瞑想と仕事と幸福度

瞑想が仕事に良い影響を及ぼすという話は聞いたことがあるかもしれません。 実際、瞑想をおこなうことで仕事中の集中力が増し、パフォーマンスが向上するといった研究はいくつもみられます。  

今回はもう一歩踏み込んで、瞑想をおこなうことにより仕事に関連する幸福度(work-related well-being)が向上するといった研究について紹介します。

ワーカホリック-仕事中毒-

働きすぎの日本人

日本人は働きすぎだといった話を耳にしたことがあるでしょう。 働き方改革により日本人一人あたりの労働時間は減少傾向にあるものの、依然として過労死が社会問題になるなど、日本人の仕事への向き合い方には課題が残ります。   OECDでは、生活の豊かさや幸福度を示す新たな指標として「Better Life Index」を作成し、OECDに加盟する36ヶ国間の比較を行っていいます。その判断基準としているのは、「住宅・収入・雇用・コミュニティ・教育・環境・市民活動・健康・生活の満足度・安全・ワークライフバランス」の11項目で、そのトータルで判定した日本の幸福度は、36ヶ国国間中の23位と低い順位になっています。

一方で幸福度のランキングが高いのは、ノルウェーやオランダなどですが、それらの国に共通した特徴は、ワークライフバランスの満足度が高いことです。日本の労働者は、「働く時間と場所」を自分の裁量で決めることができず、給料が伸びる見込みも少ないが、仕事の責任は重い、という3重苦によって、強いストレスを抱えています。   このように、日本人は常に「働かなければならない」と感じ、家庭や自分の健康を犠牲にしてまでも仕事をやりすぎる状態にある人が多いと言われています。このような状態を、仕事(work)とアルコール中毒(alcoholic)の2つの言葉を組み合わせて、ワーカホリック(workaholic)または仕事中毒と呼びます。  


ワーカホリックの評価スケール

2012年、Andreassenらはワーカホリックのレベルを評価するためにBergen Work Addiction Scale(BWAS)という評価スケールを開発しました。 その評価方法は、以下の7つの質問に対して、
  ・一度もなかった(1点)
  ・たまにあった(2点)
  ・時々あった(3点)
  ・しばしばあった(4点)
  ・常にあった(5点)
の中から該当するものを選択します。

そして4つ以上、しばしばあった(4点)または常にあった(5点)が該当すれば、あなたはワーカホリックということになります。
  <Bergen Work Addiction Scale(BWAS)>


1.どうすればもっと仕事に時間を割くことができるか考えることがありますか?

2.予定していたよりも長い時間、働くことがありますか?


3.あなたは罪悪感や不安感、無力感、抑うつ気分を解消するために働いていますか?

4.他人から仕事を減らすように忠告されても働き続けたことがありますか?

5.仕事をすることを禁じられるとストレスを感じますか?

6.趣味や余暇活動、運動よりも仕事を優先しますか?

7.働きすぎによる悪影響を感じたことはありますか?  

(引用:Andreassen C.S et al. Development of a work addiction scale. Scandinavian Journal of Psychology, 2012. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/j.1467-9450.2012.00947.x

瞑想と仕事関連well-being

幸福には様々な定義がありますが、身体的、精神的、また社会的に満たされた状態が真の幸福であり、その状態を「well-being」と呼びます。瞑想がwell-beingを向上させるという研究はいくつかみられますが、今回は瞑想が仕事に関連したwell-beingに及ぼす影響を調べた研究を紹介します。  

Gordonらは、73人のワーカホリックを瞑想意識トレーニング(meditation awareness training;MAT)を行う群(瞑想群)と瞑想を行わない群(対照群)に分け、瞑想を実践する期間の前後と瞑想終了3ヶ月後にワーカホリック評価スケール(BWAS)、仕事の満足度、抑うつなどの心理評価、仕事への活力や熱意、就労時間について調べました。 MATとは、より気づきに重きを置き、思考を操作することによって気分や感情を改善しようとする第2世代のマインドフルネスに含まれます。このMATセッションを週に1回の頻度で8週間実施し、それ以外にも被験者は座位での瞑想などを実施しました。  

その結果、瞑想群はワーカホリックの評価スケールであるBWASの値が瞑想期間後に平均約8点も改善し、この効果は瞑想終了3ヶ月後も持続していました。 また同様に、仕事への満足度を評価するAbridged Job in General Scal(AJIGS)、抑うつや不安・ストレスのレベルを評価するDepression, Anxiety and Stress Scale(DASS)も瞑想期間後に改善がみられ、3ヶ月後も持続していました。これらの結果から、ワーカホリックの被験者が8週間の瞑想を実践することにより仕事関連well-beingが向上したことが示唆されます。 さらに、仕事に対する活力や熱意(work engagement)が向上しながらも、実際の就労時間は短くなりました。

仕事に対する熱意は失うことなく、就労時間が短くなっていることから、
瞑想を行うことによりワーカホリックが改善し、仕事の効率が上がると予想されます。
(引用:Gordon W.V et al. Meditation awareness training for the treatment of workaholism: A controlled trial. J Behav Addict, 2017. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5520118/pdf/jba-06-02-021.pdf)

 


まとめ

今回は日本人が陥りがちなワーカホリックと、ワーカホリックに対する瞑想の効果について紹介しました。 働きすぎだと感じていながらも働かずにはいられず、自分がワーカホリックかもしれないと感じている方は、短い時間で瞑想の効果が得られる瞑想睡眠アプリRelookを使って、仕事に関連するwell-beingを高めるのも良いかもしれません。是非一度、試してみてください。

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※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。