瞑想がもたらすwell-being(ウェルビーイング)

あなたは健康の定義をご存知ですか?

1946年に署名された世界保健機関(WHO)憲章 の草案の中で、健康は以下のように定義され、その中にウェルビーイングという言葉が使われています。


健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、身体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることをいいます(日本WHO協会訳)

 

そしてこのウェルビーイングを促進する手段の一つとして、有効だとされているのが瞑想です。今回は、ウェルビーイングという概念と、それを促進する瞑想について紹介します。

(引用:日和 悟,他.Well-beingの定量化に向けて:脳機能ネットワークに基づくマインドフルネスの見える化の検討.The 32nd Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence, 2018.https://confit.atlas.jp/guide/event-img/jsai2018/2F3-OS-4b-01/public/pdf?type=in

 

ウェルビーイングとは

WHO憲章で初めて用いられたウェルビーイングという言葉は、健康の定義であると同時に、“well(良好)”“being(であること)”と訳されることから、幸福と表現することもできます。

健康という言葉を聞くと身体的な面ばかりに目が行きがちですが、精神的、また社会的にも満たされた状態が本当の意味での健康であり、幸福なのです

 

近年、国連や世界経済フォーラムにおいてウェルビーイングの推進が盛んに議論されており、世界中の企業で従業員のウェルビーイングを促進しようという動きが広がっています。

 例えば、大手コンサルティング会社で2009年に「最も魅力的な企業トップ50」において、世界第2位に選ばれているPwCグループは、「成功する人はウェルビーイングを軽視しない。成功する組織はそこで働く人々がウェルビーイングを追求できるような環境を提供する。」という考えのもと、グローバル全体でウェルビーイングを推進しています。具体的には、健康維持や増進活動の推進、メンタルヘルス対策の推進、長時間労働対策の推進といった施策に加えて、女性活躍推進や、LGBTインクルージョンなど、あらゆる従業員が本来の能力を最大限発揮できるようなカルチャー醸成の取り組みをおこなっています。

 しかし日本におけるウェルビーイングの推進は浸透しているとは言えず、国際連合が2019年に発表した「世界幸福度報告」の統計データによると、世界155ヶ国の中で日本は58位と先進国の中ではワースト2位という結果でした。

 

ウェルビーイングの促進

ウェルビーイングの可視化

ウェルビーイングなど幸福感を示す指標は主観的なものであり、客観的に数値化することは困難であると考えられてきました。しかし、2019年の京都大学での研究により、主観的幸福と対応する脳活動および脳内ネットワークが明らかになりました。

 具体的には、成人51人を対象に幸福度を質問紙で測定し、脳活動をfMRIで計測した結果、右楔前部の安静時の活動が低いほど、主観的幸福度が高いことが示されました。

心の迷いが少ない人自己肯定感が低い人がこの楔前部の活動が活発になることがわかっており、逆に言えばウェルビーイングの高い人ほど、この領域の活動が低いことを意味します。

また、右楔前部と感情処理に関わる右扁桃体の機能的結合が強いほど、主観的幸福得点が高いことも明らかになりました。

このことから、適切に感情をコントロールすることで、心の迷いがなくなって自己肯定感が高まり、ウェルビーイングが促進されると考えられます。

(引用:Sato W, et al. Resting-state neural activity and connectivity associated with subjective happiness. Scientific reports, 2019. https://www.nature.com/articles/s41598-019-48510-9

 

ウェルビーイングとマインドフルネス

それでは、どのようにしてウェルビーイングを向上することができるのでしょうか?

ウェルビーイングの促進と密接に関わっているのが、マインドフルネスです。

マインドフルネスとは、今この瞬間の体験に気づき、ありのままにそれを受け入れることを指します。

 

マインドフルネスの高い人と抑うつ状態の人の脳活動を調べた研究では、マインドフルネスの高い人ほど、右楔前部と右扁桃体の機能的結合が強いことが明らかにされ、安静時の右楔前部の活動は抑えられていると考えられます。

つまり、“マインドフルネスが高まった状態=ウェルビーイング”と科学的に実証されたのです。

(引用:Way BM, et al.Dispositional mindfulness and depressive symptomatology: Correlations with limbic and self-referential neural activity during rest. Emotion, 2010. https://sanlab.psych.ucla.edu/wp-content/uploads/sites/31/2015/05/Way2010Emotion.pdf

 

マインドフルネスを高める瞑想

このマインドフルネスを高める具体的な手段が瞑想です。

マインドフルネスを高めるための瞑想の方法はたくさんありますが、マインドフルネス瞑想アプリRelookを用い瞑想も、ウェルビーイングを促進するために有効な手段だと思われます。

Relookアプリについてはこちらから参照してみてください。


まとめ

今回は、ウェルビーイングの概念と、ウェルビーイングを促進するマインドフルネス、瞑想について紹介しました。

今一度、本当の意味での健康・幸福・ウェルビーイングとは何かを考え、瞑想を始めてみるのも良いのではないでしょうか。

 

※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。