充実した夜を過ごすための瞑想


ぐっすり眠って、気持ちのいい朝を迎えたい。

でも、今日のうちにアレもやりたいし、コレもやりたい。

そのためなら、多少の夜更かしは我慢するしかないか。

そう思っていたけど、アレもできず、コレもできないまま、もうこんな時間!!

何かやろうと思っていても、なぜかいつも時間が足りない。

 

あなたには、そんな夜を過ごした経験がありませんか?


仕事や家事、育児で、誰にとっても日中は忙しいものです。
だからこそ、眠る前に一日の疲れを癒したり、趣味を楽しんだりしたいですよね。

英会話や資格の学習など、スキルアップの目標を持っている場合もあるでしょう。


でも、時間は有限です。そして、夜のフリータイムは特に短く貴重なものです。

だから、やらなくていいことに時間を使う余裕はありません。


見るつもりのなかったテレビや動画を見たり、

目的もなくネットやSNSをチェックしたり。

そんな「意図せず消費している時間」を減らし、もっと充実した夜を過ごしませんか?

1日の終わりをリラックスした気持ちで締めくくり、朝の目覚めを気持ちよく迎えましょう。


その手段として、瞑想をオススメします。
瞑想は、頭の切り替えにとても有効です。

そして、頭の切り替えが、時間の有効活用、リラックスした入眠を助けてくれます。


そこで、本記事では、いつ・どのように・どんな瞑想をするのがいいかをご紹介します。

 あなたにとってぴったりな方法を見つけてください。

 

マインドフルネス瞑想とは


Googleには、マインドフルネスをベースにした研修プログラムがあります。

Search Inside Yourrelf(通称SIY)という名称で、とても有名です。

Googleの取り組みは、あなたも見聞きしたことがあるではないでしょうか。


しかし、「マインドフルネスってそもそも何だろう」と疑問に思いませんか?

マインドフルネスとは、mindfull、すなわち、意識が満たされている状態です。

では、意識は何によって満たされているのでしょうか?

答えは「今、ここ」です。

つまり、「今、ここ」に意識が注がれ、気が散ることのない状態を意味するのです。

現在の状況、目の前のものごとに対して、「全集中」の状態にあるとも言えます。

Googleマインドフルネス研修の立ち上げ責任者を務めたメン氏は、次のように説明しています。

 マインドフルネスは二つの重要な能力を鍛える。注意とメタ注意(※)だ。(中略)注意とメタ注意の両方が強くなるとおもしろいことが起きる。しだいに集中し、安定するけれど、リラックスした形でそうなるのだ。平らな場所で自転車のバランスを保つようなもので(中略)ほとんど努力をしなくてもリラックスしながら進み続けられるようになる

※ 注意している自分自身を、客観的に(≒メタの視点から)注意深く観察すること

(出展:英治出版 チャディー・メン・タン著書「サーチ・インサイド・ユアセルフ」)

 

つまり、マインドフルネスを続けていけば、“リラックスしていて、しかも隙のない状態”になれるのです。
それは、注意深く様々なことに気づいているけれど、心が穏やかで緊張しているわけではない状態です。

世間一般的に、マインドフルな状態になるために、呼吸や体の感覚などの特定の対象に意識をむける瞑想法のことを、マインドフルネス瞑想と呼んでいます。

 

夜のマインドフルネス瞑想の効果5つ

夜に行うことによって得られる効果を紹介します。

 

より有意義な時間を過ごそう。頭と気持ちをリセット。

仕事が終わっても気持ちを上手に切り替えがすばやく出来ない!という方は多いのではないでしょうか。
仕事中のミスを悩んでいて、せっかくのフリータイムがなくなってしまったら、もったいないですよね。

マインドフルネスを習慣化することで、もう過ぎたことや、まだ来ないことを考えている自分に気がつくことができます。

 「今」に意識を向けることで、脳が休まることが出来ます。


 ぐっすり眠ろう。睡眠障害の改善。


あなたは、いまの睡眠に満足していますか?

