メディテーションとは?



メディテーションとは日本語で瞑想を意味します。心と脳を落ち着かせたり、何かに集中したり、自己向上を目指すなど、瞑想を実践する目的はさまざまです。

 

メディテーションにはいくつもの種類がありますが、どれが良くてどれが悪いということはありません。静かに座って行うものもありますし、ヨガのポーズをとりながら、あるいは発声をしながら実践するものもあります。

 

練習方法もいろいろあります。自宅で実践できるもの、クラスに行ってインストラクターの指導のもとで行うもの、数日間の合宿に参加して日常生活を離れた場所で訓練を受ける必要があるものなど。最近では、メディテーションに関する書籍やホームページが多数ありますので、どのような種類のメディテーションがあるのか情報収集することも難しくありません。いくつか試してみて自分に合ったものを選ぶことができます。

 

メディテーションは世界中の著名人たちにも広く取り入れられています。Apple社の創業者スティーブ・ジョブズをはじめ、マイクロソフトやパナソニックといった世界的大企業の創業者が瞑想を行っていました。ウォール街で活躍する投資家の多くは瞑想を日常的に取り入れていますし、NikeGoogleなどの大企業でも、社内に瞑想用の部屋を設けるなど社員が瞑想に取り組みやすい環境を提供しています。

 

スポーツ界で活躍するアスリートもトレーニングとしてメディテーションを実践しています。メジャーリーグのイチロー選手やテニス世界ランク1位のジョコビッチ選手がその代表です。

 

メディテーションの歴史



メディテーションは何千年も前から実践されてきました。一般的に仏教との結びつきが強いと考えられていますが、ヒンドゥー教やキリスト教など他の宗教や宗派でも何らかの形でメディテーションは取り入れられています。

 

宗教で瞑想が取り入れられる目的はいろいろあります。心を落ち着ける、身体と心の調和をはかって健康維持や健康の回復を目指す、呼吸を整えて心身のコントロールを向上させる、心を鍛える、神霊や精霊とつながってそれらの声を聞こうとする、あるいは神との合一を目指すなど。

 

そのため、メディテーションにはさまざまなやり方が存在するのです。

 

日本では、仏教の一派である禅宗において、僧侶の修行のために瞑想が実践されてきました。

 

また、日本でも人気のヨガは、現在では主に健康維持や向上のために行われることが多いですが、もともとは心、身体、感覚器官を鍛えて精神統一を目指す目的で古代インドから継承されて発展した宗教的な実践法です。その起源は紀元前にまでさかのぼるといわれています。

 

何千年もの長い歴史を持つ瞑想ですが、近年、世界中で人気が出てきたのは、有名人や著名人の影響があるといいます。1960年代にビートルズが超越瞑想を実践して以来、著名人や有名人の間で瞑想が広がりました。映画監督のデヴィッド・リンチは超越瞑想の普及を目的とした非営利団体デヴィッド・リンチ財団を2005年に設立し、チャリティーコンサートには、ケイティ―ペリーやスティングなどの有名アーティストが参加しています。

 

このように、メディテーションはさまざまな形で、現在でも多くの人に実践され継承されています。

 

メディテーションの効果


1.集中力の向上



いくつもの効果が実証されているメディテーションですが、そのひとつが集中力の向上です。

 

カリフォルニア大学デーヴィス校の研究グループは、メディテーションを実践することで集中力にどれだけの影響があるのかを調べました。その結果、メディテーションのトレーニングを受けたグループは、受けなかったグループに比べて集中力がアップしていたと報告しています。

出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3132583/pdf/nihms300783.pdf

 

集中力の向上は、多くのビジネスマンやアスリートがメディテーションを日常的に取り入れている理由のひとつです。メディテーションを継続的に行うことで、「ここぞ」というときに圧倒的な集中力で最高のパフォーマンスが発揮できるといわれています。

 

 2.美容効果



肥満の原因のひとつが暴飲暴食です。ストレス、イラつき、怒り、寂しさなどのネガティブな感情を強く感じると、空腹や満腹を正常に感じることが難しくなり、暴飲暴食に走りやすくなるといわれています。

