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瞑想で睡眠不足を解消できるのか?
睡眠不足に悩まされていませんか?
疲れているのに眠れない、朝に目覚めても頭がボーっとしてスッキリしないという日が続くと辛いですよね。
そんな睡眠不足を解消するオススメの方法が瞑想。
今回は、瞑想と睡眠不足について解説します。
結論
瞑想には、日ごろから忙しく働いている脳の働きを鎮めてリラックスさせ、自律神経を整える効果があることが分かっています。
その結果、ストレスや悩み事が減って寝つきが良くなる、睡眠の質がアップして目覚めが良いなど、睡眠不足の解消に有効だといわれています。
また、瞑想を習得すると、瞑想を実施した直後だけでなく、その後数か月間にわたって睡眠の質が持続したと実感する人が多いことから、瞑想には長期的な効果もあることが明らかになっています。
睡眠不足が体にもたらす悪影響
ストレスの増大
人は寝不足の状態になるとストレスを感じやすくなり、イラつきやすくなるといわれています。
ストレスはこころと身体の負担となり、その疲労によって機嫌が悪くなったり、神経が敏感になったりしてしまうのです。
免疫システムの低下
十分な睡眠が取れない状態が続くと自律神経やホルモンのバランスが崩れ、免疫機能の低下につながります。
そうすると体調を崩しやすくなったり、肌トラブルが出やすくなったりするのです。
体重増加
寝不足によって自律神経が乱れると、脂肪の燃焼を促すアドレナリンや、満腹中枢を刺激するレプチンというホルモンの分泌が正常に機能しなくなり、食べ過ぎを招いたり、痩せにくく太りやすい体質になったりしてしまいます。
集中力・認知機能の低下
睡眠不足の状態では脳がきちんと休めていないため、集中力低下の一因になりかねません。
また、認知機能も鈍るため、新しい情報を覚えたり、思い出したりすることも難しくなりがちです。
その結果、仕事などでの人為的なミス、業務パフォーマンスやコミュニケーションの質の低下などを招いてしまいます。
事故やケガを招きやすい
睡眠不足によってエネルギー不足に陥ると、身体に疲労が蓄積されて反射神経が鈍りがちになります。
また、上述したように集中力も低下して注意力が散漫になるため、車の運転や機械操作などでミスを犯しやすくなります。このように寝不足は事故やケガを招く一因となることもあります。
瞑想が睡眠に与える効果
①寝つきが良くなる
20代から70代の男女10,000人に対して行われた睡眠に関するアンケート調査によると、睡眠を妨げる要因として過半数の回答者が「何らかの悩みが原因で眠りにつくのが辛かった」と答えており、特に女性では男性よりもその割合が多いとされています。
具体的には、20代では「将来・恋愛」、30代では「職場での人間関係・将来・育児・恋愛」、40代では「育児」、50代では「健康」が主な悩みとしてあげられています。
このように女性は男性よりも各ライフステージに伴う悩みを抱える傾向が高く、それが精神的なストレスとなって睡眠を妨げる一因となっているようです。
一方、20代から40代の男性では「職場・学校での成績・評価」、50代では「職場・学校での同僚・友人関係」の悩みが最も大きい割合を占めています。
瞑想の中でも特にマインドフルネス瞑想には、イラつきや罪悪感などのネガティブな思考を減らしてポジティブ思考を増加させる効果があるといわれています。
そのため、マインドフルネス瞑想を続けることで、布団に横になったときに頭に浮かぶネガティブな考えが減少し、それに伴って寝つきの改善が期待できるのです。
出典:西川 睡眠白書2020~日本人の睡眠調査~
www.nishikawa1566.com/company/laboratory/hakusyo2020.pdf
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5397480/pdf/fpsyg-08-00551.pdf
②睡眠の質がアップ