製薬会社が日本人の睡眠実態を調査した結果、なんと半数以上の人が睡眠に不満があることが分かりました。

寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、すっきり起きられないなど、様々な不満があるかもしれません。
そんなあなたに朗報です。

瞑想は睡眠の質を上げてくれることが分かっています。

南カリフォルニア大学の研究チームが、マインドフルネス瞑想によって睡眠の質が改善するという研究を発表しました。

その内容は、中等度の睡眠障害を持つとされた高齢者数十人に対して6週間、マインドフルネス瞑想を行うチームと、睡眠衛生教育を受けるチーム(つまりマインドフルネス瞑想を行わない対象群)に分けて行うというもの。

この結果、実験前と比べてマインドフルネス瞑想を行ったチームのほうが、睡眠障害尺度の減少がみられたそうです。また、日々の疲労や抑うつ症状も改善したと言われています。

https://media.jamanetwork.com/news-item/mindfulness-meditation-appears-to-help-improve-sleep-quality/

体の疲れを取り除こう。頭で感じる痛みを緩和。

 

「肩こり」と「腰痛」は、もはや国民病といっても過言ではありません。

厚生省が統計をとっている国民生活基礎調査では、女性の自覚症状の1位が肩こりです。
また、男性は1位が腰痛、2位が肩こりです。

近年は、スマホやタブレットなどを覗き込むような姿勢が原因で、より症状を訴える人が増えています。
ストレッチをして、ひどくなる前に予防することが大切です。

しかし、コリを通り越して痛みに変わってしまった場合、病院での適切な処置と瞑想が効果的です。

 最近の研究で、短期間のマインドフルネス訓練でも痛みをずいぶん和らげることがわかっています。

2015年、カリフォルニア大学サンディエゴ校のファダル・ザイダン氏は、熱刺激を腕の内側とふくらはぎに与え、その際の痛みと、痛みによる不快感を専門機材によって計測する実験を行いました。

75人の健康な被験者を

1. 本の読み聞かせを行うグループ
2. 鎮静作用があると偽った薬を塗るグループ
3. マインドフルネスに関する知識を教示せず、ただ座らせるだけのグループ
4. 1日20 分4日間だけマインドフルネスを行ったグループ

の4グループに分けたところ、マインドフルネスによる疼痛緩和作用は最も大きいことが明らかになりました。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4649004/

 

リラックスして夜を過ごそう。今日のストレスを軽減

マインドフルネスを行うことでストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」が軽減することが実験により分かっています。
詳しくはこちらをご確認ください。


夜の学習成果を高めよう。記憶力があがる。

 

脳がしっかりと休まり、記憶力が高まっている状態になると、脳はθ(シータ)波を発生させることがわかっています。

詳しくはこちらをご確認ください。

 

夜の瞑想 タイミングと効果について

 

「夜の瞑想」と一言にまとめても、いつ、どんなタイミングで、どれくらい行うかによって効果が異なります。あなたの目的に合わせたタイミングとワンポイントアドバイスをまとめました。

 

フリータイムを充実させたいなら夕食後

 

夕食後に瞑想を行うメリットは、気持ちの切り替えがしやすいこと。

そして瞑想によって集中力が増した状態で、やりたいことに向き合えることです。

食後から寝るまでのまとまった時間を使うことができ、「英語の勉強がしたい」「本を読みたい」「絵を描きたい」など、学習やクリエイティブな活動を行いたいときは夕食後に瞑想を行うのがいいでしょう。


もしもあなたが、食事中にテレビや動画を見ながらの「ながら食べ」をしているならば、要注意です。

なぜなら、そのまま食べ終わった後も、途切れなく見続けてしまう可能性が高いからです。

食事中はなるべく食事に意識を向け、おいしくいただきましょう。それだけでも「食べるマインドフルネス」といえます。


 ◇
ワンポイント・アドバイス◇


・テーブルをきれいに片付けてから

視覚情報が多いと、どうしても気が散ってしまいます。

食後すぐにお皿を下げることは「だらだら食べ」の防止にもなります。


1分から3分の間、イスに座って

食べ物が消化されていないうちは、体内が活動的になっているため、瞑想に集中しにくいタイミングです。

そのため、瞑想を長い時間行うと頭がボーっとし、最悪の場合、眠ってしまうかもしれません。
座ったまま手短に行ったほうがよいでしょう。

 

リラックスしたいのであれば寝る直前

 

寝る直前の瞑想は、リラックスできることでしょう。
リラクゼーションは、質の良い睡眠につながります。また、過去や未来のことを考えすぎてしまうのを防ぎ、自己肯定力をアップさせることも期待できます。

さらに、眠る直前の瞑想を習慣化することにより、脳が「瞑想をしたら眠るものだ」と学習する効果も期待できます。

「あまり睡眠の質が良くない」と感じている方は寝る直前の瞑想がオススメです。

 

