瞑想で集中力を高める



仕事中に気が散ってなかなか集中できない、集中力が続かないために時間ばかりかかってしまって効率が悪い。そんな経験していませんか?

そんなあなたにお勧めしたいのが近年注目を浴びている瞑想です。

瞑想にはさまざまな効果が実証されていますが、そのひとつが
集中力のアップです。

世界トップレベルのアスリートがトレーニングの一環として実践したり、いくつものグローバル企業が社内にメディテーションルームを設置したりと、さまざまなシーンに瞑想が取り入れられています。

ここぞというときに最高のパフォーマンスが求められるスポーツの試合や、効率と生産性が問われるビジネスシーンで必要となる集中力。

今回は、瞑想による集中力アップの効果について解説していきます。


瞑想と集中力の関係

私たちは普段の生活の中で、無意識のうちにあらゆることを考え、選択、判断、決断しています。

そのため、仕事や勉強中にも、頭の片隅で何か他のことを感が始めるのはごく自然なことです。

しかし、その「何か他のこと」に頻繁に気を取られてしまうと、「気が散っている」状態になり、集中力が途切れてしまうのです。

瞑想は、集中力や注意力をコントロールする訓練でもあります。

脳をリラックスさせて思考を整理し、ある対象に意識を向ける練習を繰り返し行うことで、あなたの脳は集中しやすい脳に変化していきます。

雑念に意識が向いた時にもそれにいち早く気が付いて、注意を戻すように練習するので、集中力を持続できるようになるのです。


世界的エリートも瞑想をしている

Apple社の創業者スティーブ・ジョブズ、Microsoft社の創業者ビル・ゲイツ、Panasonic社の創業者松下幸之助など、何人もの世界的大企業の創業者が瞑想を行っていました。

Google、Yahoo!、Nike、intelなどの世界的な大企業でも、オフィスに瞑想用のスペースが用意されていたり、社員が無料でマインドフルネスのプログラムに参加できるサービスが提供されています。

さらに、メジャーリーグのイチロー選手や、テニス世界ランク1位のジョコビッチ選手をはじめとした世界的トップアスリートも、トレーニングの一環として瞑想を取り入れています。

瞑想で圧倒的な成果を出す

「ゾーンに入る」という表現を聞いたことがあるでしょうか?特に、スポーツ選手が圧倒的なパフォーマンスを披露しているときに使われることが多いかと思います。

「ゾーン」とは、集中力が極限まで高まり、他の思考や感情、周囲の風景や音などが意識から消えて、感覚が研ぎ澄まされて、取り組んでいる活動に完璧に没頭している状態です。

そのような状態にあると、スポーツに限らずあらゆる場面でハイレベルなパフォーマンスができるようになり、圧倒的な成果を生み出すことが可能となります。

瞑想を継続的に行うことで、「ゾーン」に入っているときのように集中力と判断力が高まり、必要な場面で自分にとって最高の力を発揮できるようになるといわれているのです。


なぜ瞑想なのか?


集中力を高めるにはさまざまな方法がありますが、世界中の多くの人々が瞑想を実践するのはなぜなのでしょうか。


少しの時間でもできる

瞑想のメリットのひとつとして、短時間でも効果を実感しやすいという点があります。

マインドフルネス瞑想はどのくらいの時間を行えばよいという決まりはありません。

1回につき20分程度続けるのが理想的という意見もありますが、実は1分間でも継続して行うと効果が期待できるのです。

また、歩きながら行う歩行瞑想は、慣れてくると、通勤中、犬の散歩中、買い物中など、普段の生活の中に取り入れやすくなります。

多忙な現代人でも、日常生活の中で習慣化しやすいというのは大きなメリットですね。


脳科学によりその効果が証明されている

近年、瞑想と脳の関係について科学的な研究がさかんに進められています。

特にマインドフルネスが脳に及ぼす影響を検証した論文が多く、これまでに世界中の大学や研究機関から40本近くの論文が出版されています。


いずれの研究でも、脳MRIなどの画像検査を使って、マインドフルネス瞑想を実施する前と実施した後の脳の各部位の活動量や密度などを専門的に検証しています。

その結果、マインドフルネス瞑想を継続的に行うことで、
学習記憶感情の抑制などに関連する脳の部位が活発化し、機能が向上したとされています。

出典: file:///C:/Users/Kazumi%20Ota/Downloads/GotinkMeijboometal2016.pdf


集中力を高める瞑想のやり方

場所

瞑想は屋内でも屋外でも実践できます。

注意力が散漫にならにように、特に初心者のうちは、人の行き来が少ない静かな場所を選び、室内の場合は周辺を整理整頓しましょう。

また、寒すぎたり暑すぎたりしないように、適度な温度を保ちます。

できれば毎回同じ場所で行うと集中力が高まりやすいのでおすすめです。

例えば、寝室に敷いたヨガマットの上、リビングルームの座り心地のよい椅子、人通りの少ない公園のベンチなど、居心地が良く、気持ちが落ち着く場所を選び、そこをあなたの「瞑想スポット」として定めます。