南カリフォルニア大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームは、49名の中高年を対象にマインドフルネス瞑想が睡眠に与える影響を研究しました。
その結果、マインドフルネス瞑想を実施したグループは、実施しなかったグループに比べて夜の睡眠の質が明らかに向上し、日中の疲労感と気分の落ち込みが改善した、とされています。
出典: www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4407465/pdf/nihms680970.pdf
瞑想によってストレスを軽減することで、自律神経の働きが正常に保たれやすくなります。
自律神経には、活動時や緊張状態にあるときに優位になる交感神経と、寝ているときやリラックスしているときに優位になる副交感神経があり、一方が優位に立っている時にはもう一方の働きが抑えられます。
私たちが健康的な生活を送るためには、日中と夜間で交感神経と副交感神経がうまく切り替わることが理想ですが、ストレスが多く脳が常に忙しく働いて覚醒している状態だと交感神経が優位になり続け、眠りが浅くなったり、夜中に何度も目を覚ましたりして、ゆっくりと休むことができなくなります。
その結果、朝起きても疲労感が残っていたり、スッキリと目覚めることが難しくなったりしてしまうのです。
瞑想によって自律神経を整え交感神経と副交感神経のバランスを保つことで、睡眠中に脳が休まり質の良い睡眠を得やすくなります。
③効果が持続
米国のメリーランド州やニューヨーク州の研究者たちの報告によると、マインドフルネスプログラムに参加した人たちは、プログラムを実施した直後だけでなくプログラムが終了した5カ月後から12ヶ月後にも、良質の睡眠が取れていると実感しているという結果でした。
その理由として研究者たちは、マインドフルネスプログラムに参加することで、睡眠の質を改善するための方法を学ぶことができる、「睡眠構築」と呼ばれるレム睡眠とノンレム睡眠のバランスが変化する、さらに睡眠に関連する脳の部位の形や伝達が改善されるため、などをあげています。
出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4407465/pdf/nihms680970.pdf
5分やるだけ!寝ながらできるお手軽瞑想法
瞑想にはさまざまな種類ややり方がありますが、ここではマインドフルネス瞑想のやり方をご紹介します。
横になるマインドフルネス瞑想のやり方
「調身」姿勢を整える
横になってマインドフルネス瞑想を行うには、足の先から頭の先までできるだけ一直線になるように横たわります。
手のひらは天井の方向に向け、リラックスさせて自然に開きます。
「調息」呼吸を整える
次に呼吸を整えます。リラックスして深い呼吸を1~2回行ってから、腹式呼吸をゆっくりと始めます。
息を無理に深く吸ったり、吐ききろうとせず、自然な呼吸の長さを維持しましょう。
深呼吸と同時に目を閉じます。目を開けていると、脳に送られる情報量が多くなり雑念が湧きやすくなるためです。
「調心」心を整える
呼吸を整えたら意識を向ける対象を決めます。
自分の呼吸に集中するのが基本ですが、瞑想アプリや音楽を聴きながら瞑想を行う場合は、音声や音楽に集中するのもひとつの方法です。
呼吸に意識を集中させる場合には、空気が鼻やのどを通り抜ける感覚や、腹式呼吸によってお腹が動く感覚などに集中します。
瞑想を行う際のポイント
場所選び
部屋にものが散乱していたり騒音が気になると、集中することが難しくなりますので、特に初心者のうちは、人の往来が少ない落ちついた場所で瞑想を行いましょう。
服装や冷暖房器具を利用して、心地よい気温を保つのもポイントです。
準備
瞑想する場所を選んだら、そこを自分の「瞑想スポット」として整えて瞑想の準備をすることで、気分を切り替えて瞑想に入りやすくなります。
リラックス効果を高めるために、リラクゼーションミュージックを流したり、キャンドル、エッシェンシャルオイル、お香などを使用したりするのもおすすめです。
