瞑想を始めたいけれど、難しそう・・・

たしかに、瞑想のやり方はいろいろあります。

だけど、基本はどれもすごいシンプル!

寝ながらでも行えます。

もっとも大切なことは、心地よくリラックスした状態をつくることです。

代表的な瞑想のやり方をピックアップして、それらに共通する実践の上でのポイントをまとめました。

身体と心の調子を整える瞑想をぜひ、体験してみてください。


そもそも瞑想とは?

world meditation

瞑想について記された最も古い書物は、紀元前1500年のインドのヒンドゥー教のものです。

しかし、歴史家によると、瞑想はそれよりももっと前、紀元前3000年にインドで始まったと推測されています。

その後、近隣諸国へ急速に広まり、世界中の宗教の一部となり、瞑想のやり方にバリエーションが生まれました。

日本に初めて瞑想を広めたのは、飛鳥時代、中国(唐)に渡って禅を学んだ道昭だと伝えられています。

西洋で瞑想が広く注目されるようになったのは18世紀の頃で、ユダヤ人を介して広がりました。

その後、20世紀に入ってからこれまでの期間に何度か瞑想ブームがありました。

最近、Google、Yahoo!、Apple、Intel、マッキンゼー、Facebookなど名だたる世界的企業でも研修プログラムとして採用され注目を浴びているのが、宗教色が一掃されたマインドフルネス瞑想です。

マインドフルネス瞑想は、1979年にマサチューセッツ大学にて、慢性疼痛の患者のためにマインドフルネスストレス低減法(Mindfulness Based Stress Reduction)として開発されたことが始まりでした。

今でも宗教的な目的で行われることもある瞑想ですが、マインドフルネス瞑想のように、精神的な信念とは関係なく、穏やかな内面の調和や身体の調子を整えるスキルとして捉えられるようにもなりました。


瞑想の仕方

瞑想には様々なタイプがあります。

ここでは、代表的な瞑想の仕方をピックアップして解説します。


呼吸を感じるマインドフルネス瞑想

マインドフルネス瞑想では、「いま」の瞬間に起きていることを五感で感じていきます。


マインドフルネスの基本となる、呼吸を感じるマインドフルネス瞑想の仕方を紹介します。


呼吸マインドフルネス瞑想

<手順>

  1. 落ち着ける場所に腰掛けて、頭を天井から引っ張られているように背筋を伸ばす

  2. 一度、軽く息を吐き出す

  3. 鼻から大きく息を吸って、お腹が膨らむのを感じる

   口からゆっくり息を吐いて、お腹が凹むのを感じる(5回繰り返す)

  4. 心が落ち着くのを感じる

  5. 自分のペースの呼吸に戻し、心が落ち着いたことを感じる

【実践】上記の瞑想を音声の誘導・リラックスミュージック付きで行う場合は、こちらのアプリをご活用ください。

RELOOKアプリ<「瞑想」タブ < 「悩み別」 < 「マインドフルネス」 <「マインドフルネス瞑想基礎」 <「Day2 呼吸のマインドフルネス」



RELOOKアプリについてはこちらを参照してみてください。


マントラを唱える超越瞑想

超越瞑想は、故マハリシマヘシュヨギ氏がインドの古代ヴェーダの伝統から生み出した瞑想方法です。

気が散るような考えを避けてリラックスした意識の状態を促進するために、マントラを唱えます。

超越瞑想で用いられるマントラとは、ヴェーダの伝統に基づく意味のない音だとされています。

マントラ

 

<手順>

  1. 足を地面につけ、手を膝に乗せて、心地よい椅子に座る

  2. 目を閉じて深呼吸をして、体をリラックスさせる

  3. 一度目を開き、再び目を閉じる


  4. 心の中でマントラを繰り返す (マントラの言葉は、超越瞑想の先生から教えられる サンスクリット語の音)


