心を鎮めて日々のストレスから解放される瞑想と、身体を動かして汗をかく運動は、どちらも生活を豊かにしてくれます。心身の健康維持のために、生活に取り入れたい習慣ですよね。
瞑想にはリラックス効果や、集中力の向上など、主に精神面の安定や感情のコントロールといった効果が期待できます。
毎日数分間続けるだけでも変化が見られると言われており、世界の有名企業が研修で取り入れ、著名人も実践していると近年話題になる機会が増えてきています。
自分自身をコントロールできる力を養えると、仕事やプライベート、どんな場面でも応用可能です。
一方の運動は生活習慣病の予防に繋がったり、血糖値を改善したり、身体の機能を維持したりと健康効果が望めます。
また、ストレス解消にも繋がり心の健康も保つ役割があるのです。
適度な運動を行うと、疲労を回復することができ怪我の防止にもつながるのでトラブル回避にもなります。
目次
瞑想と運動を行う順番はどっちから?
ところで、
「瞑想と運動はどっちから先にやった方が良いんだろう…」
「両方組み合わせると、何か良い効果でもあるのかな?」
と考えたことはありませんか?
結論から言うと、どちらから始めた方が良いということはなく、瞑想や運動をする目的が重要です。
例えば、
「陸上の大会でいい成績を残したい」
と考えるのであれば、運動の前に瞑想をすることで、集中力を研ぎ澄ませることができます。
一方で、
「運動の後に、身体や心を落ち着かせたい…」
と思うのであれば、運動後のクールダウン代わりに瞑想をするのが良いでしょう。
また他にも、集中状態に入りやすい運動後に瞑想を行うのが良いとされる一方で、剣道では運動の前に心を整えるという目的で瞑想や黙想をします。
運動前か運動後のどちらかに瞑想をするべきだ、と頑なにならずに、自分の目的に合わせて一番のびのびとできる順番や方法を見つけてください。
瞑想が運動の効果を引き出す
瞑想で精神を整えることができるようになると、パフォーマンスにも良い影響を与えます。
野球のイチロー選手やテニスのジョコビッチ選手など、トップアスリートたちも瞑想を取り入れているのはご存知ですか?
失敗が許されないプロのアスリートにとって、メンタルトレーニングは欠かせませんよね。
凄まじい集中力を必要とする彼らは瞑想を習慣にすることによって、集中力を養ったり、精神面の強化を図っているのです。
実際に、運動と並行して瞑想に取り組むことでより良い効果が期待できる、という研究報告があります。
2017年6月に Journal of Cognitive Enhancement で瞑想に関する研究の結果が報告されています。
研究では、「HIIT(High-Intensity Interval Training)」と呼ばれる運動法と瞑想を組み合わせたことで、トレーニングの効果が上がることが分かりました。
HIITとは、日本語で「高強度インターバルトレーニング」と呼ばれ、短い間隔で休みを挟みながら筋トレで身体に強い負荷をかけて脂肪を燃焼します。
毎日瞑想を習慣にしているアスリートたちはHIITの最中にパフォーマンスそれ自体や意識を向ける技術の改善ができたことが分かったのです。
(参考:Journal of Cognitive Enhancement)
また、瞑想は呼吸がとても重要な役割を果たしますが、呼吸を自分の意識下に置いてコントロールすることで運動時のパフォーマンスの向上につながるでしょう。
他にも、例えば大会の前日の夜やレース直前など、ドキドキしていて思うようにいかない時も、瞑想をしてリラックスすることもできます。
以上のように、瞑想によって運動時のパフォーマンスや効果を高めてくれることが期待できるでしょう。
運動、睡眠、瞑想の3つが生活の質を最大限高める
生活の質を上げるためには、心身ともに健康でいることが重要ですよね。
そのために欠かせないものが、運動と睡眠、そして瞑想です。それぞれが身体を内側から元気にしてくれます。
3つをバランス良く行い、生活の質を向上させましょう。
運動
運動は激しいものでなく、歩いたり、泳いだりといった有酸素運動を、無理のない範囲で始めるのがおすすめです。
有酸素運動は基礎代謝を上げ、心肺機能を強化し血圧の安定といった様々な効果が期待できます。
病気や怪我のない健康的な身体を作るためには適度な運動が欠かせません。