準備



瞑想を行うにあたって気分を切り替えリラックス効果を高めるために、リラクゼーションミュージックを流したり、室内の場合はキャンドル、エッシェンシャルオイル、お香などを使用したりするのもおすすめです。

音楽を流す際には、自分にとってリラックス効果の高い音楽を選びましょう。

YouTubeにはさまざまなヒーリングミュージックが配信されていますので、手軽に取り入れることができます。

夜の瞑想にはキャンドルの灯も適しています。

キャンドルのゆらゆらと揺れる炎はリラックス効果があるといわれており、瞑想のための空間作りにおすすめです。

アロマキャンドルでさらにリラックス効果を高めたり、本物のロウソクの代わりにLEDキャンドルを使用してもよいでしょう。

エッセンシャルオイルやお香を使用することで、気分を切り替えたり集中力を高めたりする効果も期待できます。

目的によって適している香りが異なりますので、何種類か用意しておき、その日の気分によって使い分けるのもよいでしょう。

このように瞑想の準備をすることで、瞑想を始める前に気分を切り替え、より集中しやすくなります。

 ポイント

頭に浮かぶ考え事を受け入れる

瞑想中に集中しようとしても、いろいろな考え事が浮かんできてしまうでしょう。

これはいたって自然なことです。

「今、考え事をしていたな」と気が付いても、無理にその考えを追いやろうとせずに受け入れます。

その際、「良い」「悪い」という評価をしないことが大切。自分の今この瞬間の状態を冷静に客観視しながら観察します。

浮かんできた考えから次々と考えを膨らませないように、再び意識を向けるべき対象に注意を戻します。


継続がカギ

マインドフルネスな状態に近づくためには、継続することが重要です。

しかし毎日続けるのは難しいという方も多いのではないでしょうか。

そんなときは、瞑想を行う時間と場所を決めて実行すると、日常生活の中で習慣化しやすいといわれています。

例えば、お風呂に入る前にリビングルームでやると決めて実践することで、日常生活の中に自然と溶け込みやすくなります。

瞑想アプリを活用する

瞑想のやり方を解説する書籍やYoutubeの動画など、瞑想を始めるにあたってたくさんのツールがありますが、手軽かつ効果的に瞑想を行いたいならば、瞑想アプリがおすすめです。

目的やその日の気分に合わせて瞑想の種類を選ぶことができますし、スマホにインストールしてあればいつでもどこでも実践することが可能です。

瞑想アプリを利用しながら瞑想を実践すると、ひとりで行うよりも集中力が高まり、瞑想の効果がよりアップするといわれています。

さらに、多くの瞑想アプリにはリマインダー機能や記録機能が搭載されているため、瞑想を継続しやすいのもポイントです。

たくさんの瞑想アプリがありますが、その中でも「Relook」は、瞑想やリラクゼーションの専門家が制作に携わっており、初心者はもちろんのこと、瞑想を数年続けているような経験者でも満足できるようなコンテンツが充実しています。


Relookアプリについてはこちらを参照してみてください。


 実践


ここではマインドフルネス瞑想のやり方をご紹介します。

「調身」姿勢を整える

マインドフルネス瞑想はさまざまな体勢で行うことができます。

寝る、座る、立つ、歩くなど、自分の好きな体勢を選びましょう。

横になって行う場合には、つま先から頭の先までできるだけまっすぐになるようにベッドやヨガマットの上に横になり、腕は身体に沿って楽に伸ばします。

手のひらは天井の方向に向けて軽く開きます。

座る体勢の場合、どのような座り方でもよいので自分が心地よいと感じる座り方を選び、姿勢を正しつつリラックスして座ります。手は両膝の上におきましょう。

歩きながら行う歩行瞑想の場合には、歩き始める前に全身をリラックスさせて、数回深呼吸をします。

そして、地面に触れている足裏の感覚に意識を集中させます。



「調息」呼吸を整える

体勢を整えたら、続いて呼吸を整えましょう。

リラックスして息を深く吸い、ゆっくりと吐きます。

深い呼吸を2~3回繰り返したら、ゆっくりと腹式呼吸を始めます。

瞑想中は自然な呼吸の長さを維持しますので、無理に息を深く吸ったり、全部吐ききったりする必要はありません。

寝る体勢あるいは座る体勢のときには、深呼吸と同時に目を閉じます。

目を開けていると視覚情報が多くなって、雑念が湧きやすくなってしまいます。

 

