「リラックスしたい」と感じたら、どんなことをしていますか?

温泉に入ったり、マッサージを受けたりしているかもしれません。

どちらも癒されて、とてもいい気持ちになりますね。

しかし、その効果を実感できるのは一瞬。
長く続かないと思いませんか?

日常に戻ると再びストレスに翻弄され、緊張が続く状態に戻ってしまいます。


そこで、「瞑想」をオススメします。
効果が長く感じられるリラックス法です。


瞑想は、その場でリラクゼーションが得られるだけではありません。
続けることで、脳がストレスに強くなります。
だから、瞑想の後もリラックスした状態をキープしやすくなっていきます。

今回の記事は、お疲れ気味のあなたを手助けするためのものです。

 

瞑想のリラクゼーション効果とは?

 

リラクゼーションの定義

リラクゼーションとは、心身が緊張から解放され、リラックスしている状態のことです。

リラックスすることで、呼吸や心拍数は落ち着き、気持ちは穏やかで、幸福感に満たされます。

この状態を、リラクゼーション反応と言います。

米国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、
リラクゼーション反応を得ることで、うつ病、消化器疾患、頭痛、高血圧、不眠症など様々な症状が緩和されることを示唆しています。

リラクゼーションは、2種類に分けられます。

(1)他者に施術してもらうタイプ:マッサージ、エステ、アロマテラピーなど

(2)自分で心身を鍛えるタイプ:ヨガ、瞑想など

 

なぜ瞑想でリラクゼーション効果を得られるのか

ストレスを感じると、脳が「戦うか、もしくは逃げろ!」と指令を出します。

その指令によって、アドレナリン等の体を活性化させるホルモンが脳から放出されます。

ホルモンの影響で交感神経が活発に働き、拍数や呼吸数が増え、血圧が上がります。

早く走ったり、力をこめて武器を握るために、手足の筋肉や心臓などに血液が送りこまれるのです。

過去に強い怒りや極度の緊張で手足が震え、呼吸が浅くなり、心臓がバクバクとした経験はありませんか?

このような反応は普通のことで、短期間では問題ありません。
しかし、長期化してしまうと様々な不調を引き起こします。

交感神経が過度に働くことによって、体内のバランスが崩れてしまうのです。


反対に、リラクゼーション反応が起きている時の体の状態は、通称「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンやセロトニンなどのホルモンが分泌されます。

これらによって副交感神経が働き、心拍数や血圧を下げ、呼吸がゆっくりとなります。

酸素が体内に多く取り入れられ、気分が落ち着いてきます。


瞑想を行うと、呼吸がゆっくりと深いものに変わり、副交感神経が優位に働きます。

その為、体内でリラクゼーション反応が起こるのです。


また、「今、ここ」に意識を集中させることで、過去の反省や未来の不安などを考え続ける思考をストップ。
そうすることで脳が休まり、頭がすっきりします。


更に、頭がすっきりすると物事を客観的に捉えることができるようになります。

その結果、ストレスの原因をクリアな目線で認識し直し、根本的な解決に繋げることができます。


それだけではありません。


瞑想を習慣化させることで、脳内で「戦え!もしくは逃げろ!」と指令する部位(扁桃体)の反応が鈍くなることが分かっています。(引用論文:https://www.pnas.org/content/104/27/11483

 

以上の理由から、瞑想がリラクゼーション法としてとても優れている事が言えますね。

 

リラクゼーションヨガとは

リラクゼーションヨガは、体の緊張をほぐし、自律神経を整えることを目的としたヨガプログラムのことを言います。

運動量も少なく、体が硬い人からお年寄りまで、老若男女取り組むことが出来ます。

 

ヨガ中は腹式呼吸を行いながら、今の自分の体を観察し、どこがどんな風に伸びているかを感じながら行います。

そうすることで、自然と「今、ここ」に集中することが可能です。

マッサージと違い、筋力や柔軟性の改善、バランス感覚の向上も期待できます。

 

リラクゼーションヨガのやり方

bodyscan

自宅で簡単に行えて、リラックスできるヨガポーズを紹介します。

ポイントは「できているかどうか」を判断しないこと!