◇ワンポイントアドバイス◇

・入眠の60~90分前に入浴を済ませる

体温が下がりはじめたとき、体が睡眠モードに切り替わります。
その意味で、入眠に最適な時間は、入浴の60~90分後です。

このタイミングに合わせて瞑想を行うことで、心を落ち着け、よりスムーズな入眠を目指します。

・10分間を目安に、そのまま眠れる状態で

眠くなったらすぐに眠れるよう、パジャマに着替えた状態で、ベッドの上で行うのがオススメです。

また瞑想の時間が長すぎると、かえって脳が冴えてしまうこともあります。

眠る前は、10分程度に収めておくのがベターです。

 

寝つきの改善を目指すなら寝ながら

 

ベッドの中で行う瞑想のメリットは、体の力を抜きやすく、自然と腹式呼吸になることです。

また、普段から猫背の場合、「正しい姿勢」をとることを過度に意識し、無理に背筋を伸ばしてしまうことがあります。

その結果、腰を痛めたり、肩に力が入ってしまったり、体に負荷をかけてしまう可能性があります。その場合は寝ながら行うほうが効果的でしょう。

疲れ果てて瞑想をする元気がない、というコンディションでも行えるのが特徴です。

 

◇ワンポイント・アドバイス◇

・照明を暗くしましょう

室内が暗いほど、睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されます。

睡眠モードへ切り替えるためにも、部屋の明かりを消した状態が望ましいです。

・時間は気せず、眠くなったら眠りましょう

お布団の中で行う瞑想は、時間を気にせずゆったりと行いましょう。

そして、眠気と戦わないことです。

「途中で寝てしまっては意味がない」と思う必要はありません。

自分の体のサインに素直に従いましょう。

こだわりにとらわれないのが、マインドフルネスです。

 

夜の瞑想おすすめの姿勢

 イスに座って行う方法

 

座ったままの姿勢で取り入れやすいのが、「呼吸瞑想(カウント)」です

 

やり方

1. 基本姿勢を取る

イスに浅く腰掛けましょう。リラックスできる体勢をとります。

背筋を伸ばそうと意識しすぎると、体が緊張してしまいます。

自分が大きな山になったような気分で座ってください。


2. 呼吸に注意を向ける

呼吸をコントロールしないことです。
呼吸のリズムやペースは体に任せ、そのとき一番したいように呼吸しましょう。

 

3. 1から10までカウントする 

「吸って吐いて」を1単位としてカウントし、それぞれの呼吸に「1」「2」とカウントをしていきます。
10まで数え終えたらまた1に戻ります。

途中で考え事をしている自分に気が付いた場合も、また1に戻しましょう。

試しにやってみてください。まったく10までカウントできないことに気が付くはずです。

しかし、自分の中に起こる感覚・思考・感情を把握し、「いつもこんなに考え事をしているんだ」ということに気が付くだけで、意味があります。

また、数に集中するので初心者の方にオススメの瞑想法です。

 

 床や布団に座って行う方法

 

次は胡坐をかいた姿勢で行いやすい、「ストレッチ瞑想」を紹介します。

やり方

1 .基本姿勢を取る

布団、もしくは床の上にあぐらで座ります。

おしりのお肉を後ろにかき出し、坐骨で体を支えます。
頭のてっぺんで天井を押すような感覚で背筋を伸ばします。
あごは軽く引きます。
息を吸って肩にぐっと力を入れて耳に近づけます。
口から吐きながら肩の力を抜きましょう。

 
2. 首回しをする

息を吐きながら、首をだらんと前方へ倒します。
このとき、力で前に倒すのではなく力を抜くことによって、自然と前に倒れるのを意識しましょう。

頭の重みを利用し、息を吸いながら大きく右に回していきます。半周したら今度は息を吐きながら、もう半周行いましょう。回数は気にせず、首周りがほぐれるまで回しましょう。

反対も同様に行います。

呼吸に合わせ、ゆっくりと大きく動かすようにしましょう。

 
3. 背中とおなかのストレッチ

両膝の上に手を置き、息を吸います。吐きながらおへそを覗き込むように背中を丸め、肩甲骨を押し広げていきます。

次の吸う息で手で両膝を押しながら背中をそらせ、目線も斜め上を見上げます。

呼吸にあわせ何回か繰り返しましょう。

 

名前の通り、ストレッチと瞑想を組み合わせた瞑想法です。

呼吸と動きをひとつにして、体がどんな風に伸びているのかを観察しながら行うのが特徴です。

頑張って行うのではなく、楽に、気持ちよく行いましょう。
「自分を観察する」という基本を抑えれば、どんなストレッチでも取り入れられます。

寝ながら行う方法

うつ伏せ

 

