瞑想で集中力が上がる?

勉強をしていても「なかなか集中力が続かない」と悩んでいませんか?集中するまでに時間がかかると、時間を無駄にしているような気持ちになりますよね。試験や試合など、大事な場面で最大限の力を発揮するためにも、集中力は欠かせません。「集中力をうまくコントロールできたらいいのに…」と、考える方は少なくないはずです。

そんな悩みを抱えているなら瞑想にチャレンジしてみましょう。瞑想を続けると、集中力が上がると言われています。たった15分程度の瞑想でも効果があるのです。

集中力は4つの要素に分けられます。継続的集中力選択的集中力実行集中力、そして切り替え能力です。

特定のものに集中するのが「継続的集中力」です。「選択的集中力」は取り入れた情報から価値のあるものを選択し注意します。いくつかのものに均等に集中力を分散させるのが「実行集中力」です。「切り替え能力」は、複数ある課題の移行をスムーズに行う集中力です。4種類の集中力は前頭葉視床、前頭頂皮質、前帯状皮質、前頭前野の4つの部位に分けられ、それぞれ別の部位が関係しています。

脳科学の進歩によって、マインドフルネス瞑想を行うとこれら4つの部位が同時に活性化されることが分かりました。そのため瞑想を続けていると、集中力が向上するのです。

瞑想は坐禅を組み、長い時間拘束されて大変そうなイメージをお持ちかもしれません。けれど瞑想は世界中で行われており、誰でも簡単に始められて有益で実用的な習慣なのです。瞑想によって脳を活性化し、集中力アップを目指しましょう。やる気がなくダラダラと勉強していても頭には入ってきませんよね。効率良く勉強するためにも瞑想はおすすめです。


実際の瞑想のやり方

今すぐに始められるマインドフルネス瞑想をご紹介します。勉強の休憩時間や、息抜きのタイミングで行ってみましょう。難しく考えず試してみるのがおすすめです。最初から頑張りすぎないようにできる範囲で始めましょう。

椅子に座りながらできる瞑想法なので、自宅や学校、塾など、気が向いたときや集中したいときに実践してくださいね。瞑想は評価したり、誰かと比べたりせずに行うことが大事なポイントです。

<やり方>
  1.椅子に座ったまま、姿勢を正しましょう。身体の力は抜いて、手は太ももの上に置きます。

  2.目を閉じた方が行いやすい場合は軽く閉じてください。

  3.吐く息と吸う息に意識を向けて、お腹の動きを感じながら、ゆっくり呼吸をします。

  4.常に呼吸を観察します。他のことを考えそうになっても、意識を呼吸に戻しましょう。

  5.悩み事や考え事が浮かんできても、呼吸にだけ集中することを繰り返します。


瞑想の手順はシンプルですが、丁寧に行いましょう。呼吸に意識を向け続けることで「今、この瞬間」を感じることができるようになります。過去の後悔や、未来の不安にとらわれずに「今」だけを見つめるのです。

このマインドフルネス瞑想を毎日15分間行ってください。1週間続けてみて、どのような変化があったのか、身体と心の動きを観察してみましょう。その際にも自分自身をジャッジせずに、ありのままの自分を受け入れることが大切ですよ。


集中力だけじゃない!瞑想がもたらす3つの効果

瞑想の効果は多岐にわたります。続けていると、今より幸せを感じたり、気持ちが楽になれたりするはずです。瞑想の効果は集中力を高めるだけではありません。瞑想で得られる主な3つの効果をお伝えします。

①ストレスが減る
   

瞑想で得られる効果のひとつにストレス軽減があります。私たちはさまざまな刺激によってストレスを日々感じてしまいますが、発散できずに溜め込んでいる場合も多いはずです。ストレスで身体に不調が出ることもあり、軽視するのはよくありません。深いリラクゼーション効果を得られる瞑想は、そんなストレスも減らしてくれるのです。