 

また、ストレスに継続的にさらされると自律神経のバランスが悪くなり、ホルモンバランスが崩れやすくなります。その結果、皮脂分泌が過剰になる、肌のターンオーバーが正常に行われないなどが原因となって、肌が荒れやすくなってしまうのです。

 

メディテーションは精神状態や感情を安定させ、ストレスの軽減に効果的であるといわれています。そのため、メディテーションを継続することで太りにくい身体と、艶のある健やかな肌へと近づくことができるでしょう。

 

3.睡眠の質のアップ



カリフォルニア大学ロサンゼルス校と南カリフォルニア大学の研究チームは、マインドフルネス瞑想と睡眠の関係を調べる実験を行いました。その結果、マインドフルネス瞑想は夜の睡眠の質の向上に効果的であるとされています。さらに、質の良い睡眠を得ることで、昼間の疲労感や気分の落ち込みも改善しました。

出典: www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4407465/pdf/nihms680970.pdf

 

現代人の過半数は、寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝起きてもすっきりしないなど、睡眠に関して何らかの悩みを抱えているというデータが発表されているほど、現代社会では質の良い睡眠を得るのは簡単なことではありません。

 

夜ぐっすりと寝て、身体と脳をしっかり休ませたいと考えているあなたにもメディテーションはおすすめです。

 

出典:西川 睡眠白書2020~日本人の睡眠調査~ 

www.nishikawa1566.com/company/laboratory/hakusyo2020.pdf

 メディテーションのやり方

 

マインドフル呼吸法

 

メディテーションにはさまざまなやり方があります。ここでは、マインドフルネスメディテーションの基礎となる呼吸法の解説をします。

 

呼吸法にもいろいろありますが、メディテーションのトレーナーであるダイアナ・ウィンストン氏が解説するマインドフルネス呼吸法をご紹介します。

 

この呼吸法を練習すると日常生活の中で自分の呼吸に意識を向けやすくなるといわれています。自分の呼吸に意識を向けることができると、ストレス、不安、ネガティブな感情が湧いてきた時に、感情を鎮め、心を落ち着かせて、集中力を鋭敏にするのに役立つとウィンストン氏は語っています。

 

マインドフル呼吸法の最も簡単なやり方は、自分の吸う呼吸と吐く呼吸に集中することです。立っている時にも実践できますが、心地よく座ったり横になったりしているときの方が理想的です。目は開いても閉じてもいいですが、おそらく目を閉じた方が集中しやすいでしょう。

 

1日の中で決まった時間に実践するのも良いですが、特に強いストレスや不安を感じた時に実践すると効果を実感しやすいです。強いストレスや不安を感じている時には、まず初めに大きな深呼吸をすると落ち着きやすくなります。深呼吸をするときには、鼻から3秒かけて息を吸い、2秒間息を止め、口から4秒かけて息を吐きます。

 

あるいは、単に自分の自然な呼吸を観察してもよいでしょう。肺に息が入ったり出たりするたびに胸部が動く様子や、鼻の穴に感じる呼吸の感覚に集中します。その間、自分の頭の中で他のことを考え始めるかもしれません。それでもいいのです。他のことを考えていることに気が付いたら、またやさしく自分の呼吸に意識を戻します。

 

ウィンストン氏によると、この呼吸法を115分、少なくとも週1回実践すると効果が実感しやすいといいます。

https://www.mindful.org/a-five-minute-breathing-meditation/

 

マインドフル呼吸法の手順


① 居心地の良い体勢を探しましょう

椅子や床の上に座ります。背筋を伸ばしますが、力を入れ過ぎないようにします。手は心地の良い場所に持っていきます。舌は口の上あごにつけるか、心地の良い場所に落ち着かせます。

 

② 身体をリラックスさせて気づきを得ます

自分の身体の体型や重みに意識を向けます。リラックスして、座っている自分の身体の感覚、感触、椅子や床に接している感覚などを興味深く観察します。力が入っていたり緊張している部分を緩め、ただ呼吸を続けます。

 