  5. 自分が考えていることに気づいたら、再びマントラに戻る

  6. 20分後、ゆっくり指と足の指を動かす

  7. 目を開ける


イメージ力を使うチャクラ瞑想

チャクラとは、ヨガやアーユルヴェーダの教えで、背筋に沿って存在するといわれるエネルギーの通り道にある歯車のようなものです。

脊髄に沿って尾骨のあたりから首、そして頭のてっぺんまで、エネルギーの通り道に計7カ所あります。

それぞれのチャクラを整えて、エネルギーの流れをスムーズにすることで、身体と心が整っていくと考えられています。

チャクラ瞑想

<手順>

  1. きつすぎない心地の良い服装で、あぐらをかいて床に座る
  
  2. 骨盤を立てて、背筋をまっすぐ伸ばす

      両手は膝の上に起き、肩を落とし、背筋を伸ばす以外は全身リラックス

  3. 呼吸はゆっくりと深く行い、まずは、呼吸に意識を集中させる

  4. 呼吸が整ったら、第1チャクラから第7チャクラまで順番に、チャクラの色と役割をイメージして、エネルギーの流れを感じる


より詳しい内容はこちらをご覧ください。
↓↓↓

チャクラ瞑想のやり方とは?7つの効果で豊かな人生を手に入れる!


寝ながらでもできる瞑想の方法

瞑想には、寝ながら行えるものもあります。


寝ながら呼吸に意識を向ける瞑想

寝ながら呼吸瞑想

寝ながら呼吸に意識を向けていきます。


<手順>

  1. 仰向けの状態で左右対称になるように手足を広げる
 
  2. 軽く目を閉じて口から大きくため息を吐く

  3. 大きく息を吸って、もう一度大きく吐き出す

  4. 鼻から吸って(3秒かけて)、口から吐く(6秒かけて)、というのを繰り返す

      心の中でカウントして3セット行う

  5. 同じような呼吸のペースで、カラダ・ココロ・頭の中にある不要なもののイメージを息に載せて吐き出す

  6. 自然な呼吸に戻す

  7.  真っさらな1日をスタート


【実践】上記の瞑想を音声の誘導・リラックスミュージック付きで行う場合は、こちらのアプリをご活用ください。

RELOOKアプリ>「瞑想」タブ> 「悩み別」>「睡眠&起床」>「気持ちよく目覚める」

気持ちよく目覚める



寝ながら体の感覚に意識を向けるボディスキャニング

寝ながら、足の先から頭のてっぺんまで、全身の体の感覚を確認していく瞑想です。

<手順>

  1. 仰向けに寝て、掌を上に向けて、腕を軽く開く
 
  2. 体の心地いいポジションを探す

  3. 目を軽く閉じる、もしくは、軽く開けた状態

  4. 呼吸に意識を集中させる

   鼻から息を吸って、鼻もしくは口から息を吐き出す

  5. 意識がそれることに気づいたら、呼吸に意識を戻す

  6. 意識を全身の各部位に向けて、足先から頭のてっぺんまで、順番に感覚を確かめる

  7. 体全体を意識して呼吸する

 

音声を聴きながらボディスキャンを行う場合は、こちらを参考にしてください。

【参考】RELOOKアプリよりボディスキャニングを体験できます。

RELOOKアプリ>「瞑想」タブ>悩み別>睡眠&起床>ボディスキャンで緊張を解いて熟睡する>Day1 体に意識を巡らせて脱力をイメージする

bodyscanningapp


瞑想の効果

瞑想の効果については、科学的な検証が進められています。

とくにマインドフルネス瞑想の研究は盛んで、以下のような効果が期待されています。

ストレスが軽減される

stressreduction

欧米を中心に、ストレスを減らす目的やうつ病の方向けに、マインドフルネス瞑想が実施されています。

カナダのモントリオール大学は、過去に行われた209の研究を分析し、マインドフルネスはストレスを減らすのに効果的であると、結論づけています。(#1)

(参考文献#1.) Bassam Khoury, et al. Mindfulness-based therapy: A comprehensive meta-analysis. Clinical Psychology Review; Volume 33, Issue 6, August 2013, Pages 763-771.

関連記事:論文レポート:マインドフルネスによるストレス軽減効果


集中力アップ

concentration

注意力、記憶力など計測し、マインドフルネスが集中力にどう影響するかを調査した23の研究結果が検証されました。

そのなかで、集中力を高めるのに役立つ可能性があるという結果が得られています(#2)

(参考文献#2.)  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21183265/


例えば、あるアメリカでの研究では、瞑想初心者にマインドフルネス瞑想のテープを10分聞かせたところ、注意力が上がったといいます。(#3)

(参考文献 #3.) Catherine J. Norris, et al. Brief Mindfulness Meditation Improves Attention in Novices: Evidence From ERPs and Moderation by Neuroticism. Front Hum Neurosci.2018;12:315