マインドフルネス瞑想法を始めたジョンカバット・ジン教授は、瞑想は「注意集中力」を高めるトレーニングであると著書の中で語っています。注意集中力がアップすることで、リラクゼーションや穏やかさ、洞察力が得られるのです。心が安定すると心身ともに癒されて、ストレスのある状態や、恐怖心などに襲われる状況においても、問題を解決するエネルギーを使うことができるようになります。(参考:ジョン・カバットジン(著)Jon Kabat-Zinn(著,原著),春木豊(翻訳).(2007)マインドフルネスストレス低減法)

②ポジティブでいられる

気持ちを切り替えられる力は、学習においても必要です。「試験で思うような結果を出せなかった」「成績が下がってしまった」そんなときは、とても悔しくて悲しい気持ちになりますよね。「なぜもっと頑張れなかったのだろう」と自分を責めてしまうかもしれません。

けれどその感情をずっと抱えて後悔していても、状況は好転するわけではなく、気持ちを切り替えて次の目標に向けて頑張る方が建設的です。

瞑想を続けていると自分の思考の癖に気付くようになるため、ネガティブな気持ちに引っ張られることが少なくなり、ポジティブでいられます。「今、この瞬間」にフォーカスすることで、過去の後悔にとらわれることがなくなるのです。過去の出来事を悲観的に捉えても状況の改善は見込めず、気持ちも沈み悪循環に陥ります。瞑想を行うと、そのような負のループから抜け出せるようになり、前向きな捉え方ができるようになるでしょう。

③睡眠の質が上がる

緊張や不安な気持ちがあると、寝付きが悪くなりまよね。瞑想はそんな睡眠の悩みにも効果があります。疲れているのに眠れないときは、ベッドに入る前に瞑想を行ってみましょう。研究でも睡眠と瞑想の関係が明らかにされています。

アメリカで行われた研究で、瞑想が睡眠にプラスの影響を与えていると結論付けられたのです。実験は2日間にわたって、20〜45歳の男女38人で行われました。マインドフルネス瞑想を実践した被験者たちは、心臓の動きを測定され、感情の状態に関する質問に数回答えます。その結果、感情の安定性が向上、感情と行動の自己評価がアップ、睡眠前の覚醒が低下したことが分かったのです。(参考:Better Living through Mindfulness U STUDY CONNECTS TRAITS OF MINDFULNESS TO EMOTIONAL WELL-BEING

また瞑想では深い呼吸を行うので、副交感神経が活発になりリラックス状態に入りやすくなります。そのため瞑想は睡眠に良い影響を与えていると考えられているのです。


瞑想をしているとき、脳はどうなっているのか?

ただ集中して呼吸を行っているだけだなのに、瞑想は脳にまで影響を与えているんです。瞑想が脳にどのような変化をもたらしているのか気になりますよね。

私たちの記憶や、空間学習能力に関わる「海馬」と呼ばれる脳の器官があります。海馬は傷つきやすい性質を持っており、とてもデリケートです。海馬では情報の処理が行われ、日常の出来事や、勉強した内容などが一時的に記憶されます。極端なストレスや恐怖によってうつ病やPTSDなどになると、海馬はダメージを受けて、萎縮してしまうのです。

瞑想にはそんな海馬を回復させる力があることが明らかになりました。瞑想を続けると萎縮した海馬が増大したのです。うつ病やPTSDのクライアントにも、瞑想が効果を発揮することが分かりました。脳の構造まで変えてしまう瞑想ですが、今後はさらに医療現場での活用も期待されています。


さいごに

集中力をうまくコントロールできるだけでなく、内面から変化を与えてくれる瞑想は毎日に取り入れたい習慣です。ストレス解消や、ポジティブ思考ができれば、明るく前向きに過ごせるようになり、あなたの自信にも繋がりますよ。

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※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。

参考文献
ジョン・カバットジン(著)Jon Kabat-Zinn(著,原著),春木豊(翻訳).(2007)マインドフルネスストレス低減法