「自分が気持ちいいかどうか」、これを基準にしてください。

その為には全身の力を抜いて、リラックスしながら行うことが大切です。

 

例えば、「腕を真上に伸ばす」と書いてあった場合。

もしあなたが、腕を真上に伸ばしたら少し痛い、と感じるのであればすぐにやめましょう。


その代わり「ここまでだったら気持ち良いかな」と自分にとってベストの場所を探してください。

あなたにとってピッタリの場所は、あなたにしかわかりません。

自分をよく観察しながら行ってください。

無理をしている間は、リラクゼーション反応は起きません。
それどころかケガの原因になってしまうことも。

とにかく力を抜いて行うこと!

ではさっそくやってみましょう。

 

準備

ヨガマット、もしくは固めの布団の上などで行いましょう。

 

①肩の上下運動

あぐらで座ります。おしりの左右についている坐骨という骨をしっかりとマットに押し付けましょう。

頭のてっぺんで天井を押し出すようなイメージで背筋を伸ばします。

あごは軽く引いておきましょう。

 

息を大きく吸いながら、力を込めて、肩を耳の近くに、ぐーっと近づけましょう。

口からふーっと息を吐きながら脱力します。

これを3回ほど繰り返しましょう。

 

※意識を向けるポイント※

肩の力を抜き、あご、背中、お腹もゆったりとしているのを感じましょう。

背筋を過度に伸ばそうとすると、逆に力が入ってしまうので注意。

 

②扇のポーズ


左足を自分の中心に、右足は横に広げます。

右手を太ももの上に乗せるか、体が柔らかい方は親指を掴みましょう。
左手をまっすぐ上に伸ばします。

背筋を伸ばし、息を吸って吐きながら真横に倒し側屈します。

この時、おしりが手に引っ張られてマットから浮かないように気をつけましょう。

体が前傾し、腕が顔に被さらないようにしましょう。

 

※意識を向けるポイント※

わき腹が気持ちよく伸びるのを感じます。

肋骨も引っ張られ呼吸が楽になります。もし息苦しい場合は角度がきつすぎる証拠。

たくさん倒す事が目的ではありません。

 

③腕回し

側屈した状態で、大きく腕を回しましょう。

肩甲骨から連動させ回します。

息を吸いながら前、吐きながら後ろに回します。

肩が軽くなるまで行います。

 

※注意を向けるポイント※

肩甲骨の動きを感じます。

「ごりごり」という音がする人もいるかもしれませんが、肩甲骨と筋膜が癒着しているだけですので、積極的に動かしましょう。

痛みがある場合は気持ちが良い範囲で動かします。

 

②と③のそれぞれ反対側も行います。

 

④伸び猫のポーズ

四つんばいになります。

その位置から20センチほど前に手を付き直しましょう。

息を吸って吐きながら、脇の下をマットに近づけるように体を沈めます。

余裕があれば胸をマットにつけ、目線は指先を見ます。

きついようであればおでこをマットに付けましょう。

5呼吸ほどキープです。

 

※注意を向けるポイント※

脇の下から腕の伸び、そして肩甲骨が背骨に向かってぎゅっと寄っているのを感じましょう。

 

⑤コブラのポーズ

伸び猫のポーズから手の位置は変えず、体を前方に移動させます。

肩の真下に手のひらが来る位置まで来たらそのまま恥骨をマットに付け、息を吐きながら、ひじを伸ばし体の前方を伸ばします。

のど元も開放するように斜め上を見上げましょう。

腰が痛い人は角度を浅くします。

3~5呼吸キープします。

 

※注意を向けるポイント※

お腹がぐーんと伸び、胸が開いているのを感じましょう。

耳と肩の距離は遠くにしましょう。

おしりの穴に少し力を入れると腰をフォローしてくれます。

 