③ 呼吸を同調させます

呼吸の自然な流れを感じます。呼吸は長くせず、短くせず、自然な長さを保ちます。息が吸い込まれると、身体のどの部分にその息を感じるのか意識してみましょう。お腹かもしれません。胸部、肺、鼻の穴かもしれません。ひと呼吸ごとに、センセーションを感じます。

 

④ 思考がさまよってもやさしく

呼吸に意識を向けようとしても、意識がどこか別のところへ向くかもしれません。他のことを考え始めることもあるでしょう。そのようなことが起こったとしても、ごく自然なことですので問題ありません。別のことを考えているということにただ気づきましょう。頭の中で静かに「考えている」あるいは「さまよっている」とつぶやきます。そして意識を自分の呼吸へとまた戻します。

 

⑤ 5分から7分間続けます

沈黙の中で呼吸に集中します。ときどき他の考えが浮かぶでしょうけれども、また呼吸に意識を戻します。

 

⑥ 終わる前に確認しましょう

マインドフル呼吸を終える前に、座っている自分の身体全体にもう一度意識を向けます。そしてこれまで以上に深くリラックスし、今日このような時間を取ることができたということに感謝します。

 

おすすめのメディテーション用BGM5

メディテーションは音楽を流しながら実践すると集中力やリフレッシュ効果が高まりやすいためオススメです。Youtubeではメディテーションに適したさまざまな音楽が配信されていますので、自分に合った音楽を選ぶことができます。ここでは、メディテーションの長さやタイミング別に、Youtubeで視聴できる音楽をいくつかご紹介します。

 

relaxing chill out room 「Meditation music for relax mind and body

こちらは5分間ほどの長さですので、比較的短時間のメディテーションを行いたい方にピッタリです。アラームをかけたり時間を気にしたりせず、音楽が終了するタイミングでゆっくりとメディテーションを終えることができます。

https://www.youtube.com/watch?v=bHR6HC7D7vA

SLEEP STYLE 「すごい効果!瞑想音楽 10分 マインドフルネス瞑想にピッタリなBGM

再生回数が200万回近くもある人気のメディテーション用音楽です。10分間という長さがちょうどよいと感じる人が多くいるようです。

https://www.youtube.com/watch?v=HzBn_lb2lkE

Healing Meditation Relaxing Music Channel 「15 min Zen Meditation for Positive Enerrgy – Relax Mind Body, Zen Music, Meditation Music」

こちらは約15分間の音楽です。長さがちょうどいい、毎日再生したいなど、ポジティブなコメントが寄せられています。

https://www.youtube.com/watch?v=D4BkBBSRL7A&t=178s

 

OCB Relax Music 「Morning Relaxing Music – Piano Music, Positive Music, Study Music (Madison)

朝のメディテーションに人気の音楽です。小鳥のさえずりが聞こえ、さわやかな気分にさせてくれます。この音楽と共に朝のメディテーションを行うと、その日一日をポジティブに過ごすことができそうです。

https://www.youtube.com/watch?v=YxfnUPqWV0k


Dream Sounds 「Relaxing Sleep Music and Night Nature Sounds: Soft Crickets, Beautiful Piano, Deep Sleep Music」

夜にメディテーションをするときにおすすめの一曲。柔らかいピアノの旋律の後ろでは、静かな鈴虫の鳴き声やそよ風のささやきが流れており、リラックス効果の高い音楽です。

https://www.youtube.com/watch?v=SN3xlcjbvUo

Marconi Union 「Weightless」

不安感の軽減に加えて、血圧や心拍数の低下といった身体的・精神的な効果が科学的に証明された音楽です。「世界で最もリラックスできる音楽」のひとつとしても知られています。こちらは8分間のバージョンですが、10時間のものなど、いろいろな長さのバージョンがあります。

https://www.youtube.com/watch?v=UfcAVejslrU

 

まとめ

何千年にもわたって、メディテーションは多くの人たちの生活の一部として取り入れられ、現在でも国、地域、老若男女問わず愛され続けています。道具も使わず、短時間でも実践できるメディテーションをあなたも今日から始めてみませんか。

 

※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。