関連記事:論文レポート:マインドフルネスによる集中力向上効果


ポジティブ思考になれる

happy

マインドフルネス瞑想では、「評価をしない」練習をします。

瞑想中に浮かび上がってきた感情や思考を観察するように心がけ、良し悪しの評価をしだしたら、評価し出したことに気づき、手放すというのを繰り返し行います。

ネガティブな感情に引っ張られやすい場合、このトレーニングで落ち着きを取り戻し、すでにあったポジティブなことに気づきやすくなります。


2012年のオーストラリアでの研究では、マインドフルネスが人生の満足度や幸福感と有意に相関していることが示唆されています。(#4)

(参考文献 #4. ) https://www.researchgate.net/publication/257664437_Efficacy_of_Positive_Psychology_Interventions_to_Increase_Well-Being_Examining_the_Role_of_Dispositional_Mindfulness


ポジティブ思考を身につけるというよりも、マインドフルネス瞑想をすることで自然と湧き上がる幸福感を感じやすくなると言えるのかもしれません。

関連記事:論文レポート:幸せとマインドフルネスの科学的関係


感情をコントロールする力がつく

control emotion

マインドフルネス瞑想では、浮かんできた「感情」と「感じている自分」を別物と捉えるトレーニングを繰り返し行っていくことで、感情をコントロールする力が鍛えられます。

その時、脳内に変化が生じています。

脳内の感情の中枢と呼ばれる扁桃体は、おもに不安や恐怖、悲しみや喜びなど感情的な出来事に関連づけられた記憶を作り、記憶を保持する役割を担っています。

うつ病の場合は、扁桃体の血流が健常者よりも増加し(#5)、扁桃体の活動性が高まっていると考えられているのですが、マインドフルネス瞑想には、扁桃体の反応性を低下させて、感情的な反応を改善する可能性があると指摘されています。(#6)

(参考文献 #5.) Drevets WC: Neuroimaging and neuropathological studies of depression: implications for the cognitive emotional features of mood disorders. Curr Opin Neurobiol, 240-9.2001

(参考文献#6.) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6671286/



また、ある日本での研究では、1週間毎日5-10分のマインドフルネス瞑想を行ったことで、短期的な気分の改善と中長期的な怒りの改善が認められました。(#7)

(参考文献 #7.) Misa Hirano, et al. The impact of mindfulness meditation on anger. The Japanese Journal of Psycho. 2013, Volume 84, Issue 2, P 93-102.


繰り返しの練習で感情をコントロールする力が強化されるのは、筋トレと似たイメージです。



瞑想を実践する上でのポイント

瞑想の種類によって、その方法は少しずつ変わってきますが、多くの場合に共通する、瞑想を実践する上でのポイントを解説します。

環境を整える

環境

瞑想を実践する前の準備として、以下のような点に留意して、落ち着いて集中できる環境を整えます。

  ・瞑想を行う場所

  ・部屋の明かり

  ・室温

  ・音

  ・香り

  ・服装

など

例えば

  ・自分の部屋で行うのが一番落ち着く

  ・部屋の明かりは少し暗めがいい

  ・音楽があったほうが瞑想に集中しやすい

  ・アロマオイルやキャンドルを使うと、よりリラックスできる

  ・ゆったりとした服装のほうが心地よい

など、それぞれ好みがあると思いますので、あなたにとって心地よいと感じる快適な環境を整えましょう



姿勢を整える

姿勢

座って行う瞑想の場合は、基本的に背筋を伸ばして骨盤を立てて座ります。

お尻の後ろのほうにクッションなどを敷くとやりやすいかもしれません。

姿勢を維持するのに負担のない姿勢で行います。


体に痛みがある場合は、無理をせず楽な姿勢で行ってください。

呼吸を整える

呼吸

瞑想の始めに、深呼吸で呼吸を整えていきます。

呼吸は、唯一、自分で自律神経をコントロールできるものです。

ゆっくりとした呼吸で副交感神経の優位な状態、つまりリラックスの状態を作っていきます。



まとめ

瞑想は心や身体の調子を整えるスキルとして世界中で行われている歴史のあるものです。

瞑想の方法も多岐に渡り、そのうちの寝ながらでもできる瞑想など、特徴のある瞑想のやり方を紹介しました。

やり方は一見異なっているようですが、瞑想を実践する上で共通しているポイントは、心地よくリラックスできる状態を作ることです。

短い時間から始めて、ぜひ、毎日の瞑想の時間を楽しんでください。



※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。