⑥ワニのポーズ

仰向けに寝転がります。

右ひざを立て、左の脚はまっすぐ伸ばしておきます。

左手で右ひざを外側から掴み、息を吸って吐きながら左側に向かってツイストします。

両肩がマットから浮かないように気をつけましょう。

顔と目線は脚と反対側です。

5~8呼吸キープします。

 

※注意を向けるポイント※

背中から腰にかけての広い範囲がねじれているのを感じましょう。

肩の重みと膝の重みで自然とストレッチが深まっていくのを感じます。

 

反対側も同様に行いましょう。

 

⑦最後にシャバ・アーサナを行います。

詳しいやり方は次の項目で。

 

瞑想のやり方

シャバアーサナ

「究極のアーサナ」とも呼ばれるシャバ・アーサナ。
日本語で屍のポーズと言います。

死体のように横になり、すべての感情や思考を手放すポーズです。

簡単で誰にでも行えるポーズですが、実は一番難しいポーズとも言われています。

やり方

仰向けに寝転がります。

足は腰幅程度に開きます。

肩の力を抜き、手のひらは上向き。脇の下はテニスボールほど空けておきましょう。

 

まず軽く手足、そして頭をゆらゆらと動かし、余分な力を抜いていきます。

動きを止めたら深呼吸をひとつ入れましょう。

 

まず右脚から意識を向けていきます。

足の指、足の裏、足の甲、足首、ふくらはぎ、膝、太もも、股関節、腰、背中

左脚も足先から腰まで順番に意識をむけ、一箇所ずつ『緩まっている』

のを感じましょう。

 

右の手と左の手も同様です。

指先、手のひら、手の甲、手首、腕、ひじ、二の腕、肩甲骨、肩、首、顔、頭

順番に一箇所ずつ『緩まっている』のを感じます。

 

もしどこか力んでいるところを見つけたら、その場所に酸素を届けるように大きく深呼吸をし、力みを開放しましょう。

 

そのまま仰向けで5分から10分間、深いリラックスに入ります。

もし布団の中であれば、そのままお休みください。

 

呼吸瞑想

座って瞑想

マインドフルネス瞑想の基本、呼吸瞑想の方法です。

 

あぐら、もしくはイスに浅く腰掛け、座ります。

まるで自分が富士山になったように、堂々と座りましょう。

こうすることで自然と背筋が伸びます。

 

軽く目を閉じ、自分の呼吸に意識を向けます。

息を吸ってお腹が膨らんだら「ふくらみ」と心の中でつぶやきましょう。

息を吐いてお腹がへこんだら「ちぢみ」とつぶやきます。

 

まず呼吸をしていることを自覚し、次に呼吸の行程に注意を払います。

気がそれてしまったら、「雑念」とつぶやき、またそっと呼吸に戻りましょう。

 

たったこれだけのことを行います。

何かをしようとする「Doing」モードから、何もしない「Being」モードに切り替えるだけで、自然と体はリラックスしてきます。

 

1分から5分の短さからスタートし、だんだん時間を延ばしていきましょう。

 

オススメのリラクゼーション用の音楽

癒し効果の高いクリスタルボウルの音色と、自律神経を整える事前の揺らぎ音が合わさった音楽です。よく眠れそうですね。

 

 

桃源郷パンフルート・アンビエント、レ・アールの音源です。筆者のお気に入りです。

 

 

米アンビエントの大きな存在、William Basinskiの音源です。

瞑想的なループサウンドが特徴です。どの盤もおすすめです。

 

まとめ

心と体を完全に「OFF」にする為には、瞑想やヨガなどで脳をリセットし、副交感神経を優位にさせることが大切だということを解説してきました。。

 

リラクゼーションは、何かを求める「Doing」モードのままでは得ることが出来ません。

 

「なにもしなくてもいい」「このままでいい」

こういった「Beingモード」に切り替えるためにも瞑想は大変有益です。

 

ヨガと瞑想、両方やる時間なんてない。そんなあなたはRelookアプリをご利用ください。 

忙しい毎日を乗り切るためにも毎日瞑想を取り入れてみてくださいね。

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※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。