「調心」心を整える

続いて、意識を向ける対象を決め、その対象の「今」の状態に集中します。

意識を向ける対象となるのは基本的に自身の呼吸ですが、歩行瞑想を行う場合には自分の身体の各部位の動きや、足裏の感覚に意識を向けます。

瞑想アプリや音楽と共に瞑想を実践する際には、音声ガイダンスや音楽に集中するとよいでしょう。


瞑想の5大効果



①集中力の向上

カリフォルニア大学のデーヴィス校に在籍する研究者たちの実験によると、瞑想の訓練を行なったグループは行わなかったグループと比べて、より集中した状態で単純課題に取り組むことができていました。

集中力が向上すると仕事の効率や生産性が向上し、プレゼンテーションや商談などで力を発揮しやすくなりますね。

出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3132583/pdf/nihms300783.pdf


②ポジティブ思考の促進

瞑想には、イライラや罪悪感といったネガティブな感情を減らし、ポジティブ思考を増加させる効果があるとわかっています。

仮に同じ出来事が起こったとしても、出来事自体をどう捉えるのかは個人個人の考え方次第で大きく異なります。

マイナス面ばかりを見てしまうと心配、怒り、不安、怒りのような負の感情が沸き上がってストレスに繋がりやすくなりますが、逆にプラス面を見ることができればストレスが軽減し、安定した精神状態が続きやすくなります。

出典:www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5397480/pdf/fpsyg-08-00551.pdf


③睡眠の質が向上

南カリフォルニア大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究グループは、瞑想と睡眠の関係を調べました。

6週間マインドフルネス瞑想を継続して実践したグループと、瞑想を実施しなかったグループで睡眠の質を比べたところ、瞑想を実施したグループは夜の睡眠の質が明らかに向上し、それに伴って日中の疲労感と気分の落ち込みが改善したとされています。

(引用)出典: www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4407465/pdf/nihms680970.pdf

良質な睡眠をとれるようになると、身体が疲労から回復できるだけでなく、心の状態も安定しやすくなり、また脳も休められるため結果的に集中力が高まると言われています。

さらに、質の良い睡眠によってホルモンバランスが整えられるため、ダイエット効果や艶のある美肌に近づくなどの美容効果も期待されます。


④ストレスの軽減

脳に浮かんでくるさまざまな考えを整理して、脳をリラックスさせることも瞑想の主な効果のひとつです。

脳の中の雑多な考えが整理されると、今は何が大切なのか、何に集中すべきなのかが明らかになり、ストレスの軽減につながります。

また、上述したようにネガティブ思考が減ってポジティブ思考に切り替わっていくことで、こころも負担も軽くなり、ストレスの軽減が期待できます。


⑤自分自身についての理解が深まる

瞑想中に浮かんでくる雑念を鎮めようとしても、あらゆる考え事が湧いてくるでしょう。

もしかしたら大切に思っている誰かのことや、自分の幼少期のことかもしれません。

そのような考えとゆっくり向き合うことで、何か気づきを得て、今の自分に必要な思いや考えが分かってくることもあると言われています。


他にもいろんな効果が

アメリカやイギリスをはじめとする諸外国では、医療現場でも瞑想を取り入れた介入が行われています。

血糖値の安定、副交感神経系の活動が促進されることによる消化機能の改善、血圧の低下などの身体的な効果だけでなく、病気と闘う人々の不安、ストレス、ネガティブ思考を軽減してポジティブに前向きな気持ちに変える効果もあるとされているのです。

さらに、感情のコントロールや自己規制にも効果が認められていることから、薬物依存者へのプログラムやアンガーマネージメントにも瞑想が取り入れられています。


まとめ

世界トップレベルのアスリートやグローバル企業で活躍するエリートビジネスマンも効果を実感し、多くの人々が愛好している瞑想。

継続して取り組むことで、集中力が研ぎ澄まされて仕事や勉強のパフォーマンスアップが期待できます。あなたも今日から実践してみませんか。



※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。