睡眠
睡眠もしっかり取りましょう。私たちの身体では眠っている間に、免疫細胞が活発に働いて免疫力を高めてくれているのです。
新陳代謝を促す成長ホルモンも睡眠中に分泌されています。
身体の組織を癒したり、修復や再生をしたりしてくれているのです。
そのためリラックスしながら深い眠りに入ることで、心身の疲れが取れて生活の質も上がるでしょう。
瞑想
そしてこの良い睡眠のサポートをしてくれるのが瞑想です。深呼吸をしながら、意識を「今」に向けることでストレスの軽減にも繋がります。
リラクゼーション効果も期待できるため、眠りやすい状態が作れるはずです。
運動や睡眠とともに、瞑想をルーティンのひとつにして、あなたの毎日をさらに豊かな生活へと近付けましょう。
関連記事:論文レポート:睡眠の質の向上―脳波からみたマインドフルネスの効果-
論文レポート:マインドフルネスによるストレス軽減効果
実際の瞑想のやり方
マインドフルネス瞑想は、マサチューセッツ大学のジョンカバット・ジン教授により始められました。
彼の著書『マインドフルネスストレス低減法』で紹介されているマインドフルネス瞑想の方法をお伝えします。
「今、この瞬間」に注目し、心と身体をじっくりと観察するマインドフルネス瞑想は、身体を動かしながらでも行えます。
マインドフルネス瞑想を、運動と共に取り入れてみるのもおすすめですが、瞑想と運動を掛け合わせた「歩くマインドフルネス瞑想」にもぜひ挑戦してみてくださいね。
歩行瞑想とも呼ばれ、身体を動かすのがお好きな方には特におすすめですよ。
<マインドフルネス瞑想のやり方>
1.椅子に浅く座り背筋を伸ばしますが、全身に力を入れすぎないようにしましょう。
2.手は軽く太ももの上に置きます。
3.目は閉じても、少し開いていても大丈夫です。
4.静かに大きく呼吸を行います。吐く息と、吸う息に注目し、どのように呼吸しているのか観察しましょう。
5.瞑想中にさまざまな考えや感情が浮かんできても、その思考に引っ張られないように、意識を呼吸に戻します。
椅子に座って行う基本のマインドフルネス瞑想法です。
初心者の方でも気軽に始められるので、まずは5分間だけでも挑戦してみましょう。
それでも長いと感じる場合は、1分間でも問題ありません。
没頭できなくても焦らず、常に呼吸に注意を向け続けてください。
明日の予定や昨日の失敗にとらわれずに「今、この瞬間」に集中します。
新しい発見や、初めての感覚に出会えるようになるでしょう。
<歩くマインドフルネス瞑想>
1.背筋を伸ばして立ちます。立っている状態をよく観察しましょう。
2.歩き出すときは意識を足に向けて、できるだけゆっくり踏み出します。
3.地面から浮き上がる足の動きを確認しながら、また静かに地面を踏みしめましょう。
4.もう片方の足も同じように動かして、歩いてみてください。
歩くマインドフルネス瞑想は、全身を使いながら瞑想を行います。
ゆっくりと身体を動かすことで、動きの変化を掴みやすく、座っているのが苦痛という方にもピッタリです。
他のことを考えてしまったり、注意が散漫になったら、また足の動きに意識を戻します。繰り返し行ってくださいね。
動作を止めて行う瞑想よりも、動きを伴う方が心地良いと感じる方もいます。好きな瞑想のスタイルで取り組んでみましょう。
関連記事:歩行瞑想のやり方や効果を解説【DaiGo実践の歩行瞑想をマスター】
まとめ
身体の調子を整えるために、瞑想と運動のどちらも取り入れると、互いの効果を引き出すことができるのでとてもおすすめです。
運動は好きだけど、「瞑想に挑戦するのはちょっと不安…」という方はアプリを活用してみましょう。
Relookの瞑想アプリなら、誘導してくれる音声ガイド付きなので安心です。無料のコンテンツも揃っているので、試してみてくださいね。
ぜひ瞑想をして身体の内側からエネルギーを感じられるようになってみてください。運動と同様に瞑想を習慣にして、運動の効果を高めましょう。
Relookアプリについてはこちらを参照してみてください。
※本記事の内容は、執筆当時の学術論文などの情報から暫定的に解釈したものであり、特定の事実や効果を保証するものではありません。
参考文献
ジョン・カバットジン(著)Jon Kabat-Zinn(著,原著),春木豊(翻訳).(2007)マインドフルネスストレス低減法