※この記事は、2021年3月8日(月)にcloubhouseで行われた対談を記事にしたものです。この記事はclubhouseで参加してくださった方々から事前に許可を得て作成しております。読みやすいよう、一部改変しております。あらかじめご了承ください。

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今回の対談では、マサオさんが瞑想をやり始めたきっかけや、瞑想をする中で感じた変化をお聞きできればと思っています!
また、この対談を聞いている方々にとって、学びのある場となれば幸いです。

マサオさん、本日はよろしくお願いいたします!

よろしくお願いいたします!

 

吉田マサオさんの瞑想との出会い

瞑想を始めたきっかけとは?

早速ですが、マサオさんが瞑想に出会ったきっかけを教えていただいてもよろしいでしょうか?

一言で言うと、精神的に苦しかった時に、瞑想に出会いました。

実を言うと、もともと瞑想やスピリチュアルなものに興味はありませんでした。大学時代も、アートとかクラブとか都会的なものに憧れていて、新しいもの好きなミーハーという感じだったんです。

その後大学を卒業してからは舞台演劇をやっていました。しかし続けていくうちに「大学を卒業してもこの方向でやっていきたいのだろうか?」という気持ちが湧くようになったんです。海外で公演もしましたが、なかなかお金にならず、別でバイトもしていました。

そして夜のバーのバイトなど、バイトを掛け持ちする中で、ライフスタイルが不安定になり、友人と会う機会も徐々に減っていきました。さらに友人が就職したり好きなことをしているのを見て、自分に劣等感や無価値感を感じ始めました。この時は詐欺にあったり彼女に振られたりと、運が悪いことが連続して起こり、当時は自分にイライラして常に怒っている状態が続きました。

こうした状態が続いていると、メンタルが不安定な状態にいる自分に気づき、どうにかしたいと思い脳についての本を読むようになりました。本でさまざまな考え方に触れていくうちに「瞑想」や「ヨガ」と出会いました。

そこで新宿の紀伊国屋書店で綿本彰先生の『ヨーガで始める瞑想入門』や、地橋秀雄先生の『ヴィパッサナー瞑想の理論と実践』の2冊を手に取り、瞑想を実践し始めました。その他にも瞑想のCDを一通り買い、貪るように聴き続けてきましたね。

瞑想を始めて感じたこと

「なんとかして現状を変えたい、自分も変わりたい」
そう思って本をたくさん読み進めていくうちに、瞑想と出会ったんですね。

そうですね。

実際に数回瞑想すると「効果あるな」と感じたんです。当時の自分は背骨が丸まって姿勢も悪く、寒いときは鼻が詰まって口呼吸をしている、という状態からのスタートでした。

でも、背骨を伸ばして、呼吸を意識して15分瞑想するだけで頭がスッキリし、世界がキラキラして見えた感じがしました。瞑想の回数を重ね、近所で開かれている瞑想会に参加するようにもなりました。

他にも瞑想の効果を実感したエピソードがあります。大体30分から1時間くらいの瞑想をしました。終わった後、たまたま近くを飛んでいたハエを見ると、スローモーションに、そして鮮明にはっきりと動いているように感じたのです。心の働きが落ち着くと、世界の見え方・感じ方が変わることを実感した瞬間でした。

こうした経験を通して、姿勢・呼吸と思考の関連が密接な関係にあることを体感しました。さらに瞑想に対して興味が湧き、ヨガ系の瞑想・仏教がベースにある瞑想も学びました。

宮本武蔵みたいですね。ハエを箸で掴むみたいな。

剣禅一如(※1)という言葉があります。剣道と同じように柔道や茶道といった『道』と付くものは、マインドフルネスに通ずるところがあります。精神集中により心を安定させ、揺らがず囚われずの状態になると、その道を極められると言われています。

精神を集中させるときも「心技体」の「心」が整っていないと、ネガティブ思考になり、自然とネガティブな状況に陥ってしまいます。

自分の思考や心のあり方が現実に大きく影響するということを、体験を通して感じられましたね。

※1…「剣道で最終的に至る境地は、禅に通じる無双無念と同じ」という意味の言葉

姿勢と呼吸をちょっと変えただけで、思考や感情が大きく変わる経験をされたんですね。

心身一如といって、心と身体は一つのものだと言います。心のストレスや感情を抑圧すると、身体の緊張として現れます。それが生きづらさや感情の不安定さにつながると言われています。

姿勢と呼吸を整え、自分で思考をきちんと扱えるようになり、私自身も自然と変化していくのがわかりました。

瞑想によって生活はどのように変わったか

自分の思考や感情に気づくことの重要性

実際に瞑想を始めて、何か生活や生き方にも具体的な変化は出ましたか?