仰向けの姿勢で行いやすい「ボディスキャン」という瞑想をご紹介します。

詳しいやり方はこちらをご確認ください。 

 

夜の瞑想応用編。五感をつかってみよう

 

基本の瞑想を覚えたら、次は五感を使った瞑想法を体験してみましょう。

五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のひとつに意識を集中させることにより、瞑想状態に入りやすくなります。

初めてでも取り組みやすい瞑想法を、5つ紹介します。

 

味覚を使った白湯瞑想

 

女性の間では美容にいい、と定着している白湯(さゆ)
白湯とは、沸騰させた水のことを言います。

白湯のルーツは、インドのアーユルヴェーダにあると言われています。
アーユルヴェーダでは、冷たいものを体内に入れてしまうと消化能力が落ちるとされています。
不純物が何も入っていない白湯で体内を温めることにより、内蔵機能を向上させてくれます。


熱々のお湯をじっくりと飲みながら、味覚に意識を向ける
白湯瞑想をやってみましょう。


口の中に入ってきた温度、水の硬さ、甘みをじっくりと味わいます。

そして、飲み込んだ後は喉を通って胃の中に入っていく様子を観察します。

おなかの中がほぅっと温かくなるのを感じ、一呼吸置いてから次の一口を飲みだしましょう。


食後すぐ、もしくは寝る直前がおすすめです。

 

触覚をつかった手のひら瞑想

 

何か心配事や不安があるとき、私たちは体の存在を忘れてしまいます。

なぜなら、頭の中で思考が思考を呼び、次から次へと考え事が飛び散ってしまうからです。
「頭の中のおしゃべり」と表現すると、分かりやすいかもしれません。

考え事に囚われ、頭の中のおしゃべりが止まらないとき、自分の体が「今、どんな感覚か」ということに気が付くことはできないものです。


呼吸が浅くなっているかもしれません。

脈が速くなり、肩に力が入っているかもしれません。

これらの感覚よりも、もっと気付きにくいものがあります。


例えば、血液が体の中を流れる感覚。


人間の体には無数の血管が広がっていて、休む間もなく血液は流れ続けていますが、そのことを体感することは、ほぼないでしょう。

このように普段は意識することがない、小さな感覚に意識を向けることで、頭の中のおしゃべりは自然と止まります。

というより、極度に集中しなければならないので、考え事をする余裕が結果的になくなるのです。

小さな感覚を意識するには、手のひらが最適です。なぜなら、体の中で皮膚感覚がもっとも鋭く、感じやすいからです。


では、これから皮膚感覚に意識を向ける
手のひら瞑想を紹介します。


手のひらが天井に向くように膝の上に置き、利き手にすべての意識を集中させましょう。

皮膚の表面がちりちりとする感覚があらわれます。
5本の指の中、手のひらの中で炭酸水の泡がシュワシュワしているような感覚です。

利き手の次は、反対の手のひらも感じてみましょう。

呼吸に意識を向けるよりも、感覚をつかみやすいのが特徴です。

集中力が増すので、食後すぐのタイミングがおすすめです。

 

嗅覚をつかったお香瞑想

 

詳しいやり方はこちらをご確認ください。

リラックス効果が高いので、寝る直前や寝ながらのタイミングがおすすめです。

 

視覚を使ったキャンドル瞑想

くわしくはこちらをご確認ください

炎のゆれに癒されること間違いなしです。

 

聴覚を使った瞑想

 

詳しくはこちらをご確認ください。

relookのアプリではリラックス効果の高い音源がたくさんあります。
ぜひ試してみてください。

 

まとめ

 

夜に瞑想を取り入れることによって得られる効果と、目的に合わせたタイミングや方法をお伝えしました。

夜の時間を充実させることは、今日の疲れを癒すだけではなく、生き生きとした明日へつながる大切な時間です。


とはいえ、「ダラダラしてはいけない」と言っているわけではありません。

ダラダラしたい日だってあります。そんな時は、思いっきりダラダラしましょう。


ただ、
「ダラダラするつもりがないのに、だらけてしまった」という日は避けたいものです。

こういった自分の意思と反する行為を減らすほどに、あなたの充実感や幸福感は高まりっていきます。

ぜひ瞑想を取り入れ、より有意義な生活を楽しんでください。


※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。