スマホ瞑想アプリは本当に効果があるのか?


この記事を読んでいる方なら、瞑想の効果が多くの研究で既に実証されていることはご存知かもしれません。
実際、このメディアでも紹介しているように、瞑想をすると集中力が上がったり、ネガティブ感情が改善されたりする効果があることが繰り返し確認されています[1]。
それを受けて、実際に瞑想を取り入れている人も多いかもしれません。

でも、こんな不安を持ったことはありませんか?
本当にこのまま瞑想を続けていて効果が出るのだろうか。
自分のやり方は合っているのだろうか。

実際、これまでの多くの瞑想研究で対象にされてきたのは、何年もお寺で修行を積んできたお坊さんであることが多いです。
そうでなくても、瞑想のプロのような人に指導を受けて8週間マインドフルネスを訓練するMBSRなどと呼ばれる手法をとっていることもあります。

そういう本格的な瞑想訓練に効果があることは確かかもしれませんが、あなたが日常で確実に効果的な瞑想ができているかはわかりません。

その不安を解消するために、最近では瞑想アプリが普及してきました。
瞑想のプロがするような指導を、スマホで簡単に受けられるようにするものです。

それなら安心なような気がしますが、果たしてスマホアプリでの瞑想でも本当に効果があるのでしょうか。
この記事では、スマホ瞑想アプリに本当に効果があるのかを検証した論文を紹介していきましょう。

研究内容


今日紹介する論文は、2019年に報告されたばかりの新しい論文です[2]。
ニュージーランドのオタゴ大学にある研究チームが報告したこの論文では、208名もの大学生を実験参加者に集めました。
彼らは、3種類のアプリのうち1つを実際に使うよう指示されます。

そのアプリとは
Headspaceという瞑想アプリ
Smiling mindという瞑想アプリ
Evernoteというノートアプリ
の3つでした。

瞑想アプリを使った大学生に効果があれば、瞑想アプリは効果的だということになります。
比較対象として、一部の大学生にはEvernoteというノートアプリを使ってもらいました。

ちなみに、いくら瞑想アプリといえども1日に1時間も2時間も使うのは大変です。
ということで、彼らには1日10分という短時間のアプリ使用を10日間するよう指示しました。
これなら誰でも簡単に実践できそうですね。

結果、アプリでの瞑想は本当に効果的だったのでしょうか?

研究結果


統計解析をかけた結果を見ていきましょう。
より効果があった方を以下にまとめていきます。

うつ症状 瞑想アプリ
不安症状 有意差なし
ストレス 有意差なし
レジリエンス* 瞑想アプリ(Smiling mindのみ)
活発さ 有意差なし
大学での適応** 瞑想アプリ
マインドフルネス度合い*** 瞑想アプリ(Headspaceのみ)

*レジリエンス:打たれ強さ、嫌なことがあっても立ち直る力
**大学での適応:大学で順調に生活を送れているかどうか
***マインドフルネス度合い:どのくらい「今ここ」に集中し、雑念がないかどうか

というわけで、概ね瞑想アプリで良い効果が得られており、Evernoteの方には効果的な項目がありませんでした。

これは凄い結果です。
たった10日間、たった10分だけ瞑想アプリを使うだけで、ネガティブな感情が改善したり大学生活を有意義に送ることができるようになることが明らかになったのです。

ただし、不安症状やストレスなどは通常の瞑想で効果が得られることが報告されることの多い項目ですが、今回は有意な効果は見られませんでした。
また、レジリエンスについてはSmiling mindに、マインドフルネス度合いの改善についてはHeadspaceに軍配が上がった模様です。

このあたりに関しては、10日間という実践期間の短さが影響している可能性もありますね。
もっと長い期間使えば、両者に明確な効果が見られるようになりそうです。

いずれにしても、これなら片手間で瞑想アプリを始めるだけでもあなたの生活がよりよいものになっていく可能性は大いにあるでしょう。

また、中には「瞑想アプリって使えば使うほどいいの?」という疑問も持つ人もいるかもしれません。
この点についても解析が行われていて、瞑想アプリを多く使った人ほど大学への適応やマインドフルネス度合いが有意に改善されていく傾向が明らかになりました。