長期的に、心の様子がゆっくりじわじわと変化していきました。振り返ってみると、自分を責めたり過去を後悔することも減り、かなり心が穏やかになりましたね。

最初は、元の自分の手厳しい性格をすぐに変えられませんでした。それでも自分が怒っていることに気づき、怒っている自分を受容することを繰り返すと、思考や感情が良い方向へ変わっていきました。自分の状態を客観的に気づけている時と気づけていない時では、天と地の差があると思います。

自分の思い込みや思考の癖を客観的に眺めることを、『アウェアネス』『メタ認知』と言います。判断はせず、純粋に「ただあるがままを意識しているだけの自分」です。この視点を養うと、無意識の思考やエゴを意識的に気づけるようになり、自分が怒っている時に「怒ってるね」「同じパターンだよ」と、怒っている自分を受容できるようになります。自分の思考に意識的に気づくことで、思考や感情に飲み込まれることが減りました。

自分の状態に気づけているのと気づけていないのとでは、天と地の差があると仰っていましたが、やはり瞑想は「気づく」ことが大切なんだな、と改めて感じました。

そうですね。

他の動物にはアウェアネスや自我がなく、鏡を見て『自分』を認識する動物はほとんどいません。人間も赤ちゃんの時には自分を認識できませんが、成長するにつれて後天的に『自分』という感覚が養われます。

ジョン・カバット・ジン博士(※2)は、先日行われたイベントで、
「人間は『ホモ=サピエンス=サピエンス』と言えます。ホモ=サピエンスには意識があり、人間はさらにこの意識をメタ的に意識することができる動物なのです。」
と仰っていました。気づきがあることによって、刺激と反応の間にスペースを作ることができるのです。

動物は条件反射的に、過去のパターンや反応で生きています。一方で人間は反応する前にいったん立ち止まって考え、意識的に過去のパターンとは異なる反応・対応を選択できます。

※2…マサチューセッツ大学医学大学院教授。マインドフルネス瞑想の指導者。マインドフルネスストレス低減法(MBSR)を開発した。

動物だと刺激から反応するまでに間がありませんが、人間はメタ的に捉えることで、意志の力を使って次の行動を選択できるんですね。

以前の私は、失敗したり上手く行かなかった時、「自分はどうせだめだ」と思い、感情に流されてしまうことがしばしばありました。

例えば、ヨガや瞑想のクラスで誰も来ない、という時期が続くと「私は向いていない」「私には人気がない」といったネガティブな思考がたくさん湧いてきました。そこで、これらの気持ちの最後に「と思った。」と付け加えメタ的に捉えることで、失敗した自分を思いやるようにしました。このプロセスを繰り返すうちに自己受容が深まっていくのがわかりました。

以前は、親や友達から言われたことを何度もリフレインさせ、「嫌だな」「やりたくない」と思ってばかりでした。しかし自分のネガティブな側面に思いやりの気持ちを向けると、「まあいっか」「これでいいんだ」という楽観的な気持ちになれたんです。そして周りの人にも思いやりや慈しみの気持ちを与えられるようになると、だいぶ生きるのが楽になりました。

マサオさんでも生徒が来なかったらどうしようとか、ネガティブな思いを考える時もあったんですね。

当時は自分自身を受容できずに苦しんでいたのだと改めて気づき、また自分で自分のことをどう思っているのかすらも考えられていませんでした。しかし自分の内面を観察すると、自分に否定的な言葉を投げかける自分がいたことに気づきました。

この頃から、自分に対する受容的な言葉を意識して繰り返してきました。

自己受容を高める

実際に自分のことを責めたりする人は少なからずいらっしゃると思います。

自己受容を促進したり、自分への思いやりを高めてくれる具体的な方法はありますか?

