けた状態で)瞑想することを考えます。

上手くできないことがあっても許し、途中で中断することがあっても許し、完璧を目指さずに取り組みます。

達成しようとしない

マインドフルネス瞑想の効果を最大限に発揮するためには、逆説的ですが、目的を達成しようとしないことです。

達成しようという気持ちが執着を生みます。執着を手放し、今目の前にあることに意識を向けマインドフルであることを心がけます。


まとめ

マインドフルネス瞑想の効果について、研究が日々積み重ねられ、欧米を中心に臨床の中で補完的な手段として使用されるようになりました。

その具体的な科学的根拠に基づく、5つの効果について解説しました。

また、マインドフルネス瞑想は座って行う瞑想だけではありません。複数のやり方を紹介しました。

瞑想の効果を最大限に発揮するためのポイントをぜひ、参考にしてください。

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※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。