健康意識の高い人たちの間では、瞑想がにわかに認知されるようになってきました。

ひとつはGoogle 、Yahoo!、Intel、Twitterのような大企業が、続々と社内のプログラムとして瞑想を取り入れるようになったことが要因と考えられます。

とはいえ、瞑想は非科学的というイメージを拭い去れないかもしれません。

なぜなら瞑想はもともと、仏教など宗教のなかで行われてきたものだからです。

しかし瞑想法のなかでもマインドフルネス瞑想は、宗教色を排除した上でマサチューセッツ大学医学部にて研究が始まり、医療で用いられるプログラムとして開発され、その後世界中で認知されるようになったという経緯があります。

この記事では、そのマインドフルネス瞑想の肉体や精神に対する効果やマインドフルネス瞑想の方法を紹介します。

是非、ご一読ください。



瞑想の肉体に対する健康効果
血圧

瞑想が肉体に与える健康効果について、エビデンスの多いものを紹介します。

血圧を下げる

マントラを唱える瞑想とマインドフルネス瞑想の高血圧に対する効果を調べた複数の研究を調査したところ、60才以上の人において、瞑想が血圧を下げるのに顕著な役割を果たしていることが報告されています。(#1)

(参考#1.  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28384004/)

不眠の改善

マインドフルネス瞑想が不眠症に及ぼす影響を調査した6つの試験を総合的に評価したところ、起きている間の総時間と睡眠の質が大幅に改善したことが報告されています。(#2)

(参考#2.  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27663102/)


瞑想の精神に対する健康効果
思いやり

瞑想が精神に与える健康効果について、エビデンスの多いものを紹介します。


うつ病の軽減

マインドフルネス瞑想がうつ病と不安神経症に及ぼす影響を調査した多数の研究結果を総合的に評価したところ、うつ病の軽減に前向きな効果があることが報告されています。(#3)

(参考#3.  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31083878/)

共感や思いやりの気持ちと行動を生む

瞑想が共感や思いやりの気持ちと行動に及ぼす影響を調査した26の研究を総合的に評価したところ、思いやりの瞑想、もしくは愛情深い瞑想が小から中程度、効果的であったことが報告されています。(#4)

(参考#4.  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30100929/)


以上のような効果が認められていることから、Google社では、人間関係を高めることや感情を制御する能力を高めるため、また思いやりや見識を持ってコミュニケーションをすること等を目的として、マインドフルネスをベースにした能力開発プログラム「Search Inside Yourself」が採用されています。(#5)


Search Inside Yourself

(参考#5.  https://mindful-leadership.jp/siy/)


またYahoo!社では、「Search Inside Yourself」を参考に、1つは「共感」のスキルアップを図り、独自でプログラムが作られたといいます。(#6)

(参考#6.  https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00003/031000083/?P=1


瞑想で生活習慣病が改善することが判明?!
生活習慣病

生活習慣病には、肥満症、糖尿病、高血症、心筋梗塞、脳梗塞などが含まれます。

これらは、遺伝的素因に、食事や運動などの生活習慣が乱れることが要因として加わると考えられていますが、その背景にある心理的なストレスの関与を無視することはできません。

マインドフルネスのプログラムとしてマサチューセッツ大学医学部で開発されたマインドフルネスストレス低減法(MBSR)が、その名の通りストレスの低減を図るために作られているように、マインドフルネス瞑想によって心理的なストレスが低減することで生活習慣病が改善することが大いに期待されます。

しかし、前述した血圧に対する瞑想の効果以外は、現段階では研究のエビデンスが不十分であり、さらなるエビデンスの蓄積が必要と認識されています。


マインドフルネス瞑想はなぜ健康維持に効果的なのか?
健康とは

ここまでで、瞑想の肉体と精神に対する健康効果を紹介してきました。

総じて、瞑想は西洋医学に置き換わるものではなく、あくまでも補完的なものとして位置付けされています。

では、マインドフルネス瞑想が健康維持に効果的だと言えるでしょうか?

これは健康の定義によって変わります。

健康とは

WHO(世界保健機関)の定義する「健康」とは以下の通りです。

「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。」(#7)

(参考#7. https://japan-who.or.jp/about/who-what/charter/)

マインドフルネス瞑想は健康維持に効果的

病気を治すことを目的とした場合、瞑想は西洋医学的な治療に対して補完的な手段となるかもしれません。

しかし、WHOの健康の定義を採用するならば、マインドフルネス瞑想の継続は肉体、精神、社会的に満たされた状態の維持に効果的であると言えるかもしれません。

 

1日10分から!マインドフルネス瞑想のやり方
マインドフルネス瞑想

1日10分あればできるマインドフルネス瞑想のやり方を紹介します。

座って行うマインドフルネス瞑想

1.楽な姿勢を探します
2.体をリラックスさせます
3.目を閉じ、ゆっくり呼吸を整えていきます
4.呼吸に意識を集中させます

寝た状態で行うマインドフルネス瞑想

1.仰向けに寝ます
2.心地の良いポジションを探します
3.目を閉じ、ゆっくり呼吸を整えていきます
4.呼吸に意識を集中させます
5.足先から頭のてっぺんまで、順番に体の各部位の感覚を確かめていきます


マインフルネス瞑想の詳しいやり方と実践する際のポイントはこちらの記事をご覧ください。
↓↓↓

瞑想の効果に科学的根拠はある?医学博士が代表的な効果の根拠を解説


歩きながら行うマインドフルネス瞑想


通常の歩幅で5-6歩歩けるスペースで、小股でゆっくり歩きます。

その時、足の感覚と重心の移動に意識を集中させます。


詳細はこちらの記事をご覧ください。
↓↓↓

歩行瞑想のやり方や効果を解説【DaiGo実践の歩行瞑想をマスター】



また、音声の誘導を聞きながら歩く瞑想を行う場合は、こちらのアプリをご活用ください。

RELOOKアプリ<「瞑想」タブ <「悩み別」<「マインドフルネス」<「マインドフルネス瞑想基礎」<「Day5 歩くマインドフルネス」


Relookアプリについてはこちらを参照してみてください。


まとめ

いかがでしたでしょうか?

一見怪しいイメージがある瞑想ですが、解説したように健康に良い効果がたくさんあります。

ぜひ一度瞑想してみてくださいね。



※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。