自分に「それでいいんだよ」という言葉を投げかけてあげることです。自分の思考や感情を、受け入れがたいことを含め、全て否定せずに受容してあげるのです。そして意識的に、傷ついている大切な人に声をかけるように、自分が理解者や味方でいるつもりで、自分に思いやりのある言葉をかけてあげます。

無二の親友とか愛する人に声をかけるような形で、自分自身にも思いやりのある言葉をかけてあげる。そういうことを実践されていく中で、マサオさん自身も変わっていったような実感があるんですね。

自分の中のネガティブな感情、感覚、これらを子供(=インナーチャイルド)に見立てると受容しやすくなります。そしてあやすように、気持ちを理解しようとしながら、優しい言葉を投げかけてあげます。インナーチャイルドを見つめる自分(=インナーペアレント)が厳しいと自己受容ができなくなります。意識して、受容してあげられる自分になるのが重要です。

受容する気持ちを身につけるプロセスの一環として、瞑想やヨガの受容的な先生のクラスに行ったり、本を読んだり、カウンセリングやコーチングを受けたりもしました。他者受容を深めることで、自己受容も深めることもできます。もちろん家族やパートナーでも大丈夫です。

最初は自己受容をできていないことすら意識できていないことが多いです。それでも次第に自己受容を意識し始め、受容しようと繰り返していくうちに、意識すると自分を受容できるようになります。そして最終的に無意識のうちに自己を受容できるようになるのです。

瞑想を教え始めて

瞑想を教えた人々に起きた変化

実際に瞑想を教え始めていきましたが、瞑想を教えた人はどのように変わっていったのでしょうか?

メルマガやコメント、本の感想で一番心に残っているのは「自殺をとどまった」という声です。

他にも
「薬を飲む量が減った」
「くよくよすることがなくなった」
「怒っている自分に気づけるようになった」
「周りの視線を意識しすぎず、自分軸のワクワクに気づけるようになった」
「当たり前の幸せを喜べるになった」
など言っていただきました。

メロンオンラインさんというマインドフルネスのスクールを運営している方はマインドフルネス瞑想協会の卒業生なのですが、スクールで教えていくうちにマインドフルネスが生きがいになっていったそうです。こちらの方のように、先生になったり、学びながら教えていくことがライフワークになっている方もたくさんいらっしゃいます。

マインドフルネスの今後の展望

マインドフルネスによって、当たり前の幸せを感じられるようになったり、自分軸で生きられるようになったり、マインドフルネスはまさに今の時代に求められる能力かもしれませんね。

マインドフルネスはうつ病の回復期の人に用いられていたり、GoogleやIntelの社員研修といった自己啓発の分野でも使われています。さらには解脱や悟りと言った仏教やヨガの文脈でも意味があります。

アウェアネスが私たち自己の本質であり、自分自身と繋がっているという意味で、マインドフルネスは一時的なブームを超えた、普遍的で伝統的な精神鍛錬法です。宗教的な要素を取り除いて誰でも実践できるところに、これからの可能性を感じることができますね。

一過性のブームではなく、マインドフルネスは現代にも通じる実践的なものですし、これからに期待したいですね。

マサオさん、本日はありがとうございました!

 

 

吉田マサオさんプロフィール

ヨガ瞑想講師。作家。一般社団法人マインドフルネス瞑想協会代表理事。20代の頃に精神的なバランスを崩し、マインドフルネスに出会う。そこからさまざまなスタイルの瞑想を学ぶ。2009年からマインドフルネスをベースにしたヨガや瞑想の教室を開催。2015年に『マインドフルネス瞑想入門』がベストセラーになる。著書は累計で15冊を超える。瞑想アプリの監修も務める。最近は養成講座やYouTubeライブなどのオンライン講座を開催。2019年に石垣島に移住。

吉田マサオ オフィシャルブログ:https://ameblo.jp/masaonoblog/

マインドフルネス瞑想協会:https://www.masao-mindfulness.com/