音楽を流す際には、自分にとって心地よくリラックスできる音楽を選びましょう。
Youtubeでも多くの種類のヒーリングミュージックを視聴することができますので、自分の好きな音楽を試してみましょう。
キャンドルの柔らかな光だけで瞑想を行ってみてください。
ゆらゆらと揺れるキャンドルの炎はリラックス効果を高めるといわれており、瞑想のお供に適しています。
アロマキャンドルやLEDキャンドルを使用するのもよいアイディアです。
エッセンシャルオイルやお香を使用して、香りで気分を切り替えたり集中力を高めてみてはいかがですか。
さまざまな香りのエッセンシャルオイルがありますので、いくつか用意しておいて、その日の体調や気分に合わせてミックスさせてもよいでしょう。
このように瞑想の準備をすることで、瞑想を始める前に気分を切り替え、より集中しやすくなります。
雑念を無理に取り除こうとしない
瞑想中に意識をある一点に集中させようとしても、つい雑念が湧いてしまうと思います。
これはごく自然なことです。
無理に雑念を取り去ろうとせずに、「今、雑念が湧いてきた」と自分で気が付いて受け入れます。
その際に大切なのは、「良い」「悪い」という評価をせず、自分の状態や経験を客観的に観察します。
そして、湧いてきた雑念から次々と考えを膨らませないように、再び意識を向けるべき対象に注意を向けましょう。
雑念は自分自身の理解を深める手段でもあります。
瞑想中になるべく自分の思考を鎮めようとしても浮かんでくるいろいろな考えとゆっくり向き合うことで、今の自分に必要な思いや考えが分かってくるとも言われています。
継続がカギ
瞑想の効果を実感するには毎日続けることが重要です。
分かってはいるけど、なかなか続かないという方も多いのではないでしょうか。
瞑想を行う時間と場所を決めて実行すると比較的続けやすいといわれています。
例えば、朝起きたらリビングルームの窓際でやる、と決めて実行することで、毎日のルーチンの一部として取り入れやすくなります。
瞑想アプリの使用
正しく効果的な瞑想をサポートしてくれる瞑想アプリも便利です。
瞑想アプリには瞑想の基礎やコツなどを提供する音声コンテンツが搭載されており、瞑想のやり方を音声でガイドしてくれます。
瞑想アプリを聞きながら瞑想を行うと、集中力が高まりやすく瞑想の効果がアップするといわれています。
さらに、多くの瞑想アプリには記録機能が搭載されていたり、継続を応援するメッセージが表示されたりと、瞑想を継続して習慣化できるような工夫もされていますので、おすすめです。
瞑想アプリ「Relook」は、瞑想やリラクゼーションの専門家が監修、あるいは制作に携わっており、目的に合わせて複数のコースが用意されています。
初心者はもちろんのこと、瞑想の経験者でも満足できる充実した内容です。
Relookアプリについてはこちらを参照してみてください。
睡眠不足は寝て解消するのが1番
寝つきが悪い、夜中に何度も目を覚ましてしまうなどの睡眠トラブル、あるいは、睡眠不足のせいで日中に眠気に襲われる、やる気が出ない、頭痛がする、など起きている間のさまざまな不調に対して薬やサプリメントで対応している方も多くいるでしょう。
しかし、それでは睡眠不足という根本の原因は解消されません。薬によって一時的に症状が改善されても、生活スタイルを変えない限りまた繰り返してしまいがちです。
睡眠不足や睡眠不足による心身の不調は、寝て解消するのが1番。
これまで薬やサプリメントを常用していたという人でも、瞑想を継続して実践することで、徐々に服用量を減らすことができたり、内服をしなくても眠れるようになったりと、健康的な生活習慣が身に付きやすくなります。
まとめ
継続することで、睡眠不足の解消だけでなく、集中力のアップや美容促進など、さまざまな効果が期待できるといわれる瞑想。
日常生活に手軽に取り入れられる瞑想のやり方もたくさんあるので、さっそく今日から始めてみませんか?
※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。