メタ分析


ここまでで、スマホアプリでの瞑想にはどうも本当に効果がありそうだということがわかってきました。
しかし、研究論文というのは必ずしも正しいと言い切ることはできません。
時には間違った情報や偶然得られた結果がが報告されてしまうこともあります。

そこで、そのような可能性をできる限り排除するためにメタ分析という手法があります。

メタ分析とは、複数の論文をまとめて精査するという研究手法のことです。
ただでさえ信頼性の高い論文を何本もまとめて解析するため、特に精度の高い研究手法であると考えられています。

実は、スマホ瞑想アプリが効果的であるかどうかを検証したメタ分析の論文[3]が2019年に報告されているので、それを見ていきましょう。
この論文では、66報ものRCT(詳細は省きますが、これもまた信頼度の高い研究手法です)研究の論文を集めてきて、それらの結果をまとめて検討しました。
その結果、うつ傾向や不安症状、ポジティブ感情などの項目がが統計的有意に改善されるということが明らかにされました。

このことから、スマホでの瞑想アプリであってもしっかり改善効果が得られるということは信じてもよいのではないでしょうか。

Relookのススメ


それじゃあスマホ瞑想アプリをさっそくダウンロードしてみようという方もいるかもしれませんね。
少し残念かもしれませんが、上記論文で研究対象となっていたHeadspaceやSmiling mindは、日本語版は出ていません。

そこで、手前味噌ですが弊社のRelookアプリがおすすめです。
Relookアプリでは全編日本語で、数え切れないほどのコンテンツがあります。

実は、この記事の筆者は多少英語がわかるのでHeadspaceなどのアプリも試してみたりしたのですが、Relookのコンテンツは決してHeadspaceに劣っていません。
それどころか、細部までこだわられた多彩なコンテンツは日本ならではと言ってもいいかもしれません。

声優さんの声ひとつとっても、とても落ち着くようにできています。
空いた時間にさっと使ってみようと思える使いやすさも魅力です。
何より、カスタマーサポートが充実していて、お客様からの声は全て目を通して改善に繋げられています。

おまけに日本催眠術協会理事制作の、催眠を利用して睡眠を改善する、なんていうコンテンツもあり、楽しく続けることができます。

実は、別の論文で瞑想アプリの効果を得るためには、そのアプリを楽しめたかどうかが重要、なんていう研究結果が報告されていたりします[4]。
なので、Relookの充実したコンテンツはきっと皆さんに良い効果をもたらすはずです。是非下記のリンクを参照してみてください。

Relookアプリについてはこちらを参照してみてください。

まとめ


スマホの瞑想アプリも効果的ということが伝わったでしょうか。
世の中にはあまりにも情報があふれていて、何を信頼していいのか分からなくなることもありますよね。
でも、今回紹介した情報は全て信頼のおける研究に基づいています。

もちろん、論文だから必ず信頼できる、なんていうことはありません。
最後はあなたが実際に試してみて、効果を実感してみてください。
きっと良い効果が得られるはずです。

※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。


引用文献

[1] Eberth, J., and Sedlmeier, P. (2012). The Effects of Mindfulness Meditation: A Meta-Analysis. Mindfulness (N. Y). 3, 174–189.

[2] Flett, J.A.M., Hayne, H., Riordan, B.C., Thompson, L.M., and Conner, T.S. (2019). Mobile Mindfulness Meditation: a Randomised Controlled Trial of the Effect of Two Popular Apps on Mental Health. Mindfulness (N. Y). 10, 863–876.

[3] Linardon, J., Cuijpers, P., Carlbring, P., Messer, M., and Fuller-Tyszkiewicz, M. (2019). The efficacy of app-supported smartphone interventions for mental health problems: a meta-analysis of randomized controlled trials. World Psychiatry 18, 325–336.

[4] Howells, A., Ivtzan, I., and Eiroa-Orosa, F.J. (2016). Putting the ‘app’ in Happiness: A Randomised Controlled Trial of a Smartphone-Based Mindfulness Intervention to Enhance Wellbeing. J. Happiness Stud. 17, 163–185. Available at: http://dx.doi.org/10.1007/s10902-014-9589-1.